投資信託を選ぶ際に「1年トータルリターン」「3年トータルリターン」「5年トータルリターン」といった数字を見る機会があります。しかし、投資初心者にとっては「これは毎年の利回りなのか」「5年間で20%しか増えていないという意味なのか」と分かりにくい部分があります。この記事では、投資信託のトータルリターンの意味や利回りとの違い、基準価額騰落率との関係について分かりやすく解説します。
投資信託のトータルリターンとは何を表しているのか
投資信託におけるトータルリターンとは、一定期間において投資した資金がどれだけ増減したかを表す割合です。単純な基準価額の変化だけではなく、分配金なども含めた投資成果を示す指標です。
例えば「1年トータルリターンが20%」と表示されている場合、これは「毎年20%ずつ増える」という意味ではありません。基本的には、その投資信託を1年間保有した場合に、投資元本がどれだけ増減したかを示しています。
具体例として、100万円を投資して1年後の評価額が120万円になっていた場合、トータルリターンは20%になります。ただし、この20%は1年間の結果であり、将来も同じ利益が続くことを保証するものではありません。
5年トータルリターン20%は「5年間で20%増えた」という意味なのか
ここは投資初心者が特に間違えやすいポイントです。5年トータルリターンが20%と表示されている場合、「5年間合計で20%増えた」という意味で表示される場合と、「年率換算された数字」として表示される場合があり、金融機関や情報サイトによって定義が異なることがあります。
多くの投資情報サイトで表示されるトータルリターンは、期間内の投資成果を年率換算して表示しているケースがあります。例えば5年トータルリターン20%の場合、単純計算で5年間合計20%ではなく、毎年平均20%程度の収益率だったことを示している場合があります。
そのため、投資信託のリターンを見る場合は、必ず「その数字が年率なのか、期間合計なのか」を確認することが重要です。商品説明書や運用会社の資料では計算方法が記載されています。
トータルリターンと利回りの違い
トータルリターンと利回りは似ていますが、厳密には少し意味が異なります。利回りは一般的に、投資した金額に対して1年間でどれだけ利益が出たかを示す割合です。
例えば、100万円を投資して1年間で5万円の利益が出た場合、年間利回りは5%になります。一方、トータルリターンは値上がり益だけではなく、分配金なども含めた総合的な運用成果を表します。
投資信託では、価格変動による利益と分配金の両方が関係するため、単純な利回りよりもトータルリターンを見ることで、実際の投資成果を判断しやすくなります。
基準価額騰落率とトータルリターンの違い
基準価額騰落率とは、投資信託の基準価額がどれだけ変化したかを表す数字です。例えば、基準価額が1万円から1万2000円になった場合、騰落率は20%になります。
しかし、基準価額騰落率だけでは分配金が考慮されない場合があります。そのため、分配金を受け取った投資家の実際の利益とは一致しないことがあります。
一方、トータルリターンは分配金を含めた総合的な収益を見るため、長期投資の成果を確認する場合にはトータルリターンの方が適しています。
eMAXIS Slimシリーズのリターンを見るときの注意点
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)やeMAXIS Slim国内株式(日経平均)などのインデックスファンドは、日本株市場全体の値動きを反映することを目指した商品です。
例えば、5年トータルリターンが20%前後という数字を見た場合、「5年間で20%しか増えていない」と考える前に、その数字が年率表示なのか期間合計なのかを確認する必要があります。
また、過去5年間の成績は将来の利益を保証するものではありません。株式市場は景気、金利、企業業績、国際情勢などによって変動するため、長期的な視点で判断することが大切です。
投資初心者がリターンを見るときに確認すべきポイント
投資信託を選ぶ際には、トータルリターンの数字だけを見るのではなく、信託報酬などのコスト、投資対象、純資産総額、運用方針なども確認することが重要です。
例えば、同じ日本株に投資する投資信託でも、手数料が高い商品と低い商品では長期間で大きな差が生まれる可能性があります。
また、過去の高いリターンだけで判断するのではなく、自分がどれくらいの期間投資できるのか、どの程度の値下がりに耐えられるのかを考えることが、長期投資では大切です。
まとめ
投資信託のトータルリターンは、一定期間における投資成果を示す重要な指標ですが、「毎年その割合で増える」という意味ではありません。
また、5年トータルリターンの数字を見る際は、それが期間合計なのか年率換算なのかを確認することが必要です。基準価額騰落率は価格変化を見る指標であり、分配金を含めた実際の運用成果を知るにはトータルリターンが役立ちます。
投資初心者の場合は、リターンの数字だけに注目せず、コストや投資対象、長期的な成長性などを総合的に確認しながら、自分に合った投資信託を選ぶことが大切です。
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