銀行のNISAから楽天証券へ変更できる?金融機関変更の手続き・タイミングと注意点を解説

資産運用、投資信託、NISA

銀行でNISA口座を開設したあとに、投資信託や株式の商品数、手数料、使いやすさなどを比較して「ネット証券へ変更したい」と考えることは珍しくありません。NISAは一度銀行で開設したら、その金融機関を永久に使い続けなければならない制度ではありません。

NISAの金融機関は所定の手続きをすれば銀行から楽天証券などへ変更できます。ただし、その年にすでにNISA枠を使って買付をしているかどうかで、変更できる時期が変わる点が重要です。

また、銀行のNISAで購入済みの商品を、そのまま楽天証券のNISAへ移すことはできません。「NISA口座を使う金融機関の変更」と「保有商品の移管」は別の話として理解しておく必要があります。

銀行で開設したNISAは楽天証券へ変更できる

NISA口座は1人につき1口座が原則ですが、金融機関を年単位で変更することは可能です。そのため、現在銀行でNISAを利用している人が、今後のNISAを楽天証券で利用することもできます。

楽天証券も他金融機関からのNISA乗り換え手続きを案内しており、基本的には現在の金融機関で変更手続きをしたうえで、楽天証券側でNISAを申し込みます。[参照:楽天証券 NISA口座の金融機関変更・移管]

「銀行のNISAを解約して、新しく楽天証券で普通に申し込めばよい」と自己判断するより、NISAの金融機関変更として手続きを進めるのがポイントです。

手続きはそれほど難しくないが2つの金融機関が関係する

銀行から楽天証券へ変更する場合、楽天証券だけで手続きが完結するとは限りません。まず現在NISAを開設している金融機関で手続きを行い、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」など、変更に必要となる情報・書類を取得します。

その後、楽天証券で総合口座を用意し、「他社から乗り換え・再開設」としてNISAを申し込みます。楽天証券の総合口座をまだ持っていない場合は、総合口座の開設とNISAの乗り換えをまとめて申し込む方法も案内されています。

したがって多少の手間はありますが、「非常に複雑で乗り換えられない」というほどの手続きではありません。ただし現在利用している銀行によって廃止通知書などの請求方法が異なり、窓口・郵送などが必要になる場合があります。

今年すでにNISAで買っているかが重要

金融機関変更で最も注意したいのが、その年のNISA枠をすでに利用しているかどうかです。楽天証券の案内では、変更する年にすでにNISAで金融商品を買い付け、非課税投資枠を利用している場合、その年について金融機関を変更することはできません。

例えば2026年に銀行のNISAで投資信託をすでに購入している場合、2026年分を途中から楽天証券へ切り替えて、残った2026年の枠を楽天証券で使うということはできません。この場合は翌年分からの変更を検討します。

一方、その年にまだNISA口座で買付をしていない場合には、期限内に金融機関変更の手続きが完了すれば、その年から変更できる場合があります。楽天証券では制度上9月末までに税務署への提出が必要になるため、当年変更を希望する場合は早めの手続きを案内しています。[参照:楽天証券 NISA取引・ルール]

銀行で買ったNISA商品は楽天証券へ移せない

ここは特に誤解しやすいところです。銀行から楽天証券へNISAの金融機関を変更しても、銀行のNISAで保有している投資信託などが楽天証券へ自動的に移動するわけではありません。

NISA口座で保有している商品を、別の金融機関のNISA口座へ移管することはできません。変更前の銀行で購入したNISA商品は、その銀行のNISA口座で引き続き保有することができます。

例えば銀行のNISAで100万円分の投資信託を保有した状態で翌年から楽天証券へ変更した場合、100万円分の商品は銀行側に残し、新しい年のNISA投資を楽天証券で行うという形が可能です。金融機関を変更するためだけに、銀行側の商品を慌てて売却する必要はありません。

銀行よりネット証券が必ず優れているとは限らない

「今の時代はネット証券がいい」という意見を見かけることがありますが、銀行とネット証券にはそれぞれ特徴があります。どちらが適しているかは、何を買いたいか、どの程度自分で商品を選べるかによって変わります。

比較項目 銀行 ネット証券
対面相談 店舗があれば相談しやすい 基本的に自分で操作・判断
投資信託 取扱商品は金融機関ごとに異なる 幅広い商品を扱う証券会社が多い
国内株式 銀行のNISAでは通常直接売買できない 証券会社なら対象商品を売買可能
外国株式 選択肢が限定される 取り扱うネット証券がある
操作 窓口サポートを利用しやすい スマホ・PC中心

銀行で投資信託を積み立てるだけで十分で、対面で相談できる安心感を重視する人なら、無理に変更する必要はありません。反対に、自分で低コストの投資信託を比較したい、個別株にも投資したいなど選択肢を広げたい人にはネット証券が適している場合があります。

楽天証券へ変更する前に確認したいポイント

「ネット証券だから」という理由だけで変更するのではなく、現在利用している銀行と楽天証券で、自分が利用したいサービスを比較しておくことが大切です。

  • 購入したい投資信託を扱っているか
  • 信託報酬など商品自体のコスト
  • 国内株・米国株などを購入したいか
  • 積立方法や決済方法
  • ポイントサービスを利用するか
  • スマートフォンやPCで自分で操作できるか
  • 対面相談が必要か

NISAは金融機関そのものが利益を生む制度ではなく、その口座で「何に投資するか」が運用結果に大きく関係します。金融庁もNISAについて長期・積立・分散投資などの情報を提供しています。[参照:金融庁 NISAを知る]

ネット証券へ移ったから自動的に資産が増えるわけではありません。金融機関選びと同時に、投資商品のリスク、コスト、資産配分まで確認することが重要です。

これから変更するなら最初に「今年買付したか」を確認

乗り換えを考えたら、まず現在の銀行のNISA取引履歴を確認しましょう。今年まだ一度もNISA枠で購入していないのか、すでに積立や一括購入をしているのかで進め方が変わります。

今年すでに買付をしているなら、翌年から楽天証券へ変更するスケジュールを考えると分かりやすいでしょう。楽天証券では、10月1日から12月31日までに金融機関変更の手続きを行う場合、翌年のNISA口座を新しい金融機関で開設する扱いになると案内しています。

積立設定をしている場合には、変更前の金融機関で翌年以降も注文が続かないよう設定状況を確認するとともに、楽天証券側で新しい積立設定を行う必要があります。変更手続きと積立設定は別物だと考えておくと混乱しにくくなります。

まとめ:銀行から楽天証券へのNISA変更は可能。買付済みかどうかで時期が変わる

銀行でNISAを開設したあとでも、楽天証券へ金融機関を変更することは可能です。現在の金融機関で必要な手続きを行い、楽天証券で乗り換えを申し込むため多少の手間はありますが、制度として正式に用意されている手続きです。

最大のポイントは、その年にすでにNISA枠で買付をしているかどうかです。すでに買付をしている年は途中から楽天証券へ変更できないため、翌年分からの変更を検討します。また、銀行で購入済みのNISA商品を楽天証券のNISAへ移管することもできません。

楽天証券を含むネット証券には商品選択の幅などのメリットがありますが、銀行にも対面相談などの利点があります。「ネット証券だから正解」と決めるのではなく、購入したい商品、コスト、サービス、操作性を比較したうえで変更するか判断するとよいでしょう。

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