米国長期債の利息は表面利率だけ?既発債のクーポンと最終利回りの違いを解説

資産運用、投資信託、NISA

米国長期債への投資を考える際、「毎年どのくらいの金利収入が得られるのか」は重要なポイントです。しかし、既に発行されている債券(既発債)を見ると、表面利率が異なるものが多く、購入価格も額面100ドルを下回ったり上回ったりするため、仕組みが分かりにくく感じることがあります。

特に、「購入価格が安ければ実際の利回りは高くなるのに、毎年受け取れる利息は表面利率だけなのか」という疑問を持つ投資家は少なくありません。この記事では、米国長期債の表面利率(クーポン)、購入価格、実際の利回りの関係について詳しく解説します。

米国債の表面利率(クーポン)とは何か

債券には、発行時に決められた利率があります。これを表面利率やクーポンレートと呼びます。

例えば、額面100ドル、表面利率5%の米国債を保有している場合、1年間にもらえる利息は5ドルです。この利息は、購入時の価格ではなく、基本的には額面金額を基準に計算されます。

つまり、この債券を90ドルで購入した場合でも、年間の利息は5ドルです。購入価格が90ドルだから「90ドルに対して5%の4.5ドルになる」という計算ではありません。

既発債を安く購入しても受け取る利息は変わらない

既発債とは、すでに市場で取引されている債券のことです。市場金利が変化すると、既発債の価格も変動します。

例えば、表面利率5%の米国債があり、金利上昇によって市場価格が90ドルまで下落したとします。この場合でも、債券保有者が受け取る利息は額面100ドルに対する5ドルのままです。

しかし、90ドルで購入した投資家から見ると、5ドルの利息を90ドルの投資額で得ることになるため、購入価格に対する利回りは約5.56%になります。この差が「表面利率」と「実際の利回り」の違いです。

購入単価によって変わる利回りの考え方

債券投資では、表面利率だけでなく、購入価格を考慮した利回りを見ることが重要です。

例えば、額面100ドル、表面利率4%の米国債を80ドルで購入した場合、毎年受け取る利息は4ドルです。単純計算では、投資額80ドルに対する利息収入は5%になります。

さらに満期まで保有すると、購入価格80ドルでも償還時には額面100ドルが返ってきます。そのため、購入価格との差額20ドルも利益として考慮され、最終的な利回りである「最終利回り(Yield to Maturity)」が計算されます。

表面利率と最終利回りは何が違うのか

表面利率は、債券そのものが支払う利息の割合です。一方、最終利回りは、購入価格、毎年の利息、満期時の償還差益などをすべて含めた実質的な収益率です。

例えば、表面利率2%の米国債が市場金利上昇によって80ドルで購入できる場合、利息収入だけを見ると2%ですが、購入価格が低いため実際の投資収益率はそれ以上になります。

逆に、人気が高く110ドルで取引されている債券の場合、毎年の利息は変わりませんが、満期時には100ドルしか戻らないため、その分だけ最終利回りは低下します。

毎年の金利収入を目的にする場合の注意点

毎年安定した金利収入を得たい場合、見るべきポイントは「表面利率」だけではありません。購入価格に対して年間いくらの収入になるかを確認する必要があります。

例えば、同じ100ドルの投資でも、表面利率が高い債券を高値で買う場合と、表面利率が低くても安値で買える債券では、実際の収益性が逆転することがあります。

また、米国債の場合は為替変動の影響もあります。ドル建てで利息を受け取るため、円換算では円高になると資産価値が下がる可能性があります。

金利上昇局面で既発債が安くなる理由

既発債の価格が下落する主な理由は、市場金利との比較です。新しく発行される債券の利率が高くなると、以前発行された低い利率の債券は魅力が低下します。

例えば、以前発行された米国債の表面利率が2%で、市場では5%の新しい債券が発行されている場合、古い2%債は価格を下げないと買い手がつきにくくなります。

反対に、金利が低下すると高い利率の既発債は価値が上がり、購入価格も上昇する傾向があります。

まとめ|米国長期債は表面利率と購入価格の両方を見ることが大切

米国長期債の毎年の利息収入は、基本的には額面金額に対する表面利率によって決まります。購入価格が安くなっていても、受け取る利息そのものが減るわけではありません。

一方で、投資家にとって重要なのは購入金額に対してどれだけ収益が得られるかです。そのため、既発債を購入する際には、表面利率だけではなく、購入価格を反映した利回りや満期まで保有した場合の最終利回りを確認する必要があります。

米国債投資では、利息収入だけを見るのではなく、金利変動、為替リスク、満期までの期間なども含めて、自分の投資目的に合った債券を選ぶことが重要です。

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