NISAでS&P500などの投資信託を積み立てている方の中には、「オルカン(全世界株式)の方が分散投資になるのでは」と考え、途中で投資先を変更したいと思うケースがあります。その際に気になるのが、これまで積み立ててきた期間や複利効果がどうなるのかという点です。この記事では、S&P500からオルカンへ変更する場合に、過去の積立期間がどのように影響するのか、投資先変更時の考え方をわかりやすく解説します。
NISAで投資先を変更すると積立期間はリセットされるのか
S&P500で2年間積み立てた資産を売却し、その資金でオルカンを購入した場合、「オルカンへの投資期間」は購入した時点から始まります。そのため、オルカンを3年前から保有していたのと全く同じ状態になるわけではありません。
例えば、3年前から毎月3万円ずつオルカンを購入していた人と、現在まとめてオルカンを購入した人では、購入した価格や保有期間が異なります。過去の価格変動を経験しているかどうかも違うため、同じ投資成果になるとは限りません。
ただし、これまでS&P500で積み立ててきた資産そのものには、2年間投資してきた時間の効果があります。その資産を売却してオルカンに移した場合も、その時点の資産額が新たな投資元本になります。
時間分散やドルコスト平均法の効果はどうなる?
積立投資のメリットとしてよく挙げられるのが、毎月一定額を購入することで価格変動の影響を分散できるドルコスト平均法です。
しかし、S&P500を2年間積み立てた後に一括でオルカンへ移した場合、オルカンについては過去2年間の購入時期の分散効果はありません。オルカンを購入するタイミングは、売却して買い替えた時点になるためです。
例えば、S&P500を毎月3万円ずつ購入していた期間に、オルカンの価格が大きく下落していたとしても、その下落局面でオルカンを購入していたわけではありません。そのため、オルカンを過去から積み立てていた場合と同じ平均購入単価になるわけではありません。
複利効果は投資先を変更すると失われるのか
複利効果とは、投資によって得た利益がさらに利益を生むことで、時間の経過とともに資産が成長していく仕組みです。
S&P500で運用していた資産を売却してオルカンへ移した場合でも、これまで増えた資産を元に再投資するため、複利効果そのものが消えるわけではありません。
例えば、100万円が120万円になった状態で売却し、その120万円をオルカンへ投資した場合、オルカンでは120万円を元本として運用が始まります。重要なのは「どの商品を何年間持ったか」だけではなく、「現在いくらの資産を運用しているか」です。
S&P500からオルカンへ変更する場合に考えるポイント
S&P500とオルカンは似ている部分がありますが、投資対象には違いがあります。S&P500は米国の代表的な500社に集中投資する商品であり、オルカンは米国を含む世界中の株式へ幅広く投資します。
そのため、どちらが正解というより、自分がどのようなリスクを取りたいかによって選択することが重要です。米国企業の成長を重視するならS&P500、世界全体の成長を取り込みたいならオルカンという考え方になります。
例えば、今後数十年間の資産形成を目的としている場合、短期間の値動きよりも「長期的に保有し続けられる商品か」という視点で判断することが大切です。
NISAで売却して買い替える時の注意点
NISA口座では、売却した商品の利益に税金がかからないというメリットがあります。ただし、一度売却した分の非課税投資枠の扱いには注意が必要です。
新NISAでは売却した商品の簿価分について、翌年以降に投資枠が復活する仕組みがあります。そのため、頻繁な売買を繰り返すよりも、長期的な投資方針を決めて運用することが重要です。
例えば、「S&P500とオルカンのどちらが今後上がるか」を予想して短期間で乗り換えるよりも、自分が長期間保有できる投資先を選び、継続する方がNISAの制度目的にも合っています。
まとめ
S&P500で積み立ててきた資産を売却してオルカンへ移した場合、オルカンを数年前から積み立てていたのと完全に同じ効果になるわけではありません。オルカンの投資期間や購入タイミングは、買い替えた時点から始まります。
一方で、これまでS&P500で築いた資産や複利による成長効果が消えるわけではありません。売却時点の資産額が新たな投資元本となり、そこからオルカンで運用が続きます。
NISAでは短期的な商品の変更よりも、長期間安心して保有できる投資先を選ぶことが重要です。S&P500とオルカンそれぞれの特徴を理解し、自分の投資目的に合った運用方針を決めることが大切です。
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