「株価がこれから大暴落する」「今すぐ対策しないと資産が危ない」といった投資広告を見かけることがあります。相場が下落した直後なら説得力があるように感じますが、その予想が本当に事前から発信されていたのか、広告を見ただけでは分かりません。
特定の投資会社や広告について、広告文だけを根拠に「詐欺」と断定することはできません。一方で、暴落を強調して不安をあおる広告と、その会社・サービス自体の信頼性は分けて検証する必要があります。
大切なのは「暴落予想が当たるか」だけではありません。運営会社の実体、金融商品取引業の登録、予想を公開した日時、過去の外れた予想、最終的に何を契約・購入させようとしているのかまで確認することが重要です。
「暴落を予想した広告」だけでは予測能力を判断できない
株価予想を評価するときに最も重要なのは、結果が分かった後の説明ではなく、その予想がいつ公表されていたのかです。株価が下落した後に「暴落を予想していました」と説明するのと、下落前から具体的な予想を公開していたのとでは意味が大きく異なります。
例えば、日経平均株価が大きく下落した局面について、後になって「暴落に注意」と広告を出していても、その事実だけでは過去の下落を予測できていた証明にはなりません。逆に、事前の日付が確認できる記事や動画などで継続的に予想を公開しているなら、過去の記録を検証できます。
なお、「日経平均が60,400円に下がった」という表現についても、その数字が終値なのか日中安値なのか、いつの取引日のことなのかを確認する必要があります。投資情報を検証するときは、記憶上の数字ではなく日時と実際の市場データを照合することが基本です。
「なぜそのとき宣伝しなかったのか」という疑問は合理的だが詐欺の証明にはならない
過去に大きな下落局面があったにもかかわらず、その時点では目立った警告をせず、後になって「これから大暴落する」と宣伝しているのであれば、「本当に予測能力があるのか」と疑問を持つのは自然です。
ただし、それだけで法律上の詐欺だと判断することはできません。広告を出す時期にはマーケティング上の事情もあり、すべての市場予想を広告として配信するわけではないためです。
見るべきなのは、過去の予想を後から選んで紹介していないかという点です。当たった予想だけを広告に掲載し、外れた予想を表示しなければ、実際より非常に高い予測能力があるように見えてしまいます。
暴落予想は「当たった実績」より全予想を確認する
投資予想には「当たった事例だけを見る」という落とし穴があります。例えば10回予想して2回だけ大きく当たった人が、その2回だけを広告で紹介すれば、非常に優秀な予想家に見えます。
そこで、広告に「○月の暴落を的中」「この銘柄の上昇を予測」と書かれていた場合には、その予想が掲載された元の記事や動画の日付を確認します。さらに同じ期間に発信された他の予想も確認し、外れたものを含めて評価します。
「株価が下落する可能性があります」という広い表現にも注意が必要です。株式市場は常に上下するため、期限や下落幅を示さない予想は後から「的中した」と説明しやすくなります。予測能力を評価するなら、予想時点、対象、期間、予想価格・下落率などが具体的だったかを見る必要があります。
投資会社が怪しいかは金融庁への登録を確認する
投資情報を発信している会社を評価する場合、広告の内容だけでなく「誰が運営しているのか」を確認することが非常に重要です。会社名、法人名、所在地、代表者、電話番号、利用規約、料金体系などを確認しましょう。
金融庁は、投資勧誘を受けた場合には取引する業者が金融商品取引業などの登録を受けているか確認するよう注意喚起しています。名称や電話番号などから登録業者を確認できる金融事業者の検索機能も案内されています。[参照:金融庁 詐欺的な投資勧誘等にご注意ください]
ただし、登録されていることは「その会社の予想が当たる」「利益が保証される」という意味ではありません。金融庁も、登録があることだけでは安心して投資できる業者であることの保証にはならず、投資内容に不審な点がないか冷静に判断するよう案内しています。
検索して出てこないから安全という判断もできない
金融庁は、無登録で金融商品取引業を行っているとして警告した事業者の名称も公表しています。しかし、そこに名前がないことをもって「安全な会社」と判断することはできません。
