信用取引において、手数料無料という言葉に安心していても、実際にはさまざまなコストが発生します。特に楽天証券の無期限信用取引で売建を行い、その日のうちに同値撤退した場合でも貸株料が発生するのかは、多くの投資家が疑問に思うポイントです。
無期限信用取引とは?
無期限信用取引とは、返済期限の定めがない信用取引のことを指します。楽天証券では「制度信用取引(6ヶ月)」とは異なり、自分のタイミングで返済できるという利便性がありますが、日数に応じた貸株料が発生する点に注意が必要です。
特に、同日中に建て玉を返済した場合でも、1日分の貸株料はカウントされる仕様となっており、日計りであっても完全にコストゼロにはならないことがあります。
楽天証券の貸株料の仕組み
楽天証券における無期限信用取引の売建では、建玉を保有した日数分の「貸株料」が発生します。2024年現在、標準的な貸株料は年率2.80%程度が設定されている銘柄が多く、これが日割りで計算されます。
重要なのは、日計り取引(当日中に返済)であっても、約定ベースで保有が確定した瞬間から貸株料が1日分発生するという点です。
同値撤退でもマイナスになる可能性はある
たとえば、100万円分の株式を当日中に売建・返済して同値撤退した場合でも、約定時点で1日分の貸株料が計算されます。そのため、損益はゼロであっても、実質的には貸株料分だけマイナスの「実現損」となって計上されることになります。
この貸株料は実際の取引損益に直接反映されるため、売買損益がゼロであっても課税対象になる点にも注意が必要です。
取引コストの全体像を把握することが重要
楽天証券は手数料無料の信用取引を提供していますが、これはあくまで「売買手数料がゼロ」であるという意味です。以下のようなコストは別途発生します。
- 貸株料(年率で日割り計算)
- 逆日歩(制度信用で売建した場合)
- 金利(買建時)
特に無期限信用の売建においては、貸株料だけでも頻繁な売買を繰り返すと蓄積的に損失になりかねません。
日計り戦略を採用する場合の注意点
デイトレーダーが日中に何度も売買を繰り返す「スキャルピング」戦略などでは、1回1回の利益幅が小さいため、貸株料のようなわずかなコストがパフォーマンスを大きく削ぐ可能性があります。
また、同値撤退や微益での売買を繰り返していても、貸株料でトータルでは赤字になるという現象は少なくありません。実例として、1日に10回同値撤退をした結果、貸株料が合計で数百円単位に達し、実現益がマイナスになるケースもあります。
まとめ:無意識のコストが損益を左右する
楽天証券での無期限信用取引では、たとえ同値撤退で利益がゼロだったとしても、貸株料は必ず発生します。つまり、頻繁な売建取引には目に見えないコストがつきまとうということです。
手数料無料に安心せず、貸株料や金利などの実質コストを把握したうえで、戦略的に取引を組み立てることが大切です。特に日計り取引を多用する方は、損益がトータルでプラスに収まっているかを定期的に確認する習慣を持ちましょう。

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