株式投資というと「配当金(インカムゲイン)」を受け取ることが目的と思われがちですが、実際には配当を出していない無配株であっても、活発に売買される銘柄は多数存在します。なぜ投資家たちは配当が得られない株を買うのでしょうか?本記事ではその理由や背景について、投資理論や実例を交えて解説します。
無配株とは何か?
無配株とは、配当金を支払っていない企業の株式を指します。多くの場合、成長段階にある企業が内部留保を優先し、利益を再投資に回すため配当を見送っています。特にIT企業やベンチャー企業、新興市場ではこの傾向が顕著です。
たとえば、長年配当を出していなかったアマゾンやテスラの株価は、それでも上昇を続け、多くの投資家に利益をもたらしました。
無配株が選ばれる3つの主な理由
第一にキャピタルゲインを目的とした投資です。株価が将来上昇すると見込まれる企業の株を安値で購入し、高値で売却することで利益を得ます。
第二に企業成長への期待です。無配当であっても、企業の業績が順調であれば株価は市場で評価されます。たとえば、売上高や利益の継続的な成長があれば、配当よりも株価上昇による恩恵が大きいと判断されるのです。
第三に戦略的保有・買収需要があります。企業買収やM&Aを狙う法人投資家やファンドが、配当には関係なく企業の支配権を確保する目的で株式を購入するケースもあります。
「企業価値」が投資家の行動を動かす
株価は基本的に「将来の企業価値」を織り込んで動きます。企業が今後成長していくと予測されれば、配当がなくてもその価値は上がると考えられます。これはDCF(割引キャッシュフロー)理論や株主資本利益率(ROE)などでも裏付けられる合理的な考え方です。
たとえばAI開発を行う新興企業が赤字続きでも、今後莫大な利益を生むポテンシャルがあれば、配当を出していなくても投資家は資金を投じます。
実際の市場で見られる無配株の人気例
かつての楽天、メルカリ、ソフトバンクグループなども無配当(もしくは低配当)ながら、成長性への期待で株価が大きく変動しました。これらの企業は、配当よりも内部留保を通じた研究開発や海外展開に資金を回す戦略を採っていたのです。
個人投資家だけでなく、プロの機関投資家もこの成長見込みに注目して資金を動かしているという点は大きなヒントになります。
リスクも理解したうえでの判断が大切
無配株は将来の株価上昇に期待する投資であるため、万が一企業の成長が止まったり、赤字が続いたりすると、配当によるリターンがない分リスクが高まります。そのため、業績や財務状況をよく見極めたうえでの投資判断が求められます。
投資初心者の場合は、配当がないこと=価値がない、と判断せず、その企業の将来性や市場環境、ビジネスモデルなど多角的な視点で検討しましょう。
まとめ
無配株が売買されるのは、配当以外にも株式投資には多くの魅力や可能性があるからです。成長性、買収需要、企業価値の向上といった要素は、配当を上回るリターンをもたらす可能性があります。
「なぜ無配株を買う人がいるのか?」という疑問は、株式投資の本質である「将来価値への期待」が答えとなります。自分なりに企業分析を行い、納得のいく投資判断を心がけましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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