「オルカンだけで分散投資になるのか?」を正しく理解する:S&P500との違いや投資戦略を比較解説

資産運用、投資信託、NISA

インデックス投資の代表格である「オルカン(全世界株式)」は、分散投資の最適解として語られることが多い一方で、「S&P500だけでもいいのでは?」という声も根強くあります。本記事では、オルカンとS&P500の違い、新興国を含むことの意義、そして分散投資の本質について深掘りします。

そもそも「分散投資」とは何か

分散投資とは、投資対象を複数に分けることでリスクを減らす手法です。資産クラス(株式、債券、不動産など)、地域(日本、米国、新興国など)、通貨などを分けることが基本とされます。

たとえば、米国市場だけに集中していると、米国経済が低迷した際にポートフォリオ全体が大きな打撃を受ける可能性があります。

オルカンの仕組みと分散の幅

「オルカン」とは「全世界株式インデックス」の略称で、MSCI ACWIやFTSE Global All Capなどの指数に連動するファンドです。先進国だけでなく新興国を含む広範な株式に投資されます。

例えば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、アメリカ、日本、ヨーロッパ、中国など約50か国に分散投資されており、時価総額加重型なので米国株比率が高めになっています(約60%程度)。

S&P500だけではダメなのか?

「S&P500」は米国の代表的な大型株500社に投資するインデックスです。近年は圧倒的なパフォーマンスを見せており、「S&P500一本でもいいのでは?」と考える投資家も増えています。

ただし、将来も米国株が常に優位とは限りません。1980年代には日本株が時価総額世界一を記録していた時期もあり、国別リスクを避ける意味では全世界投資の意義は十分にあります。

新興国を外すことの影響

新興国市場はボラティリティが高く、短期的には不安定ですが、中長期的な成長が期待される地域です。特にインドや東南アジア諸国は人口増加と経済成長が見込まれています。

一方で、「新興国は不要」と考えてS&P500に絞るのも一つの戦略です。重要なのは、自分のリスク許容度や信念に基づいて選ぶことです。

投資戦略をどう決めるか:オルカン派 vs S&P500派

項目 オルカン S&P500
地域分散 先進国+新興国 米国のみ
リスク 中程度(国別分散で安定) 米国依存でやや高め
成長期待 グローバルな広がり 米国主導の経済成長
手軽さ やや複雑 シンプルで分かりやすい

どちらが「正解」というよりは、目的や価値観に応じた戦略設計が重要です。

まとめ:分散の考え方を自分の投資方針に活かす

「オルカンだけでも分散投資か?」という問いに対しては「Yes」です。ただし、新興国を外すことでリスクとリターンの特性が変わることも事実。

S&P500に集中するのも一つの合理的選択肢ですが、それが「分散投資」になっているかは視点によります。資産クラスや為替リスクの分散など、より広い視野で分散の意味を考えることが、より堅実な長期投資へとつながります。

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