「日経平均株価が1000円以上上がったのに、なぜ円安にならないのか?」——株価と為替は経済ニュースで並んで語られることが多く、両者が連動していると思われがちです。しかし、実際にはそれぞれの値動きに影響する要因は異なり、株高=円安になるとは限りません。この記事では、日経平均が急騰しても円が円安にならない理由について、具体例を交えながらわかりやすく解説します。
株価と為替は連動するとは限らない
まず前提として理解しておきたいのは、株価と為替は異なる市場で、それぞれに固有の動きをするという点です。
日経平均株価は日本企業の株価に対する期待値や実績が反映される指標であり、為替レートは円とドル、円とユーロなどの通貨同士の需要と供給で決まります。つまり、株価が上がっても為替が動かない、あるいは逆に動くことも十分にあり得るのです。
株高でも円安が進まない理由とは?
最近よくあるパターンは、「日経平均株価が上昇しているのに、円相場が横ばいかむしろ円高気味になる」という現象です。これは以下のような要因が考えられます。
- 外国人投資家が円建てで投資している:株式投資のために円を買っているため、円高圧力がかかることがあります。
- 米国の経済指標や政策金利の見通し:ドルが弱含む要因があれば、相対的に円が強くなります。
- 日銀の金融政策が据え置き:利上げの期待が乏しい場合は為替に大きな影響を与えにくいです。
- 一時的な材料で株が上がっている:例えばAI関連や半導体株への期待感など、実需とは別の理由で日経が上がっている場合、為替との乖離が生まれます。
つまり、日経平均の上昇要因と為替レートに影響する要因がズレていると、「株高=円安」にはならないというわけです。
実例で見る「株高なのに円安にならない」ケース
2023年後半には、日経平均が連日上昇した局面で、為替は一時的に円高方向に動いていました。このとき、米国ではインフレ鈍化を受けて利上げ打ち止め観測が強まり、ドルが売られた結果、円高ドル安が進行したのです。
つまり、日経平均の上昇が日本独自の材料(好決算、半導体需要など)によるものであればあるほど、円の為替相場には直接影響しにくくなります。
為替が動く主な要因とは?
為替相場は次のような要因に大きく反応します。
- 各国の金利差:金利の高い通貨に資金が集まりやすいため、円は低金利ゆえに売られやすい傾向があります。
- 中央銀行の政策スタンス:FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)などの発言は大きな影響力を持ちます。
- 地政学リスクや経済指標:GDP成長率や雇用統計などで各通貨の強弱が変わります。
株式市場とは異なるロジックで動いているため、為替だけは別に注視する必要があります。
まとめ:株高=円安とは限らない構造を理解しよう
日経平均株価が急騰しても、必ずしも為替が円安になるとは限りません。円相場は金利や金融政策、国際情勢など多くの要因に左右されており、株式市場とは独立した動きを見せることがあります。
そのため、為替と株価の動きを正しく読み解くには、それぞれの市場の構造や背景を理解することが重要です。一見矛盾に見える動きでも、それぞれのロジックに沿って動いているのです。

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