日銀が利上げすると国債で損をするのはなぜ?金利上昇と国債価格の関係をわかりやすく解説

経済、景気

日本銀行の利上げに関するニュースを見ていると、「日銀は大量の国債を保有しているため利上げすると損をする」という意見を耳にすることがあります。しかし、なぜ金利を上げると国債で損失が発生するのでしょうか。

この記事では、国債価格と金利の関係、日本銀行が保有する国債の仕組み、そして利上げによって何が起こるのかを初心者にもわかりやすく解説します。

国債と金利は逆の動きをする

国債価格と市場金利には基本的に逆の関係があります。

例えば、年利0.5%の国債を保有しているとします。その後、市場金利が2%まで上昇すると、新たに発行される国債の方が高い利回りを得られるため、古い国債の人気は低下します。

その結果、既存の国債価格は下落します。つまり、金利上昇=国債価格下落という関係が成り立つのです。

なぜ日銀は国債価格の下落で損をするのか

日本銀行は長年にわたり金融緩和政策を実施し、大量の日本国債を購入してきました。

保有している国債の多くは低金利時代に取得したものであり、利上げによって市場金利が上昇すると、それらの国債の時価は下落します。

例えば100円で購入した国債の市場価値が90円になれば、会計上は評価損が発生します。このため「日銀は利上げすると損をする」と言われることがあります。

実際に損失が確定するとは限らない

ただし、国債価格が下落したからといって、必ずしも日銀が実際の損失を確定させるわけではありません。

国債を満期まで保有すれば、原則として額面金額で償還されるため、途中の価格変動による損失は実現しません。

そのため、金融市場で言われる「損」は、売却しない限りは主に評価損や含み損を指しているケースが多いのです。

日銀が利上げを慎重に進める理由

日銀が利上げを慎重に行う理由は国債の評価損だけではありません。

利上げを行うと企業の借入コストや住宅ローン金利が上昇し、景気や消費に影響を与える可能性があります。

また、政府の利払い負担増加や金融市場への影響なども考慮する必要があります。そのため日銀は物価上昇率や賃金動向、景気状況を総合的に判断して政策を決定しています。

具体例で考える国債価格と金利の関係

例えば、年利1%で発行された10年国債があるとします。

その後、市場金利が3%に上昇した場合、新しく購入する投資家は3%の国債を選びたくなるため、1%の国債は価格を下げなければ買い手が付きにくくなります。

この価格調整によって国債価格が下落し、保有者には評価損が発生します。これが「金利上昇で国債が損をする」と言われる理由です。

まとめ

日本銀行が利上げすると損をすると言われる理由は、保有している大量の国債の価格が金利上昇によって下落するためです。

ただし、その多くは評価損であり、満期まで保有すれば必ずしも損失が確定するわけではありません。

また、日銀が利上げを判断する際には国債価格だけでなく、物価、賃金、景気、金融システムへの影響など多くの要素を考慮しています。そのため「国債で損をするから利上げしない」と単純に考えることはできず、金融政策はより幅広い視点で決定されているのです。

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