1998年には新車価格260万円だったホンダ・プレリュードが、2025年には中古で600万円近くにまで跳ね上がっています。一方、平均年収は472万円から426万円に下がっているという現象。車と給与、2つの数字が対照的に動いている背景には、現代経済の構造変化と旧車市場の特殊な事情が隠れています。
1998年の日本と2025年の今:平均年収の推移
1998年の日本は、バブル崩壊後の経済停滞が続きながらも、平均年収はおよそ472万円でした。これは終身雇用や年功序列が機能していた時代で、雇用の安定が賃金にも反映されていました。
一方、2025年現在では、非正規雇用の増加やグローバル競争の激化により、実質賃金は低下傾向。平均年収は約426万円まで下がっています。消費税や社会保険料の増加も家計を圧迫しています。
ホンダ・プレリュードの価値が高騰した理由
プレリュードのような90年代の国産スポーツカーは、近年「ネオクラシック」として世界的に人気を集めています。北米を中心に旧車ブームが加速し、輸出需要も拡大しました。
また、日本国内でも若者を中心に「MT車」や「アナログ車」への回帰が起きており、販売台数の少なかったモデルほど希少価値が高まっています。特に状態の良い個体は投資対象としても注目され、高値で取引されるようになりました。
インフレと資産価格の上昇が後押し
2020年代以降、日本でも物価上昇が本格化しはじめ、株式や不動産だけでなく中古車市場にもインフレの波が押し寄せています。高品質な旧車は「実物資産」として資金の逃避先に選ばれることもあります。
加えて、プレリュードのような車は既に生産終了しており、パーツ供給の不安や整備の難しさを抱えていても、「二度と手に入らない」という希少性がプレミアム価格の根拠となっています。
新車と中古車の価格逆転現象とは?
一部の中古車が新車価格を超えるという「逆転現象」は、旧車市場に特有の動きです。プレリュード以外にも、トヨタスープラ、日産スカイラインGT-R、ホンダS2000などが同様のトレンドを示しています。
この現象は需給バランスの変化に加え、ノスタルジーや所有欲といった感情的な価値が価格に上乗せされることで説明できます。
かつての「身近な車」が富裕層のコレクションへ
かつては多くの若者が憧れ、手が届く存在だったプレリュードが、今や富裕層や海外バイヤーの「資産」へと変貌を遂げています。こうした背景には、実質賃金の下落とモノの価値の変化という大きな時代の流れがあります。
その一方で、若者の「買えない」「維持できない」という現実も無視できません。クルマは移動手段から趣味・投資対象へと役割を変えつつあるのです。
まとめ:収入は減り、車の価格は上がる時代
1998年には給与と新車価格が釣り合っていたのに対し、2025年の今は、平均年収が減少しているにも関わらず、旧車の価格が高騰しています。これは単なる物価の問題ではなく、社会構造・市場心理・世界的な需要といった複合要因の結果です。
プレリュードの高騰は、今の日本の経済と生活の「ズレ」を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント