ETFと個別株を同時に買ったらリターンは同じ?100銘柄を自分で持つのとETF1本の違いを解説

株式

投資初心者から経験者まで人気の高いETF(上場投資信託)は、複数の銘柄に分散投資できる便利な金融商品です。中には、100銘柄以上を組み込んだETFもありますが、「そのETFを買うのと、自分で100銘柄をすべて購入するのは同じリターンになるのか?」という疑問を抱く方も少なくありません。この記事では、ETFと個別株のリターンの違いや、両者を比較する際に知っておくべきポイントを詳しく解説します。

ETFとは?簡単におさらい

ETF(Exchange Traded Fund)は、日経平均株価やS&P500などの指数に連動するよう設計された投資信託です。1つのETFを購入することで、その指数を構成する複数の銘柄に分散投資できます。

たとえば「S&P500 ETF」であれば、アップルやマイクロソフトなど米国の代表的な500社に分散投資できる仕組みです。銘柄を一つずつ買う手間が省け、少額から分散効果を得られるのが最大のメリットです。

ETF1本 vs 個別株100銘柄:リターンは本当に同じ?

理論上、ETFの組み入れ銘柄とまったく同じ株数・同じ比率で個別株を自分で購入した場合、パフォーマンスはほぼ同じになります。しかし、実際には以下のような違いがリターンに影響を与えることがあります。

  • 売買手数料の違い:個別株100銘柄を自分で購入すれば、それぞれに手数料が発生します。一方ETFは1本で済むため、手数料が抑えられる。
  • 再投資の効率:ETFは分配金を自動的に再投資するタイプ(配当再投資型)もあり、複利効果が得られる。一方、自分で再投資する場合はタイミングとコスト次第。
  • 管理の手間:100銘柄を自力で保有すると管理が煩雑で、リバランスも難易度が高くなります。

自分で買う場合に起きる可能性のあるズレ

ETFは指数に沿って常に自動でリバランス(組み入れ銘柄の比率調整)されますが、自分で100銘柄を保有している場合、同じようにリバランスを行うのは現実的に困難です。その結果、指数やETFとは異なる値動きとなる可能性があります。

また、個別株で保有している場合、特定の銘柄が急騰・急落したときに、感情的に売買してしまいリターンがブレることもあります。ETFでは分散効果により、そのような値動きの影響を吸収しやすくなっています。

コスト比較:ETFと個別株でどちらが得?

たとえば1回の株式売買に500円の手数料がかかる場合、100銘柄購入すると単純に5万円のコストになります。一方、ETFであれば1回分の手数料で済みます。さらにETFは年率0.1〜0.3%程度の信託報酬が発生しますが、長期で見れば管理の手間とコストのバランスから見て合理的です。

信託報酬の分だけリターンがETFの方が低くなると考える方もいますが、多くのETFでは分配金やリバランスの効果によってその差は非常にわずかです。

実例:S&P500に連動するETFと個別株を比較

例えば「VOO(バンガード・S&P500 ETF)」を1本買うのと、S&P500に含まれる銘柄をすべて購入したとします。理論上はVOOのリターンと同様になりますが、実際に500社を均等比率で買うのは極めて難しく、実践的にはETFの方が効率的です。

また、VOOの信託報酬は年0.03%と非常に低く、個別株の管理や売買タイミングのリスクと比較しても、リターン差はほぼ無視できる範囲と言えます。

まとめ:ETFは効率的かつ実践的な選択

個別株をすべて購入すれば、理論上はETFと同じリターンを得られますが、現実的には売買手数料、リバランス、再投資の手間やリスクを考慮するとETFの方が圧倒的に実用的です。

投資信託より低コストで運用でき、分散効果も得られるETFは、初心者から上級者まで安心して取り組める資産形成の手段と言えるでしょう。

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