エリオット波動理論は、相場分析においてトレンドの転換点や勢いを見極めるための有力な手法の一つですが、「3波目を狙え」と言われても、そもそも1波目がどこなのか判別できなければ戦略は立てられません。本記事では、実際のチャート分析を交えながら、1波目の見つけ方と時間足の使い方について解説します。
そもそもエリオット波動とは?
エリオット波動理論は、相場の動きが5つの上昇波と3つの調整波によって構成されているとする理論です。上昇トレンドでは「1波・2波・3波・4波・5波」が順に現れ、下落トレンドでは「A波・B波・C波」が形成されるとされています。
特に注目されるのが「3波目」。これは最も勢いが強く、リターンも大きくなりやすい波動のため、多くのトレーダーがこの波を狙っています。
1波目の特徴と見極め方
1波目はトレンド転換の最初の波であり、それまでの下落トレンドに対して逆方向に進み始める動きです。特徴としては以下のような点が挙げられます。
- 前の安値を切り上げ、上昇を開始する
- 出来高が増加し始める
- MACDやRSIなどのオシレーター系指標にダイバージェンスが見られる
例えば、日足チャートで長期下落トレンドが続いていた銘柄が、突如高出来高とともに陽線を出し、25日移動平均線を上抜けるといった場面は1波目の兆候である可能性があります。
時間足による波の認識の違い
時間足によって波の認識が異なることは、エリオット波動を使う際の最大の難関です。基本的な考え方は「上位時間足の波の中に、下位時間足の波が内包されている」という点です。
たとえば、日足チャートで見る1波目は、4時間足ではすでに3波目や4波目になっていることもあります。このため、「どの時間足でトレードを行うか」を明確に決め、その時間足での波形に一貫して従う必要があります。
実践的な1波目の見つけ方
実際に1波目を見極めるための実践的な手法として、以下のようなアプローチがあります。
- トレンドラインのブレイクを確認する
- 前回の高値・安値を明確に更新したかを観察する
- プライスアクション(例:包み足、ピンバーなど)で反転を見極める
例えば、下降トレンド中に直近の高値を大陽線で明確に抜いた場合、それが1波目である可能性が高まります。その後の押し目(2波)でエントリー準備に入るのがセオリーです。
間違えやすい1波の見落とし例
トレーダーがよく陥るミスとして、「レンジ抜け=1波目」と勘違いしてしまうケースがあります。レンジ相場の中での上下動はノイズであることも多く、本格的なトレンドが出ていない段階で波を数え始めるのは早計です。
また、「小さな時間足で1波目が見えても、上位足ではノイズレベル」ということもあるため、複数の時間足での整合性を取ることが重要です。
まとめ:1波目の発見は“構造”と“コンテキスト”の理解から
エリオット波動の1波目を見つけるには、単なるチャートパターンではなく、市場の流れや投資家心理を背景とした「構造的な転換点」を見抜く力が求められます。
そのためには、使う時間足を明確にし、テクニカル指標・価格帯・出来高といった複合的な要素を統合的に判断する姿勢が必要です。何度もチャートに向き合い、練習を重ねることで、その「波の呼吸」を自然に感じ取れるようになるでしょう。

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