金融庁自身も、警告対象として掲載されていない者であっても、無登録営業に該当する行為を行っている場合があり得ると注意しています。[参照:金融庁 無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について]
また実在する金融会社の名称を第三者が勝手に使用する「なりすまし」もあります。会社名だけではなく、広告に掲載されたURL、電話番号、振込先などが公式情報と一致しているかまで確認することが大切です。
「大暴落する」という恐怖を使った広告は冷静に見る
投資広告では、人間の「損をしたくない」という心理が強い訴求材料になります。「このままだと資産が半分になる」「歴史的大暴落が来る」「○日までに対策してください」といった言葉を見ると、冷静に比較検討する前に行動したくなることがあります。
しかし株価の短期的な方向を確実に予測することはできません。「暴落する可能性がある」ということと「近いうちに大暴落することが分かっている」ということは全く違います。
特に広告をクリックした後、LINEなどのクローズドな場所へ誘導され、特定銘柄への投資や入金を勧められる場合には慎重な対応が必要です。金融庁は、SNS広告などからクローズドチャットへ誘導して投資を勧誘する詐欺事例について注意喚起しています。[参照:金融庁 SNS上の投資勧誘に関する注意喚起]
怪しい投資広告を見たら7項目を確認する
投資会社や投資情報サービスの広告を見て不安を感じた場合には、すぐ申し込むのではなく次の項目を確認すると判断しやすくなります。
- 運営する法人の正式名称・所在地・代表者が明示されているか
- 必要な金融商品取引業等の登録が確認できるか
- 広告の会社名と実際のサイト・連絡先が一致するか
- 過去の予想について公開日時を確認できるか
- 当たった予想だけでなく外れた予想も確認できるか
- 「絶対」「必ず儲かる」など利益を保証するような説明がないか
- 広告の最終目的が有料情報、投資商品、口座への入金など何なのか
特に個人名義の銀行口座への振り込みを要求されたり、出金するために追加の「税金」「保証金」「手数料」を振り込むよう要求されたりした場合には注意が必要です。金融庁もSNS投資詐欺で確認されている手口として紹介しています。
暴落が心配でも広告の予想だけで売買しない
「大暴落が来る」と聞くと保有株を全部売却したくなることがあります。しかし、暴落広告だけを理由に投資判断を大きく変えることにもリスクがあります。予想と反対に株価が上昇すれば、その上昇機会を逃すことになるためです。
長期投資であれば、自分がどの程度の下落まで耐えられるのかをあらかじめ考え、資産を一つの銘柄や市場へ集中させない、生活に必要な資金まで投資しないといった基本的なリスク管理のほうが重要です。
「この人は暴落を当てられるか」ではなく、「予想が外れても生活や資産形成に致命的な影響が出ない投資をしているか」という視点を持つと、刺激的な広告に振り回されにくくなります。
まとめ:特定の広告だけで詐欺とは断定できないが、暴落予想は検証できる
「株が大暴落する」と宣伝している会社が、過去の大きな下落時には同様の広告を出していなかったとしても、その一点だけを根拠に詐欺と断定することはできません。一方で、「本当に事前に相場を予測できているのか」と疑問を持ち、過去の発信履歴を調べることには十分な意味があります。
確認するべきなのは、予想が公開された日時、過去の全予想、運営法人、金融商品取引業等の登録状況、料金、契約内容、入金先です。「暴落」という言葉のインパクトではなく、客観的に確認できる情報から信頼性を判断しましょう。
また、SNSや広告からLINEなどへ誘導されて入金を求められるなど不審な投資勧誘を受けた場合、金融庁は「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」などの相談窓口を設けています。[参照:金融庁 金融サービス利用者相談室] 大切なのは「暴落が来るか」を急いで当てることではなく、広告の信頼性を確認できるまで資金を動かさないことです。
こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。


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