新NISAでオルカン(全世界株式)を積み立てていると、非課税投資枠を使い切った後の資金運用について悩む人も増えています。特に、現在保有している国内債券型の投資信託がマイナスになっている場合、「買い増して取得単価を下げるべきか」「定期預金などで現金を増やすべきか」という判断は簡単ではありません。この記事では、含み損になっている投資信託への向き合い方や、ナンピン買いをする前に確認したいポイントについて解説します。
含み損の投資信託を買い増すことは本当に有効なのか
保有している投資信託が値下がりすると、同じ商品を追加購入して平均取得価格を下げる「ナンピン買い」という方法を考える人がいます。
例えば、1万円で購入した投資信託が現在8,000円になった場合、追加購入することで平均購入価格を下げることができます。価格が回復すれば、元の価格まで戻る前に利益へ転じる可能性があります。
しかし、買い増しは「必ず成功する方法」ではありません。重要なのは、現在の価格下落が一時的なものなのか、それとも今後も低迷する可能性がある商品なのかを考えることです。
国内債券投資信託がマイナスになる理由
国内債券は一般的に株式より値動きが小さく、安全性が高い資産と考えられています。しかし、投資信託の場合は元本保証ではなく、金利変動によって価格が下落することがあります。
特に金利が上昇する局面では、以前発行された低い利率の債券の魅力が低下するため、債券価格が下がることがあります。その影響で国内債券型の投資信託でも評価額がマイナスになるケースがあります。
例えば、銀行の定期預金とは違い、債券投資信託は市場で価格が変動します。そのため「債券だから絶対に減らない」と考えて購入すると、想定外の含み損になることがあります。
オルカン満額後に現金を増やす考え方
新NISAでオルカンを中心に長期投資をしている場合、非課税枠を使い切った後は、次の資金をどこへ置くかという資産配分の問題になります。
投資資金をすべて市場に置く必要はなく、生活防衛資金や近い将来使う予定のお金は現金や定期預金で保有することも大切です。
例えば、数年以内に住宅購入や車の買い替え、教育費などの支出予定がある場合、価格変動する投資信託よりも元本割れしにくい預金で管理する方が適している場合があります。
含み損の商品を買い増す前に確認したいこと
現在マイナスになっている国内債券投資信託を買い増すか判断する際は、「今この商品を新しく買いたいと思えるか」という視点が重要です。
もし現在その商品を保有していなかったとして、同じ投資信託を新規購入するか考えてみると判断しやすくなります。過去に買った価格にこだわると、合理的な判断が難しくなることがあります。
また、投資信託の中身、信託報酬、組み入れている債券の種類、今後の金利環境なども確認する必要があります。単純に「安くなったから買う」という理由だけではなく、長期的に保有したい商品なのかを見ることが大切です。
定期預金と国内債券投資信託の使い分け
定期預金と国内債券投資信託は、どちらが優れているというものではなく、目的によって使い分けるものです。
定期預金は大きな利益は期待しにくいものの、元本割れのリスクが低く、資金を守る役割があります。一方、国内債券投資信託は価格変動があるものの、預金より高いリターンを狙える可能性があります。
例えば、10年以上使う予定がない資金であれば投資を検討できますが、数年以内に必要になる可能性がある資金なら現金で持つ選択肢も十分合理的です。
まとめ
含み損になっている国内債券投資信託を買い増して取得単価を下げる方法は、一つの投資手法ではありますが、必ずしも最適な選択とは限りません。
大切なのは、過去の購入価格ではなく、現在の資産状況や今後の目的から判断することです。新NISAでオルカンを中心に資産形成をしている場合でも、すべてのお金を投資に回す必要はありません。
投資信託の買い増し、定期預金での保有、別の商品への投資など、それぞれの特徴を理解したうえで、自分の生活設計やリスク許容度に合った方法を選ぶことが長期的な資産形成につながります。
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