インサイダー取引の本質と誤解されがちな「売買なしでも違法?」という疑問を徹底解説

株式

株式投資に関する法律の中でも特に厳しく取り締まられるのが「インサイダー取引」です。一般的には内部情報をもとに株を売買することと理解されていますが、実際には「売却していないからセーフ」といった誤解も多く見受けられます。本記事では、インサイダー取引の正確な定義とその誤解について、わかりやすく解説します。

インサイダー取引とは?法律上の定義を確認

インサイダー取引とは、会社関係者などが、公開前の重要事実を知った状態で株式などを取引する行為を指し、金融商品取引法により禁止されています。

この「取引」には株の購入または売却の両方が含まれており、「買うだけ」でも法に触れる可能性があります。したがって、「売らなければOK」という解釈は誤りです。

「買ったけど売ってない」は違法なのか?

結論から言えば、非公開の重要事実を知ったうえで買い付けを行った時点でインサイダー取引が成立します。売却していないかどうかは違法性の判断において本質的な要素ではありません。

例えば、ある企業の決算情報や合併情報などの未公開情報を知っていた社員が、その企業の株を購入した場合、その時点で法律違反が成立する可能性があるのです。

重要情報とはどのようなものか?

重要事実として該当するのは、次のような情報です。

  • 決算情報(赤字転落や黒字化など)
  • 合併・買収(M&A)
  • 新製品の発表や事業提携
  • 代表取締役の交代
  • 大量の株式取得や売却

こうした情報は市場に影響を与えるため、公開前に知り得た状態での株取引は厳格に制限されています。

なぜ「購入時点」で規制されるのか

インサイダー取引の趣旨は「市場の公正性」を保つことにあります。売却を待つ間に株価が上昇して利益を狙う意図がある時点で、公平な取引が損なわれると判断されます。

そのため、買い付け段階で情報の不公正利用が認められれば、それだけで違法行為とみなされます。

インサイダー取引が発覚した場合のリスク

インサイダー取引が発覚した場合、刑事罰(5年以下の懲役または500万円以下の罰金)や、課徴金の対象となります。

また、企業の信用問題や、社内規定により懲戒処分となるケースもあり、極めて重大なリスクを伴います。

事例:情報を得たが売っていないケース

実際の裁判例では、「売却していない」ことをもって違法性が否定されたケースは少なく、多くの場合は購入行為そのものに対して処罰が下されています。

特に上場企業の役員・従業員やその家族が、内部情報を知った直後に株を買ったケースは、極めて厳しくチェックされます。

まとめ

・インサイダー取引は「売却していないからOK」というものではありません。
・未公開の重要事実を知って買い付けを行うと、それだけで違法になる可能性があります。
・金融商品取引法を正しく理解し、株式投資を行ううえでの倫理とルールを守ることが重要です。
・不安があれば、専門の弁護士や証券会社のコンプライアンス部門に相談することをおすすめします。

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