近年、日米を問わず金利の上昇傾向が続く中、投資家の間で「金利上昇に強いETF」に注目が集まっています。特に日本株ETFの中から、どのような銘柄が有利に働くのかを見極めることは、ポートフォリオの安定と成長の鍵を握るポイントです。
金利上昇が株式市場に与える影響
一般に金利上昇は企業の借入コストを押し上げ、消費や投資の減速要因となるため、株式市場にとってはマイナス要因とされます。ただし、すべての業種・銘柄が同じように影響を受けるわけではなく、金利上昇局面においてプラスに働く企業やセクターも存在します。
その代表が、金融株やバリュー株です。特に銀行株は、金利上昇によって利ざやが拡大するため、業績に追い風となることがあります。
金利上昇に強い日本株ETFの特徴
日本株ETFの中でも、次のような特徴を持つETFは金利上昇局面に強い傾向があります。
- 銀行・保険など金融セクターの比率が高い
- バリュー株を中心とした構成銘柄
- 高配当利回り株を多く含む
これらのETFは、金利上昇により割安株が見直される流れに乗る可能性が高く、逆にグロース株中心のETFは相対的にパフォーマンスが劣後することもあります。
注目の日本株ETF例
ここでは、金利上昇に強いとされる代表的なETFをいくつか紹介します。
- NEXT FUNDS 銀行業株価指数連動型上場投信(コード:1631)
銀行業に特化したETFで、三菱UFJやみずほなど大手銀行が中心。金利上昇時にはパフォーマンスが向上しやすいです。 - iシェアーズ MSCIジャパンバリューETF(コード:1478)
バリュー株を幅広くカバーしており、金利上昇で見直されやすい銘柄群が含まれています。 - NEXT FUNDS JPX日経インデックス400高配当50(コード:2529)
高配当株に特化し、金利上昇で投資家がインカム狙いにシフトする際に注目されます。
いずれも、投資家からの資金流入が多く、流動性も高いため、初心者にも比較的取り組みやすい商品です。
金利上昇に強い業種や企業の見分け方
ETFを選ぶだけでなく、その中の構成銘柄にも注目することで、より精度の高い投資判断が可能になります。金利上昇に強い企業の特徴は次の通りです。
- 預貸業務が収益源の銀行・信用金庫
- 金利差によって利益を上げる保険会社
- 借入依存度が低く、自己資本比率が高い企業
一方で、成長期待で評価されているIT・通信株などは、将来のキャッシュフローの割引率が上昇するため、金利上昇局面では株価が下がる傾向があります。
ETF選定時の注意点と戦略
金利上昇に強いETFを選ぶ際は、以下の点に注意してください。
- 信託報酬の低さ(長期保有に影響)
- 構成銘柄の業種バランス
- 直近の値動きと出来高(流動性)
また、金利上昇のスピードや程度によって影響の出方は異なるため、マーケット全体の金利見通しをウォッチしながら、タイミングを見てポートフォリオを調整することが重要です。
まとめ:金利上昇局面でも賢く資産を守る
金利上昇というマクロの環境変化は、株式市場にとってリスクにもチャンスにもなり得ます。日本株ETFの中から、金融株や高配当株、バリュー株を多く含む商品を選ぶことで、環境変化に対応しやすい運用が可能となります。金利動向を注視しながら、自分の投資目的に合ったETFを選定し、長期的な資産形成につなげていきましょう。

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