投資は物価上昇への唯一の対抗策か?損失リスクとのバランスを考える

経済、景気

「インフレに負けないために投資は必須」と言われる一方で、「投資で損したら逆に資産が減るだけでは?」という不安も多くの人が抱いています。実際、どちらが正しいのでしょうか。この記事では、インフレ(物価上昇)と投資の関係、そして投資の是非を冷静に見極めるための視点を解説します。

そもそもインフレとは何か?資産に与える影響を理解しよう

インフレとは、物やサービスの価格が全体的に上がっていく現象のことです。年2〜3%程度のインフレが継続すると、現金の実質的な価値は年々目減りしていきます。

たとえば、100万円を10年間タンス預金していた場合、毎年2%のインフレが続けば、実質的な購買力は約82万円程度にまで低下します。つまり、投資をしなくてもリスクは存在するということです。

投資によって「資産が減る」リスクは本当に高いのか?

短期的な価格変動によって損失が出るリスクは、確かに投資には付きものです。しかし、以下のような要素を踏まえれば、そのリスクは大きく抑えられます。

  • 長期運用を前提とする
  • 分散投資を行う(日本株・米国株・債券・REITなど)
  • 積立投資(ドルコスト平均法)を利用する

たとえば、S&P500(米国の代表的株価指数)は、リーマンショックやコロナショックなど一時的な暴落を経ても、過去20年で年平均約7〜10%のリターンを生み出しています。

投資をしない場合の「見えにくいリスク」

一見すると投資をしなければ「損をしない」と思うかもしれませんが、インフレにより以下のようなリスクが現実になります。

  • 将来の生活費が足りなくなる
  • 老後資金が想定より早く枯渇する
  • 資産の価値が目減りし、働き続けざるを得ない

このように、投資をしない選択にも「目に見えにくい損失」があることを理解することが重要です。

投資を始めるなら「リスクを抑える仕組み」から

怖いから投資をしない、という選択ではなく「リスクを管理しながら投資する」方法を考えることが現実的です。おすすめの方法は以下の通りです。

  • つみたてNISAやiDeCoからスタート
    低コストかつ長期向きの投資信託で非課税制度を活用する。
  • まずは月1万円からの積立投資
    価格変動リスクを平準化しやすい。
  • 投資信託やETFで分散投資
    個別株よりリスクが分散されやすい。

実例として、つみたてNISAでeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に月1万円を10年間積み立てた場合、年利5%の運用なら約155万円にまで増える計算です。

投資は「やるか・やらないか」ではなく「どうやるか」

投資をすることで確かに一時的な損をするリスクはありますが、それは「上手にやる」ことで回避・軽減できます。一方、投資を一切しないことでインフレリスクにさらされるのは避けがたく、いわば「じわじわと資産を減らすリスク」とも言えるでしょう。

つまり、「投資をするかしないか」よりも、「リスクを理解し、適切な方法で運用するかどうか」が最も重要なのです。

まとめ:インフレに負けない資産形成の第一歩

投資には確かにリスクが伴いますが、それは学びと準備でコントロール可能です。一方、投資をしない選択にも目に見えない損失があることを忘れてはいけません。

「損が怖いから投資しない」ではなく、「どうやったら損しにくい投資ができるか?」を考えることが、これからの時代の資産防衛術です。まずは自分のリスク許容度を理解し、小さく始めて経験を積むことから始めましょう。

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