円安・物価高で進む“疲弊する庶民”と“潤う富裕層”──人手不足背景と政策の矛盾

経済、景気

2025.06.19

円安と物価高が重なり、庶民は薄い牛丼で耐え、富裕層はステーキを優雅に楽しむ異様な構図が見られます。本記事では、その背景にある経済の歪みと政策の課題を整理します。

1. 円安＝輸入物価高で暮らしはどこまで圧迫されているか

円が1ドル100円→145円へと急激に円安が進行し、輸入品の価格が30‑40%上昇しています。生鮮食品や燃料を中心に家計負担が大きく増しており、これが実質賃金の伸びを上回っています :contentReference[oaicite:0]{index=0}。

特に、中高年サラリーマンの年収500万円は、物価高により生活実質が4〜5割ハンデを負っているのと同義に。

2025年4月の実質賃金は前年比‑1.8%と連続低下、3月も‑2.1%でした :contentReference[oaicite:1]{index=1}。

企業が賃上げに踏み切れないのは、原材料費や円安によるコスト増を消費者に転嫁できず、利益が圧迫されているからです。

求人倍率はバブル期並の高さで、人手不足が深刻。企業は賃上げよりも業務のデジタル化や自動化を優先するケースも増えています :contentReference[oaicite:2]{index=2}。

しかし、構造的インフレの中で賃金が追いつかず、家計の暮らし向きは改善していません。

自民党は令和30年度までに平均賃金＋100万円という衝撃公約を掲げましたが、実態としては達成困難です :contentReference[oaicite:3]{index=3}。

一方、野党は最低賃金1,500円や低所得層の支援策を訴え、現実的な政策との対比が鮮明です :contentReference[oaicite:4]{index=4}。

日銀は0.5％金利を維持しながらも、インフレと人手不足を認識しています :contentReference[oaicite:5]{index=5}。

ただし政策は主に金融緩和や法人支援に偏り、庶民の可処分所得には届いていません。

生活者としては、食費の見直しや非正規収入の確保、副業など柔軟な収入戦略が不可欠です。

また、政策的には賃金補助や社会保障の底上げが必要で、政府・自治体ともに協調した支援が求められます。

円安・物価高下で、裕福層と貧困層の差は広がり続けています。「競争原理」のもと富裕層の恩恵だけが拡大する現況では、中高年庶民の疲弊は止まりません。

真の成長には、価格調整政策と庶民支援が一体となった持続可能な構造改革が急務です。

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