外貨はいくら持つべき?外貨預金・FXの1日あたり利息とスワップポイントの計算方法を解説

外国為替、FX

外貨を保有すると、外貨預金では利息、FXでは通貨間の金利差などを反映したスワップポイントを受け取れる場合があります。「外貨をいくら持てば、1日いくら増えるのか」は気になるところですが、外貨預金とFXでは仕組みが大きく異なります。

特に注意したいのは、高金利通貨を持てば毎日確実に利益が積み上がるわけではないことです。利息やスワップを受け取っても、それ以上に為替相場が円高へ動けば、円換算では損失になる可能性があります。

そこで、外貨預金とFXの違い、1日あたりの受取額の考え方、外貨をいくら保有するか決める際のポイントを具体例とともに整理します。

外貨をいくら持つかに一律の正解はない

外貨の適正保有額は、年齢や年収だけでは決まりません。生活防衛資金、投資期間、資産総額、今後使う予定のお金、為替変動にどこまで耐えられるかによって変わります。

例えば金融資産300万円の人が300万円すべてを外貨にする場合と、金融資産3,000万円の人が300万円を外貨にする場合では、同じ300万円でもリスクの大きさが違います。そのため「○万円持つ」より、金融資産全体の何%を外貨にするかという視点も役立ちます。

また、近いうちに日本円で使う生活費や税金、学費、住宅購入資金などまで外貨へ替えると、必要なタイミングで円高になっていた場合に困ります。外貨運用は、当面使わない余裕資金で行うことが基本です。

外貨預金の1日あたりの利息はどう計算する?

外貨預金の利息は、基本的に預入額と適用金利から計算します。単純化すると「元本×年利÷365日」で1日分の利息を概算できます。ただし実際の計算方法、付利単位、税金、適用金利などは金融機関・商品によって異なります。

例えば100万円相当の外貨を年利3%で運用すると仮定すると、税引前の年間利息は約3万円です。単純に365日で割れば、1日あたり約82円相当となります。

500万円相当なら同じ条件で税引前年15万円、1日あたり約411円相当です。ただし、これは為替レートが変化しないと仮定した単純計算であり、実際に円へ戻した際の利益を保証するものではありません。

外貨の円換算額 仮定する年利 年間利息・税引前 1日平均・税引前
50万円 3% 約1万5,000円 約41円
100万円 3% 約3万円 約82円
300万円 3% 約9万円 約247円
500万円 3% 約15万円 約411円

なお、外貨預金では円から外貨、外貨から円へ交換する際の為替手数料や為替レートの差も確認する必要があります。金利だけを比較して商品を選ばないことが重要です。

FXのスワップポイントは外貨預金の利息とは違う

FXで通貨ペアを翌営業日へ持ち越すと、2通貨間の金利差などを反映したスワップポイントが受け払いされることがあります。しかし、これは銀行預金の利息と同じものではありません。

金融先物取引業協会も、FXについて通貨間の金利差によってスワップポイントの受け払いが生じる一方、金利差の変動によって受取額が減少したり、受取りから支払いへ転じたりする可能性があると説明しています。[参照:一般社団法人 金融先物取引業協会]

したがって「米ドルを○万通貨持てば毎日必ず○円」という固定利息ではありません。FX会社、通貨ペア、売買方向、日付によってスワップポイントは変動します。

FXでは「1万通貨あたりのスワップ」で考えると分かりやすい

FX会社では、スワップポイントを「1万通貨あたり○円」などの形式で表示していることがあります。この場合は保有数量から簡単に概算できます。

例えば、ある通貨ペアの買いスワップが仮に1万通貨あたり1日150円だった場合、1万通貨なら約150円、5万通貨なら約750円、10万通貨なら約1,500円です。

保有数量 仮定する1万通貨あたりスワップ 1日分の例
1万通貨 150円 150円
3万通貨 150円 450円
5万通貨 150円 750円
10万通貨 150円 1,500円

ただし150円という数字は計算例にすぎません。実際のスワップは日々変動し、休日分などが特定日にまとめて付与・調整される場合もあるため、単純に「毎日同額が入金される」とは限りません。

スワップより為替差損のほうが大きくなることがある

スワップ投資で最も注意したいのは、毎日の受取額だけを見るとリスクを過小評価しやすいことです。FXの損益では為替レートの変動による影響が非常に大きくなります。

例えば米ドルを1万ドル保有している状態でドル円が150円から145円へ5円下落したとすると、単純計算で評価額は約5万円減ります。仮に毎日150円のスワップを受け取っていたとしても、5万円をスワップだけで埋めるには約333日かかる計算です。

さらにFXではレバレッジを利用できます。少ない証拠金で大きな金額を取引できる反面、相場が逆方向へ動けば損失も大きくなります。金融庁もFXについて、為替変動による損失や、証拠金を上回る損失が生じる可能性などに注意を促しています。[参照:金融庁 外国為替証拠金取引について]

「1日1,000円のスワップ」を目標に逆算するのは注意

スワップ運用では「毎日1,000円もらいたいから必要な通貨量を買う」という考え方をしがちです。しかし、受取スワップを先に決めてポジションを大きくすると、為替リスクも同時に大きくなります。

例えば1万通貨あたり150円という仮定なら、1日1,000円を得るには約6.7万通貨が必要です。しかしドル円が1円動けば、6.7万ドルのポジションでは約6万7,000円の評価損益が発生します。数日分のスワップを、わずかな為替変動が簡単に上回ることが分かります。

「1日にいくら受け取りたいか」ではなく、「為替が10円、20円と不利に動いても耐えられるポジション量か」から考えるほうがリスク管理として重要です。

外貨預金とFXは目的が違う

外貨預金とFXは、どちらも外貨に関係する金融商品ですが性質はかなり異なります。外貨預金は預金として外貨を保有する方法であり、FXは通貨を売買する証拠金取引です。

項目 外貨預金 FX
主な収益要因 預金利息・為替差益 為替差益・スワップ
レバレッジ 基本的になし あり
円高リスク あり あり
金利・スワップ 預金金利 日々変動するスワップ
元本保証 円換算での元本保証ではない なし

また、日本国内の外貨預金は預金保険制度の対象外です。金融庁も外貨預金などを預金保険制度の対象外となる預金として案内しています。[参照:金融庁 預金保険制度]

外貨保有額を決めるなら「利息」より資産全体で考える

外貨を持つ目的が資産分散なら、1日あたりの利息を最大化することより、円資産を含めた全体のバランスを考えることが重要です。円で必要になる生活費まで外貨へ移してしまえば、円高時に外貨を売らざるを得なくなる可能性があります。

FXについても、実質的な外貨への投資額と証拠金額を混同しないようにします。例えば証拠金50万円で数百万円相当の外貨ポジションを持てば、「50万円だけ投資している」感覚でも実際の為替変動リスクはより大きくなります。

外貨運用を始める場合は、一度に大きな金額を投入するより、自分が許容できる損失額を決めたうえで少額から仕組みを理解する方法もあります。高い金利やスワップだけで通貨を選ばず、その国の金利、インフレ、政治・経済情勢なども確認することが大切です。

まとめ

外貨をいくら持つべきかに万人共通の金額はありません。生活防衛資金や近い将来使う円資金を確保したうえで、金融資産全体に占める外貨の割合と、許容できる為替損失から保有額を考えるのが基本です。

外貨預金の1日あたりの利息は「元本×年利÷365」で大まかに把握できます。一方、FXのスワップポイントは預金利息とは異なり、通貨間の金利差やFX会社の設定などによって変動し、受取りから支払いへ変わる可能性もあります。

外貨運用では「1日○円もらえる」という数字だけで判断せず、為替が逆方向へ大きく動いた場合の損失までセットで計算することが重要です。特にレバレッジを使うFXでは、スワップ収入よりポジション量と資金管理を優先して考えることが長期的なリスク管理につながります。

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