近年、食品や日用品を中心に値上げが相次いでいますが、その背景には「ステルス値上げ」と呼ばれる戦略的な価格調整が関係しています。この記事では、内容量を減らして価格を据え置く形の値上げと、現在のように表面化した値上げの違い、消費者が知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
ステルス値上げとは何か?
「ステルス値上げ」とは、価格は据え置きのまま、商品の内容量や品質を減らすことで実質的に値上げを行う手法です。企業は価格に敏感な消費者に対して目立たぬ形で利益を確保するため、この方法を取ることが多いのです。
たとえば、以前は120gだったスナック菓子が、価格は変わらず100gに変更されていた例があります。このような変更はパッケージのデザイン変更に紛れて行われることもあり、気づきにくいのが特徴です。
近年の明確な値上げの波
2022年以降は、原材料価格や物流コストの上昇などにより、企業はステルス値上げだけでなく、はっきりとした価格改定を行うようになりました。これはいわゆる「表面値上げ」です。
たとえば、ある食品メーカーは、商品の内容量を減らしたうえでさらに価格も上げる“二重値上げ”を発表しています。こうした動きは一時的ではなく、恒常化する傾向も見られます。
過去のデフレ期にも行われていた実質的な値上げ
2000年代から2010年代にかけてのデフレ期にも、ステルス値上げは広く行われていました。当時は「価格を上げると売れなくなる」との企業心理から、量や質を減らして利益を確保する傾向が強かったのです。
結果的に、表面的には価格据え置きでも、消費者が得る価値は減少しており、長期的には事実上の値上げだったといえるでしょう。
消費者が感じる「搾取」とは何か?
企業の価格戦略に対して、消費者が「搾取されている」と感じる背景には、情報の不透明さがあります。内容量が減っていることを明記しないパッケージや、注意書きに小さく書かれた変更点など、消費者への説明責任の不足が不信感につながっているのです。
また、複数回にわたる値上げによって、同じ商品でも数年前に比べて実質的な負担が大きくなっていることを肌で感じる消費者も少なくありません。
値上げにどう向き合うか
消費者としては、以下のような対策が重要です。
- グラム単価や100gあたりの価格を比較する
- 内容量変更の情報に注目する
- プライベートブランドや業務用商品を活用する
- 必要に応じて企業にフィードバックを送る
また、消費者庁やメディアなどが発信する値上げ・内容量変更情報にも目を通すことで、情報格差を埋めることができます。
まとめ
ステルス値上げは、長年にわたり企業が取り入れてきた価格調整手法であり、現在はそれに加えて明確な価格引き上げが進んでいます。消費者がこれに「搾取」と感じるのは当然のことであり、情報の透明性と説明責任が企業側に求められます。私たちも賢く情報を読み取り、選択的に購買行動を取ることで、日々の暮らしを守る知恵を持ちましょう。

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