個人向け社債の中でも比較的高い利率が期待できるSBIグループの劣後債は、低金利時代の運用先として注目されています。一方で、償還期間が35年と非常に長く、「途中で売却したら損をするのではないか」「相続になる可能性が高い」と不安に感じる方も少なくありません。この記事では、劣後債の基本的な仕組みと、長期保有を前提とした場合のリスクについて整理します。
劣後債とは何か
劣後債は企業が資金調達のために発行する債券の一種です。通常の社債よりも投資家が負うリスクが高いため、その分だけ利率が高めに設定される傾向があります。
万が一発行体が経営破綻した場合、返済順位は預金や一般の社債より後になります。この「返済順位の低さ」が劣後債という名前の由来です。
高金利の裏側には信用リスクが存在するという点は理解しておく必要があります。
35年償還は本当に35年間持ち続けるのか
35年償還と聞くと、多くの投資家は「そんなに長く保有できない」と感じます。しかし実際には途中で売却する人も少なくありません。
また、劣後債には一定期間経過後に発行体が繰上償還できる条項が付いているケースがあります。目論見書でコール条項の有無を確認しておくことが重要です。
一方で、繰上償還が必ず実施される保証はありません。最終的には35年近く残存期間が続く可能性もあります。
途中売却で元本割れする理由
劣後債の最大の注意点は市場価格の変動です。途中売却する場合は額面価格ではなく、その時点の市場価格で売却することになります。
例えば金利が上昇すると、既に発行済みの低金利債券の価値は下がる傾向があります。その結果、100万円で購入した債券が90万円や80万円でしか売れないケースも理論上はあり得ます。
特に残存期間が長い債券ほど価格変動が大きくなる傾向があります。
| 要因 | 価格への影響 |
|---|---|
| 市場金利上昇 | 債券価格は下落しやすい |
| 発行体の信用不安 | 大幅下落の可能性 |
| 市場金利低下 | 債券価格は上昇しやすい |
利息を受け取っていても損失になることはある?
結論から言えばあります。
例えば年利3%で数年間利息を受け取っていても、売却時に元本部分が大きく下落していれば、トータル収支がマイナスになる可能性があります。
ただし、その損失規模は将来の金利環境や信用状況によって変わるため、事前に正確な予測はできません。
逆に市場金利が低下すれば、途中売却でも利益になる場合があります。
高齢の投資家が考えたいポイント
35年という期間を考えると、満期保有を前提にするよりも資産全体の中での位置付けを考えることが重要です。
例えば生活資金や医療費として近い将来使う可能性のあるお金を投資するのではなく、長期間使う予定のない余裕資金の一部で保有する考え方があります。
また相続の可能性が高い場合は、家族が債券の仕組みを理解できるかどうかも検討材料になります。
劣後債を検討する際のチェックリスト
購入前には次のポイントを確認しておくと判断しやすくなります。
- 利率はどの程度か
- 繰上償還条項の有無
- 発行体の財務状況
- 途中売却時の流動性
- 資産全体に占める割合
利率だけを見るのではなく、リスクとのバランスを確認することが大切です。
まとめ
SBI劣後債の魅力は比較的高い利率ですが、その反面、信用リスクや金利変動リスクを抱えています。35年償還という期間そのものよりも、途中売却時に市場価格がどうなるかが重要なポイントです。
元本保証の商品ではないため、利息を受け取っていても最終的に損失になる可能性はあります。ただし、その損失規模は将来の金利環境や発行体の信用力によって大きく変わります。
高金利だけで判断せず、余裕資金の範囲で資産配分全体を考えながら検討することが、長期的な資産運用では重要といえるでしょう。
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