事業を行っていない会社は存続できる?配当収入だけで維持する方法と注意点

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長年経営してきた会社が、体力的な事情や事業環境の変化により事業を休止している場合でも、会社を維持したいと考える経営者は少なくありません。とくに会社が株式などの資産を保有し、そこから配当金などの収入がある場合、「事業活動をしていない状態でも会社を存続させることは可能か?」という疑問は重要なテーマです。

事業をしていなくても会社は存続できる?

結論から言えば、法人としての事業活動が実質的に停止していても、法的には会社を維持することは可能です。法人の設立において、事業を継続していなければならない義務はありません。ただし、一定の管理・運営義務が残ります。

たとえば、売上がゼロであっても会社名義で資産管理や配当収入の受け取りをしている場合、その活動自体が「会社の目的内の行為」として認められうるため、休眠とはみなされないケースもあります。

配当金が主な収入源でも会社運営は可能

株式投資などの配当金が法人の主な収入源である場合でも、その資産運用自体が事業目的に沿っている限り、法人格の維持は可能です。たとえば「有価証券の保有・運用」などの文言が定款に含まれていれば問題ありません。

年間で1,000万円以上の配当がある場合、会社としての運営コスト(登記、税理士報酬、法人税など)を差し引いても利益を確保できる可能性があります。

税務上の注意点:赤字法人とみなされるケース

営業収益がなくなり、赤字状態が続くと「休眠会社」として法人税務の簡略化手続きの対象になることがあります。しかし、配当収入などの収益がある限り、税務申告や法人税納付の義務は続きます。

たとえば配当金1,000万円に対しては、法人税や地方税を加味して30%程度の税負担が見込まれます。適切な経理処理と税務管理が必要です。

休眠会社とみなされる条件と影響

法務局においては、12年間登記変更がない会社を「みなし解散」対象として公告する制度があります。また、税務署への届出で「休眠届」を出すこともできますが、配当などの活動がある場合は対象外です。

意図せず休眠・解散扱いになると復活の手続きが煩雑になるため、毎年の定期登記や決算報告は必須です。

維持費用の目安と法人格を持ち続けるメリット

法人を維持するためには、以下のような年間費用が発生します。

  • 法人住民税(均等割):7万円程度
  • 税理士への顧問料:10万~30万円(規模による)
  • 登記維持費用:0円~数万円

会社名義の口座や証券口座を維持することで、資産管理がしやすくなり、相続対策や節税にも繋がる場合があります。

実際の活用例:資産管理会社としての利用

事業活動を終えた後でも、法人を活かして不動産収入や株式運用の収益を得るケースは多く見られます。いわゆる「資産管理会社」として、相続税対策や贈与スキームに組み込まれることもあります。

たとえば、事業をしていた法人が不動産や株式を保有していれば、引き続きそれを会社名義で保有・運用し、個人所得への直接課税を避けるなどの工夫ができます。

まとめ:会社は事業停止後も維持可能だが注意も必要

事業収益がゼロでも、配当などの収入源があれば会社の維持は可能です。ただし、法人維持に必要な手続きや費用、税務申告義務を怠ると、思わぬリスクが発生するため、慎重な運営が求められます。

資産管理や節税の観点から法人を残すことは有効な選択肢の一つですが、定期的な見直しと専門家との相談を忘れずに行うことが重要です。

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