時価総額加重平均型インデックス投資信託の仕組みとリバランスをやさしく解説

資産運用、投資信託、NISA

インデックス投資信託、とくに時価総額加重平均型の仕組みについて「なぜあの銘柄が買われるの?」「売られないの?」と疑問に思う方は多いでしょう。この記事では、毎日積立で投資する場合の資金の流れや、保有比率の変化、リバランスの具体的な仕組みについて、わかりやすく具体例を使って解説します。

時価総額加重平均とは?

時価総額加重平均とは、各銘柄の株価 × 発行済株式数で計算される時価総額をもとに構成比率が決まる方式です。つまり、時価総額が大きい企業の株が多く組み入れられるということになります。

たとえば、A社が100兆円、B社が50兆円、C社が10兆円の時価総額なら、指数内の構成比率はおおよそA社:B社:C社=67%:33%:7%程度になります(手数料や最低単元の影響は除く)。

積立時にどの銘柄が買われるのか?

毎日積立された資金は、その時点の時価総額に応じた比率で自動的に各銘柄に割り当てられます。価格が上がった銘柄はその分時価総額が増え、相対的に構成比率も高くなります。

たとえば、昨日の比率がA:B:C=50%:30%:20%だったとしても、A社の株価が大きく上がれば、今日はAの比率が55%になるかもしれません。その場合、新しく投資される資金は、この新しい比率で自動的に配分されます。

売買は自動で発生するのか?

基本的には、「価格が動くことで自然と構成比率が変化」します。そのため、価格が上がった銘柄は相対的に保有比率が上がり、下がった銘柄の比率は下がります。

ただし、「リバランス」という調整作業によって、一定期間ごとに元の基準に戻すための売買が行われます。

リバランスの具体例

例として、A社とB社の2銘柄で構成されるインデックスファンド(A:B=50:50)を考えましょう。

  • 最初:A社の価格100円、B社の価格100円 → 50株ずつ保有
  • 1か月後:A社の価格が150円に上昇、B社は100円のまま
  • 結果:A社の時価総額=7,500円、B社=5,000円 → 比率60:40に変化

このままだとA社が構成比で多すぎるため、リバランス時にA社を売ってB社を買い、50:50に戻します。この操作によってファンドは元の設計方針を保ちます。

積立とリバランスはどう違う?

積立はあくまで「新規資金を配分する行為」であり、リバランスは「保有資産全体の配分を調整する行為」です。

そのため、毎日の積立時に値上がり銘柄を多く買うように見えても、定期的なリバランスで過剰な偏りは修正されるのです。

値下がりした銘柄は買い増しされるのか?

リバランスでは、構成比率が下がった(=価格が下がった)銘柄が基準比率に達するように買い増しされる場合があります。これにより安いタイミングで買い戻す動きとなるため、平均取得単価の調整にもつながります。

ただし、極端にパフォーマンスの悪い銘柄はリバランス時に除外される場合もあります(指数の見直しなどによる除外)。

まとめ:時価総額加重型の積立とリバランスの役割

時価総額加重平均型の投資信託では、価格変動によって自然に構成比率が変化します。積立時にはその時点の比率で資金が配分され、リバランスによって過度な偏りが調整されます。

この仕組みによって、投資家は複雑な判断なしに「市場の動きに連動する」形で資産を運用できるのが大きなメリットです。

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