資産1億円以上――この金額を聞くと、一部の富裕層だけが到達できる世界だと思われがちですが、実は日本においてもその人数は決して少なくありません。この記事では、資産1億円以上の人がどれほど存在するのか、どのような人々がその層に該当するのか、不動産を含めたリアルな実態を解説します。
日本における1億円以上の資産保有者の割合
日本の民間シンクタンク「野村総合研究所(NRI)」によると、2023年時点で純金融資産1億円以上を保有している世帯数は約138万世帯。これは全世帯の約2.5%に相当します。金融資産に限定しても40人に1人程度存在しています。
ただしこの数値は「金融資産」に限られており、不動産などの実物資産を含んだ「総資産」で見ると、この割合はさらに上がる可能性があります。特に都市部に不動産を所有している世帯では、不動産価格の上昇により1億円を超える例も少なくありません。
不動産込みなら意外と多い?都市圏での実例
東京都心や横浜、名古屋、大阪といった都市部では、土地と家屋を合わせると評価額が7,000万円~1億円を超えることは珍しくありません。
例えば、東京都世田谷区の築20年・土地付き戸建てを所有しているだけで、不動産評価額が1億円を超えるケースもあります。このように、現金や株式が少なくても「資産全体」で見れば1億円を保有している世帯は実際には多く存在しています。
富裕層の定義と分類
野村総合研究所は、以下のように富裕層を分類しています。
分類 | 純金融資産 |
---|---|
超富裕層 | 5億円以上 |
富裕層 | 1億円~5億円未満 |
準富裕層 | 5,000万円~1億円未満 |
このうち「富裕層」に該当する世帯が全国に約138万世帯存在しているということになります。
地方と都市部の格差が生む体感ギャップ
都市部では不動産価値が高いため、「資産1億円」は意外と多く存在する一方、地方では1,000万円以下の不動産も多いため、その差は大きく感じられます。都市圏に住んでいない人ほど「1億円の資産を持つ人はごく一部」という印象を受けやすい傾向があります。
たとえば、福井県や秋田県など地価が安い地域では、1億円の総資産を持つ世帯はかなり少なくなる一方、東京都内や神奈川の一部エリアでは「不動産込みで1億円」はそれほど珍しいものではありません。
実際の肌感覚と統計のズレ
「10人に1人が資産1億円を持っているのでは?」という印象は、おそらく都市部に住んでいるか、ある程度の資産を持つ人の周囲の感覚によるものでしょう。統計的には「10人に1人(=10%)」ではありませんが、不動産を含めればこの割合に近い地域もあります。
また、団塊世代を中心とした高齢者層は、長年の持ち家所有・土地資産の上昇、退職金の蓄積などにより、1億円に達していることも多く、世代別の偏りも見逃せません。
まとめ:1億円の資産を持つ人は意外と多い
金融資産のみで見ると、資産1億円以上の世帯は全体の2.5%ですが、不動産を含めた「総資産」で見れば、10人に1人に近い割合となっている地域もあります。特に都市部では土地や家屋の価値が高く、不動産が資産構成の大部分を占めている家庭も少なくありません。
資産形成の一つの目標として「1億円」は一つの区切りですが、その内訳や背景には大きな差があります。今後の資産形成の参考として、現実的な視点を持つことが大切です。

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