県内所得の均衡分析を解く方法|乗数効果を使った計算手順をわかりやすく解説

経済、景気

地域経済やマクロ経済の分析では、消費・投資・政府支出・移出入などから均衡所得を求める問題が出題されます。特に地方経済では、移出の増加が地域全体の所得をどれだけ押し上げるかを「乗数効果」によって分析します。この記事では、県内所得モデルを使い、均衡県内所得の求め方と移出増加による効果について、計算過程を含めて解説します。

県内所得の均衡を求める基本式

県内総生産(県内所得)の均衡は、総支出と所得が一致する状態で決まります。つまり、県内所得Yと支出項目の合計が等しくなる点を求めます。

地域経済モデルでは、以下の式を利用します。

Y=C+I+G+X-M

ここで、Cは民間消費、Iは民間投資、Gは政府支出、Xは移出、Mは移入を表します。移入は県外から購入する支出になるため、県内所得を計算するときには差し引きます。

(1)均衡県内所得を求める計算

与えられた条件は以下の通りです。

  • C=0.6Y
  • I=0.2Y
  • G=80
  • X=100
  • M=0.1Y

これらを均衡条件の式に代入します。

Y=0.6Y+0.2Y+80+100-0.1Y

右辺のYを含む項を整理すると、

Y=0.7Y+180

両辺から0.7Yを引くと、

0.3Y=180

したがって、

Y=180÷0.3=600

よって、A県の均衡県内所得は600億円になります。

(2)移出が130億円に増加した場合の均衡県内所得

次に、都市政策によって移出Xが100億円から130億円へ増加した場合を考えます。

変更される部分は移出だけなので、式は以下になります。

Y=0.6Y+0.2Y+80+130-0.1Y

整理すると、

Y=0.7Y+210

両辺から0.7Yを引きます。

0.3Y=210

したがって、

Y=210÷0.3=700

移出増加後の均衡県内所得は700億円になります。

(3)移出増加による乗数効果を分析する

(1)では均衡県内所得が600億円、(2)では700億円でした。

つまり、移出が30億円増加したことで、県内所得は以下のように変化しています。

700億円-600億円=100億円

移出の増加額は30億円でしたが、県内所得は100億円増加しています。この差が乗数効果による影響です。

県内経済における乗数効果の仕組み

移出が増えると、県外から地域へ新たな所得が流入します。その所得を得た企業や住民が消費を増やすことで、さらに別の企業の所得になります。

例えば、県外企業から30億円分の商品注文が増えた場合、その売上は企業の収入になります。その企業が従業員への給与支払いや仕入れを増やすことで、地域内で追加的な消費が発生します。

今回のモデルでは、消費性向0.6、投資による所得増加0.2、移入による流出0.1を考慮すると、所得の循環効果が発生します。

乗数の計算による確認

今回のモデルでは、所得に影響する割合は以下のようになります。

C+I-M=0.6Y+0.2Y-0.1Y=0.7Y

したがって、乗数は以下の式で求められます。

乗数=1÷(1-0.7)

乗数=1÷0.3=約3.33

つまり、移出30億円の増加は、

30億円×3.33=約100億円

の県内所得増加を生み出すことになります。

まとめ:移出増加は乗数効果によって地域所得を大きく押し上げる

A県の均衡県内所得は、(1)の場合600億円、(2)の場合700億円となります。

移出が30億円増加すると、単純に30億円増えるだけではなく、消費や投資を通じた波及効果によって県内所得は100億円増加しました。

このように、地域経済では外部から所得を呼び込む移出の増加が、乗数効果によって地域全体の生産や所得を拡大させる重要な要因になります。

経済、景気
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
riekiをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました