海外株式ファンドに投資していると、株価の値動きだけでなく為替レートの変化によっても運用成績が変わります。S&P500やオールカントリー(オルカン)のような海外資産に投資する場合、なぜ円高になると円換算での利益が減る可能性があるのか、その仕組みを具体例を交えて解説します。
海外株式ファンドはなぜ為替の影響を受けるのか
海外株式ファンドは、日本円で購入できますが、実際には投資先の多くが外国企業の株式です。例えば米国株ファンドの場合、投資家から集めた日本円を米ドルに換えて米国企業の株式を購入しています。
そのため、海外株式の価格が上昇して利益が出ても、最終的に日本円へ戻す時の為替レートによって受け取れる金額が変化します。この仕組みを「為替変動リスク」と呼びます。
つまり海外ファンドの損益は、基本的に「株価の変化」と「為替の変化」の2つの影響を受けることになります。
円高になると海外ファンドの利益が減る理由
例えば、1ドル=150円の時に100万円を米国株ファンドへ投資したとします。単純化すると、約6,666ドル分の資産を購入したことになります。
その後、米国株が10%上昇して資産が約7,333ドルになったとします。この時点で円安のまま1ドル=150円なら、約110万円になります。
しかし、同じタイミングで円高が進み1ドル=120円になっていた場合、7,333ドルを円換算すると約88万円になります。株価は上がっているのに、為替の影響によって円で見た評価額が下がることもあります。
実際にS&P500やオルカンを持っている場合はどうなるのか
S&P500やオルカンを保有している場合も、基本的な考え方は同じです。投資先企業の株価が上昇していても、円高になると日本円で表示される基準価額の上昇が抑えられる場合があります。
例えば、米国株市場が10%上昇していても、その期間にドルが円に対して10%下落すれば、円換算ではほとんど利益が出ない可能性があります。
ただし、長期投資では為替は常に変動しており、円高だけが続くわけではありません。円安によって海外資産の評価額が押し上げられる時期もあります。
為替の影響を受けないようにする方法はあるのか
海外株式ファンドには、為替の影響をそのまま受ける「為替ヘッジなし」の商品と、為替変動を抑える「為替ヘッジあり」の商品があります。
一般的なS&P500連動型ファンドやオルカンは、為替ヘッジなしの商品が多く、ドルなど外国通貨の値動きも投資成果に含まれます。
為替ヘッジありの商品は円高による影響を抑えられる一方、ヘッジコストが発生する場合があり、必ず有利になるわけではありません。長期投資では為替の予測をするよりも、世界経済の成長を取り込む目的で保有する投資家も多くいます。
円高の時は海外ファンドを売るべきなのか
円高になったからといって、すぐに海外ファンドを売却する必要があるとは限りません。為替は短期間で大きく動くことがあり、今後さらに円高になるか円安になるかを正確に予測することは困難です。
例えば、20年や30年という長期間で積立投資を続ける場合、一時的な円高や円安による影響は、購入時期を分散することで平均化される可能性があります。
重要なのは、為替の短期的な動きだけを見るのではなく、自分の投資目的や運用期間に合わせて判断することです。
まとめ:海外株式ファンドは株価と為替の両方で値動きする
海外株式ファンドは、投資先企業の株価だけではなく、円と外国通貨の交換レートによっても評価額が変わります。円高になると、外国資産を円に換算した時の価値が下がるため、株価が上昇していても利益が小さくなる場合があります。
一方で、為替は長期的には上下を繰り返すものであり、S&P500やオルカンなどへの長期投資では、為替だけを理由に売買を判断するのではなく、投資目的やリスク許容度を考えることが大切です。
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