数年前に発覚した、バイオベンチャー「テラ」によるコロナ治療薬関連のIR虚偽報道は、上場廃止にまで至る深刻な事件でした。本記事では、社長や関係役員の処分状況、そして株主にどのような補償や返金があったかについて、法的・事実ベースで整理していきます。
📉1. テラの上場廃止と破産の経緯
テラは2022年3月、東京地裁へ自己破産申請し、同年5月には破産手続開始決定が下されました。債務総額は約1億9千万円にのぼり、東京証券取引所からは同年5月末に上場廃止となりました:contentReference[oaicite:0]{index=0}。
👮♂️2. 社長・元役員の逮捕・処分状況
報道によれば、テラと提携企業セネジェニックス・ジャパンの関係者らが、IR発表直前に同社株で利益を得たとして、インサイダー取引容疑で複数逮捕されています。
・建設会社社長・久保田俊明氏らが逮捕:contentReference[oaicite:1]{index=1}。
・セネ社元取締役・竹森郁氏も関係者として逮捕されています:contentReference[oaicite:2]{index=2}。
ただし、テラ社長・平智之氏に関しては直接の逮捕報道は確認されておらず、社内調査により役員報酬返納等の処分は行われたものの、公的な逮捕には至っていないようです:contentReference[oaicite:3]{index=3}。
💵3. 株主への返金・補償はあったのか?
テラが破産申請に至ったため、株主に対する配当支払いや補償は原則不可能です。実際、破産手続きでは債権者の優先順位により株主は最も下位となります。
そのため、一般株主への直接的な返金や損失補償は行われず、IR虚偽による株価急騰・暴落の影響も含め、補償が実現した形跡は見つかっていません。
🔍4. 判例・業界への影響と規制動向
テラ事件を契機に、新興上場企業に対するIR開示の厳格化やインサイダー取引規制の強化が進んでいます。
公表データでは、テラの開示内容の約4割が虚偽だった可能性が指摘され、証券取引等監視委員会や金融庁による調査・勧告の対象にもなりました:contentReference[oaicite:4]{index=4}。
まとめ:社長は逮捕されず株主補償なし、インサイダー犯人のみ処罰
① 社長・平智之氏は逮捕報道はなく、役員報酬返納などの処分に留まっています。
② セネ社との関係者がインサイダー取引で逮捕されましたが、テラ社幹部そのものの起訴は限定的です。
③ 株主への返金・補償は破産により実質できず、株価損失の補填は行われていません。
結論として、本件で処罰されたのはIR操作によって直接利益を得た一部の関係者であり、株主には救済策はほぼ存在していないのが現実です。

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