投資信託の取り崩しについて調べていると、「年利5%で運用しながら毎年4%取り崩せば資産は減らないどころか増える」という話を見かけることがあります。しかし、オルカン(全世界株式)やS&P500のような投資信託は分配金がほとんどなく、取り崩すたびに口数が減るため、「本当に資産が増えるのか」と疑問に感じる人も少なくありません。この記事では、投資信託を取り崩しながら運用する仕組みと、資産が増えると言われる理由について分かりやすく解説します。
年5%運用で年4%取り崩すと資産が増えると言われる理由
結論から言うと、運用利回りが取り崩し率を上回っている限り、理論上は資産残高が増える可能性があります。
例えば1000万円を年5%で運用すると、1年後には1050万円になります。その状態で4%にあたる40万円を取り崩した場合、資産は1010万円残ります。
つまり「元本から4%を引く」のではなく、「運用で増えた資産から4%を取り崩す」ため、運用益の方が大きければ資産は増えることになります。
オルカンやS&P500でも同じ考え方が当てはまる
オルカンやS&P500は特殊な商品ではありません。
これらの投資信託も、組み入れられている企業が利益を上げることで株価が成長し、長期的には基準価額の上昇が期待されています。
取り崩しを行う際は保有口数の一部を売却するため口数は減りますが、残った口数の価値が上昇していれば資産全体が維持または増加することがあります。
口数が減るのに資産が増える仕組み
多くの人が混乱するポイントは「口数」と「資産額」を同じものと考えてしまうことです。
例えば100万口を保有し、基準価額が1万円だった場合の資産は100万円です。その後、基準価額が1万2000円に上昇し、10万口分を売却したとしても、残り90万口の価値は108万円になります。
つまり口数は減っていても、1口あたりの価値が上昇していれば資産額は増える可能性があるのです。
| 項目 | 変化 |
|---|---|
| 口数 | 減少する |
| 基準価額 | 上昇する可能性がある |
| 資産総額 | 増加・維持・減少のいずれもあり得る |
シミュレーションで資産が増える理由
証券会社のシミュレーションでは、平均的な期待リターンを前提として計算されることが一般的です。
例えば年平均リターン5%、取り崩し率4%という条件であれば、長期的に資産が維持または増加する結果になる場合があります。
ただし、これは毎年必ず5%で増えるという意味ではありません。
実際の運用では資産が減る年もある
投資信託のリターンは毎年一定ではなく、プラスの年もあればマイナスの年もあります。
例えばリーマンショックやコロナショックのような相場下落局面では、資産が20%以上下落することもあります。
そのタイミングで取り崩しを続けると、資産の減少が加速することがあり、これを「シーケンスリスク」と呼びます。
4%ルールは絶対ではない
投資の世界で有名な「4%ルール」は、過去の米国市場データを基にした研究から生まれた考え方です。
過去の実績では、資産の4%程度を毎年取り崩しても長期間資産が枯渇しにくかったという結果が示されています。
しかし将来も同じ結果になる保証はなく、市場環境によっては3%や3.5%程度の取り崩しが安全と考える専門家もいます。
まとめ
年利5%で運用しながら年4%取り崩しても資産が増えると言われるのは、運用益が取り崩し額を上回る前提があるためです。これはオルカンやS&P500でも同じ考え方が適用されます。
取り崩しによって口数は減りますが、基準価額の上昇によって資産全体が維持または増加することがあります。ただし実際の市場は毎年一定のリターンではないため、シミュレーション結果を鵜呑みにせず、リスクも理解したうえで取り崩し計画を立てることが大切です。
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