防衛関連株は本当に儲かる?三菱重工や国策テーマ株への投資で注意すべきこと

株式

防衛費の増額や地政学リスクの高まりを背景に、防衛関連株が注目を集めています。特に「国策に売りなし」との格言もあり、三菱重工業などの大手企業が物色されることも増えました。ですが、短絡的に「国策だから儲かる」と判断するのは危険です。本記事では、防衛関連株の特徴と投資判断における注意点を解説します。

国策テーマ株は注目されやすいがリスクも高い

防衛費の増加は事実であり、政府もGDP比2%以上を目指す方針を掲げています。防衛装備やシステム開発を担う企業の業績が今後拡大する可能性は確かにあります。

しかし、国策テーマ株は思惑先行で株価が急騰しやすく、その後の利益確定売りや材料出尽くしによる下落リスクも大きいのが特徴です。テーマ株投資では「出口戦略」が非常に重要です。

PERの高さは将来期待の裏返し?

三菱重工のPERが47倍という数値は、割安ではない水準です。PER(株価収益率)が高いということは、将来の利益成長への期待が織り込まれているという意味でもあります。

仮にPERが80倍まで上昇すれば、株価がさらに上がる可能性はありますが、その期待が実現しなければ大きな調整もあり得ます。PERの上昇=安全とは限らないことを念頭に置きましょう。

防衛費拡大は確かだが、業績に直結するかは別問題

国の防衛予算が増えたとしても、それが企業の売上や利益にどれほど影響するかは慎重に見極める必要があります。防衛関連ビジネスは契約単位が大きく、納期も長期にわたるため、短期的な業績への反映は限定的です。

また、防衛装備は価格が固定されていたり、国家予算の枠組み内で制限がかかる場合もあり、必ずしも大幅な利益増加にはつながらないケースもあります。

国策だからバブル崩壊はない?

「国策だからバブル崩壊はない」という考え方は非常に危険です。過去には再生エネルギー関連やITバブルなど、国の後押しがあっても暴落を経験したテーマ株は多数存在します。

相場の上昇は常に過熱と調整のサイクルで成り立っています。国策=不敗ではなく、テーマの変化や政策の転換にも柔軟に対応する目線が求められます。

実例:三菱重工株の動きと注意点

過去2年間、三菱重工の株価は防衛費拡大や原子力関連の思惑で上昇を続けました。一方で、受注内容が重厚長大であるため、実際の業績改善には時間がかかるという指摘もあります。

また、同社は防衛以外にも航空機やプラント関連など事業が多岐にわたるため、防衛一辺倒で判断すると本質を見誤る可能性があります。

まとめ:防衛関連株投資は中長期視点と分散がカギ

防衛関連株は「国策」という強力な材料を持ちながらも、思惑先行で株価が過熱しやすい側面があります。PERの高さやテーマ性に踊らされず、企業の業績や財務体質をしっかりと分析することが重要です。

短期的な値上がりを狙うのではなく、中長期的に安定成長が見込めるかどうかを見極めましょう。また、投資は1銘柄に集中するのではなく、分散してリスクヘッジを図るのが鉄則です。

株式
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
riekiをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました