新NISAで毎月9万円を投資するとき、「月1回で9万円を買うより、3万円ずつ月3回に分けたほうがリスクを抑えられるのでは」と考えることがあります。楽天証券なら、つみたて投資枠の積立設定と成長投資枠のスポット購入を組み合わせることも可能です。
たとえば同じ投資信託を毎月2日・12日・22日に3万円ずつ、合計9万円購入する方法です。この場合に重要なのは、購入回数を3回に増やしたからといって、対象ファンドの購入手数料が毎回発生するとは限らないこと、そして「購入日を分けること」と「投資先を分散すること」は別物だという点です。
新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠を併用できる
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、両方を併用できます。金融庁によると、つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円で、合計すると年間最大360万円まで投資できます。非課税保有限度額は総額1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。[参照]
毎月3万円をつみたて投資枠で購入すると年間36万円、さらに成長投資枠で毎月6万円購入すると年間72万円です。年間合計108万円なので、それぞれの年間投資枠の範囲内に収まります。
ただし、購入したい投資信託がそれぞれの枠の対象商品である必要があります。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)など、両方の枠で購入できる商品もあります。実際に設定するときは楽天証券の商品ページで最新のNISA対象区分を確認すると確実です。
3万円を月3回購入しても買付手数料は増える?
ここは購入する投資信託によって決まります。たとえば楽天証券でeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を購入する場合、楽天証券の商品情報では買付手数料は「なし」とされています。[参照]
そのため通常の楽天証券利用者が対象ファンドを3万円ずつ3回購入したからといって、「1回買うたびに数百円の購入手数料が取られ、月1回より損になる」という仕組みではありません。IFA(金融商品仲介業者)経由など契約形態によって条件が異なる場合があるため、自分の商品画面に表示される費用は確認しておきましょう。
一方、投資信託には保有中に実質的に負担する信託報酬などのコストがあります。これは「3回買ったから3倍」というものではなく、基本的には保有している資産額に応じて信託財産から差し引かれます。同じファンドへ合計9万円投資するなら、購入回数を増やしたこと自体で年間の信託報酬率が高くなるわけではありません。
月3回に分けると「利益が下がる」と決まっているわけではない
誤解しやすいのが、「分けて買えばリスクが下がる代わりに利益も必ず下がる」という点です。購入日を2日・12日・22日に分けても、最終的な利益が必ず小さくなるわけではありません。
たとえば月初から月末まで株価が一直線に上昇した月なら、9万円を月初にまとめて購入したほうが有利になります。反対に月初に高値を付け、その後大きく下落した月なら、3回に分けたほうが平均購入価格を低くできる可能性があります。
つまり、結果はその後の相場次第です。購入日を複数に分ける最大の意味は、特定の1日に全額を投入する「タイミングの偏り」を小さくすることです。将来の価格が分からない以上、分割購入が必ず高リターンにも低リターンにもなるとはいえません。
購入日を分けても「資産の分散」にはならない
もう一つ重要なのが、時間分散と資産分散の違いです。同じオルカンを2日・12日・22日に3万円ずつ買う場合、購入タイミングは分散されていますが、投資対象そのものを3種類に分けているわけではありません。
| 方法 | 分散しているもの | 例 |
|---|---|---|
| 購入日を分ける | 購入タイミング | 2日・12日・22日に購入 |
| 投資先を分ける | 資産・地域・銘柄など | 株式と債券など |
もっとも、オルカンのような全世界株式型の投資信託は、ファンド内部ですでに多数の国・企業へ投資しています。そのため「投資信託を1本しか買っていない=1社へ集中投資している」という意味でもありません。
S&P500連動型ファンドも米国の多数の企業へ分散されていますが、地域としては米国への集中度が高くなります。オルカンとS&P500のどちらを選ぶかは、購入回数とは別に「どの地域へどの程度投資したいか」という資産配分の問題として考えると整理しやすくなります。
つみたて投資枠を月3万円だけにする必要はある?
月9万円を投資するのであれば、「時間分散するために、つみたて投資枠を3万円にして残り6万円を成長投資枠で手動購入しなければならない」というわけではありません。つみたて投資枠の年間上限は120万円なので、月9万円なら年間108万円となり、年間枠だけを見れば全額をつみたて投資枠に収めることができます。
長期的にNISAを利用する場合、成長投資枠を将来の個別株やETF、スポット購入などのために残しておきたい人もいるでしょう。逆に「自分で月3回買うほうが続けやすい」という人なら、両枠を併用する考え方もあります。
制度上可能かどうかだけでなく、手間も考えることが大切です。毎月2日と22日に手動で注文する方法は、忘れる可能性があります。長期投資では何年、何十年と続ける可能性があるため、購入タイミングを細かく最適化することより、無理なく継続できる仕組みを作ることにも意味があります。
オルカンとS&P500を両方買えば分散になる?
オルカンとS&P500を半分ずつ購入する方法も考えられますが、これは単純に「分散が2倍になる」という意味ではありません。オルカンの中にも米国株が大きな割合で含まれているため、S&P500を追加すると米国株の比率をさらに高めることになります。
たとえば「世界全体へ時価総額に応じて投資したい」という目的ならオルカン1本でも考え方は成立します。一方、「世界へ投資しながら米国をより多く持ちたい」という意図があるなら、両方を組み合わせることにも合理性があります。
大切なのはファンドの本数ではなく、中身です。投資信託を5本買っていても全部が似た米国大型株を大量に保有していれば、見た目ほど分散されていない場合があります。
まとめ:月3回購入で大きな手数料差が出るとは限らない
楽天証券の新NISAで、買付手数料が無料の対象投資信託を月3万円ずつ3回購入する場合、購入回数を3回にしたこと自体を理由に買付手数料が増えて大きく不利になるわけではありません。信託報酬などの保有コストについても、同じファンドを同程度保有するなら、購入回数を増やしただけで料率が3倍になるものではありません。
また、月3回に分けると利益が必ず下がるわけでもありません。上昇相場では早くまとめて購入したほうが有利になることがあり、下落する局面では分割購入が有利になることがあります。事前にどちらになるかは分かりません。
毎月9万円なら年間108万円なので、対象商品であれば年間120万円のつみたて投資枠だけで投資する選択肢もあります。「2日・12日・22日」と購入日を分散するメリットと、毎月手動注文を続ける手間を比較し、長期間続けやすい方法を選ぶことが重要です。
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