ネット証券は日本に何社ある?証券会社の数と「全部に口座開設」は可能なのかを解説

株式

日本にはSBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券など有名なネット証券がありますが、「ネットで株を売買できる証券会社」という意味まで広げると、その数は想像以上に多くなります。

日本証券業協会の最新調査では、2026年3月末時点のインターネット取引の状況が公表されています。ここで重要なのは、一般に使われる「ネット証券」という言葉には厳密な法的区分がないことです。店舗をほとんど持たないネット専業証券だけを数えるのか、対面型証券会社のオンライン取引まで含めるのかによって「何社あるか」の答えが変わります。[参照]

また証券口座は複数の会社で開設できるため、目的に応じて2社、3社と使い分けることも可能です。一方、日本に存在するオンライン取引対応証券会社の「すべて」に個人が口座を持っているかという点については、公開統計からそのような人物の存在を確認することはできません。

「ネット証券は何社?」はネット証券の定義によって変わる

ネット証券というと、インターネットを中心にサービスを提供する証券会社をイメージすることが多いでしょう。しかし、法律上「ネット証券」という独立した業種が存在するわけではありません。

たとえば店舗を持つ大手・地域証券会社でも、現在はパソコンやスマートフォンから株式を注文できるところがあります。そのため「ネット専業証券会社」と「インターネット取引ができる証券会社」では対象となる会社数が大きく異なります。

会社数を客観的に把握したい場合に参考になるのが日本証券業協会の統計です。同協会は半年ごとに「インターネット取引に関する調査結果」を公表しています。[参照]

日本の証券会社全体では250社を超える

日本証券業協会の会員名簿によると、2026年7月22日時点の会員である金融商品取引業者は全国で257社です。東京地区だけでも198社あり、ほかに名古屋、大阪、北陸、中国、四国、九州など全国に証券会社等が存在します。[参照]

ただし、この257社をそのまま「個人が口座を開けるネット証券257社」と考えるのは誤りです。証券会社には個人向け株式売買を中心とする会社だけでなく、機関投資家向け業務、法人向け業務、投資銀行業務などに重点を置く会社も含まれています。

さらに金融庁が公表する「金融商品取引業者」には証券会社以外のさまざまな金融商品取引業者も含まれるため、「金融庁に登録された業者数=ネット証券の数」でもありません。証券会社を利用するときは金融庁の登録業者であることを確認することが重要です。[参照]

ネット取引に対応している証券会社は100社近い規模

日本証券業協会のインターネット取引調査では、2025年9月末時点で調査対象262社のうち、インターネット取引を行っている会員は94社でした。つまり「ネット専業」に限定せず、インターネットで取引できる証券会社という広い意味なら100社近い規模になります。[参照]

同調査では、インターネット取引口座数は5,123万口座、有残高口座数は3,246万口座でした。口座数は「人数」ではないことにも注意が必要です。一人の投資家が複数の証券会社に口座を持っていれば、それぞれ1口座として集計されます。

日本証券業協会は2026年3月末時点についても最新の調査結果を公表しています。会社の統合・参入・サービス変更などで数字は変化するため、「日本のネット証券は永久に○社」と固定的に考えるより、最新統計を確認するのが正確です。[参照]

複数のネット証券に同時登録することはできる

証券口座は、原則として一人につき一社しか持てないものではありません。A証券とB証券、C証券というように、複数の証券会社で口座を開設できます。

たとえば「普段の日本株はA証券」「米国株はB証券」「IPOの申込みはC証券」といった使い分けが考えられます。証券会社によって取扱商品、IPO、外国株、取引ツール、信用取引、手数料体系などが異なるため、複数口座を持つことには一定のメリットがあります。

ただしNISA口座については通常の証券総合口座とは異なります。NISAの金融機関は同一年に一つしか利用できないため、複数の証券会社に総合口座を開いたからといって、そのすべてで同時にNISA投資ができるわけではありません。

日本のネット証券すべてに口座を持つ人はいる?

「ネット証券を何社利用している人がいるか」と「すべての会社に登録している人がいるか」は別問題です。日本証券業協会の統計では膨大な数のインターネット取引口座が確認できますが、特定の一人が何社すべてに口座を持っているかまで示す統計ではありません。

そのため、日本のネット証券すべてに口座を持つ人物が存在するかどうかを、公的な統計から確認することはできません。投資を趣味・研究対象として多数の口座を開設している人がいることは考えられますが、「全社制覇している人がいる」と断定できる公的根拠はありません。

そもそもインターネット取引対応会社の中には、誰でも同じ条件で個人口座を開ける会社ばかりが含まれているわけではありません。このため「日本にある証券会社全部へ個人として登録する」という発想自体、現実には単純ではありません。

証券口座を増やしすぎると管理が大変になる

複数口座にはメリットがある一方、数が増えるほどID・パスワード、二要素認証、登録メールアドレス、資産残高などの管理が複雑になります。税金についても、特定口座の「源泉徴収あり」で完結する場合と、複数口座の損益通算などのため確定申告を検討する場合があります。

また「無料だからとりあえず全部作る」より、自分が必要とする機能から証券会社を選ぶほうが実用的です。日本株、投資信託、米国株、IPO、信用取引など、何をしたいかによって適した証券会社は変わります。

新しく証券会社を利用するときは、金融庁の「金融事業者一括検索機能」などで正規に登録された金融事業者か確認できます。SNS広告などから見知らぬ投資サイトへ登録する場合は特に確認が重要です。[参照]

まとめ:広い意味のネット証券は100社近いが「全社登録」の統計はない

日本の「ネット証券」が何社あるかは定義によって異なります。2026年7月22日時点で日本証券業協会の会員である金融商品取引業者は257社ですが、そのすべてが一般個人向けのネット証券ではありません。一方、日本証券業協会の調査では2025年9月末時点でインターネット取引を行う会員は94社でした。

したがって、SBI証券や楽天証券などのネット専業・ネット中心の主要証券だけを指すなら数はかなり絞られますが、「インターネット取引が可能な証券会社」という広い意味なら100社近い、と捉えると実態を理解しやすいでしょう。

通常の証券口座は複数社で開設できるため、多数の証券口座を持つこと自体は可能です。ただし、日本のネット証券すべてに登録している人物がいるかを確認できる公的統計はありません。実際の投資では全社に登録することを目標にするより、手数料、取扱商品、IPO、外国株、アプリや取引ツールなど目的に合わせて数社を使い分けるほうが現実的です。

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