豪ドル円(AUD/JPY)が114円台まで上昇すると、次に意識されやすいのが115円という節目です。2026年8月26日時点で、オーストラリア準備銀行(RBA)が公表する豪ドル円の参考レートは1豪ドル=114.20円となっており、115円まで1円を切る水準まで近づいています。
したがって、豪ドル円が115円を超えること自体は十分あり得ます。ただし、115円を一時的に超えることと、115円より上で安定して推移することは別です。豪ドル円はオーストラリアの金利、日本の金利、資源価格、世界の株式市場、為替介入への警戒など複数の材料で大きく動きます。
特に2026年夏は、オーストラリアではインフレの強さから追加利上げ観測が浮上する一方、日本では日本銀行の追加利上げ観測や円買い介入への警戒も強まっています。つまり豪ドル高材料と円高材料が同時に存在しており、115円突破後も一直線に上昇するとは限りません。
- 2026年8月26日の豪ドル円は114円台まで上昇
- 豪ドル円が115円を超える可能性はある
- 現在豪ドルが強い最大の理由はオーストラリアの金利
- オーストラリアのインフレが予想より強かったことも豪ドル高材料
- 115円突破に必要なのは豪ドル高だけではない
- 豪ドル円115円突破のシナリオ
- 115円を超えると120円もあり得る?
- 一方、日本銀行の利上げは115円突破への逆風
- 円買い介入への警戒も重要
- なぜ豪ドルは中国経済に左右されるのか
- 資源価格の上昇も豪ドルを押し上げやすい
- 豪ドル円は株式市場とも関係が深い
- 115円を超えたとしても安心とは限らない
- 115円から110円へ戻れば約4.3%の円高
- 豪ドル預金なら金利だけを見ない
- FXの場合はさらに注意が必要
- 豪ドル円115円を予想するときに見るべき5つの指標
- 強気シナリオでは115円以上も十分考えられる
- 中立シナリオでは110円台前半から115円付近の往来も
- 弱気シナリオでは100円台へ戻る可能性も否定できない
- 「115円になったら売る」という判断も目的によって違う
- 「115円を超えるか」を正確に予測することはできない
- まとめ:豪ドル円115円突破は十分あり得るが、その後の定着は別問題
2026年8月26日の豪ドル円は114円台まで上昇
オーストラリア準備銀行が公表している為替レートでは、2026年8月24日が1豪ドル=113.92円、25日も113.92円、26日は114.20円となっています。
| 日付 | 1豪ドルあたりの円 |
|---|---|
| 2026年8月24日 | 113.92円 |
| 2026年8月25日 | 113.92円 |
| 2026年8月26日 | 114.20円 |
市場取引でも8月26日には114.30円前後まで上昇する場面がありました。115円との差は約0.7円なので、通常の為替変動の範囲でも到達可能な距離です。
[参照] オーストラリア準備銀行「Exchange Rates」
豪ドル円が115円を超える可能性はある
為替には株価の値幅制限のような仕組みはありません。そのため115円を超えてはいけない制度上の壁があるわけではなく、市場で豪ドル買い・円売りが強くなれば115円以上へ上昇します。
2026年8月時点では豪ドル円はすでに114円台です。115円へ上昇するために必要なのは1%にも満たない値動きなので、短期的な到達という意味では特別に非現実的な水準ではありません。
ただし市場参加者が115円を心理的な節目として意識している場合、115円付近で利益確定の豪ドル売りが増えることがあります。そのため一度115円を超えても、再び113円、112円方向へ戻る展開は十分考えられます。
現在豪ドルが強い最大の理由はオーストラリアの金利
2026年8月時点で、オーストラリア準備銀行の政策金利は4.35%です。日本より高い金利が維持されているため、金利差を利用して豪ドルを買い、円を売る取引が行われやすい環境になっています。
為替市場では一般に、条件が同じなら金利の高い通貨が買われやすくなります。豪ドルを保有することで円より高い金利収入を期待できるためです。
こうした金利差を利用した取引はキャリートレードと呼ばれます。豪ドル円が上昇する局面では、この豪ドル買い・円売りが値動きを加速させることがあります。
オーストラリアのインフレが予想より強かったことも豪ドル高材料
2026年8月26日に発表されたオーストラリアの7月消費者物価指数は、前年同月比3.5%上昇しました。市場予想の3.3%程度を上回る強い数字でした。
さらにRBAが重視する基調的なインフレ指標も予想以上に強く、市場ではRBAが今後もう一度利上げする可能性が高まったと受け止められました。
金利がさらに上昇する可能性が高くなると、豪ドル建て資産の利回りも相対的に魅力的になるため豪ドルが買われやすくなります。8月26日に豪ドルが対ドル・対円で上昇した背景にも、この追加利上げ観測があります。
[参照] Reuters「Australia inflation runs hot in July, markets reprice rate hike risk」
115円突破に必要なのは豪ドル高だけではない
豪ドル円は、豪ドルそのものの強さだけで決まりません。円が強くなるか弱くなるかも同じくらい重要です。
非常に単純化すると、豪ドル円は豪ドル/米ドルと米ドル/円の組み合わせで考えることができます。
例えば豪ドル/米ドルが0.72ドル、米ドル/円が160円なら、単純計算では1豪ドルは約115.2円になります。
0.72×160=115.2円
つまり豪ドルが対米ドルでそれほど上昇しなくても、円安が進めば豪ドル円は115円を突破できます。
豪ドル円115円突破のシナリオ
| 材料 | 豪ドル円への影響 |
|---|---|
| RBAが追加利上げ | 豪ドル高要因 |
| 豪州インフレが高止まり | 豪ドル高要因 |
| 中国経済が改善 | 豪ドル高要因になりやすい |
| 鉄鉱石など資源価格上昇 | 豪ドル高要因になりやすい |
| 世界株高 | 豪ドル買い・円売りが進みやすい |
| 日銀の利上げが遅れる | 円安要因 |
| 日本の財政不安 | 円売り要因になる場合がある |
これらが複数重なれば115円突破だけでなく、さらに高い水準を試すことも理論上は可能です。
115円を超えると120円もあり得る?
115円を明確に突破した場合、チャート分析を重視する市場参加者からは120円付近が次の大きな節目として意識される可能性があります。
2026年8月26日時点でも一部の為替分析では、豪ドル円が115円を明確に上抜ければ120円方向への上昇余地が出てくるとの見方があります。
ただしこれは「115円を超えれば必ず120円」という意味ではありません。テクニカル分析は市場参加者の行動を見る一つの方法であり、日銀政策やRBA政策などの材料が変われば見通しも変わります。
[参照] DailyForex「AUD/JPY Forecast」
一方、日本銀行の利上げは115円突破への逆風
豪ドル円の上昇を考えるとき、現在もっとも注意したいのが日本銀行の金融政策です。
2026年8月25日に公表されたReutersのエコノミスト調査では、回答者の過半数が日本銀行が9月に政策金利を1.25%へ引き上げると予想しています。さらに2027年3月までに少なくとも1.5%程度まで上昇するとの見方もあります。
日本の金利が上昇すればオーストラリアとの金利差は縮小します。すると金利差を狙った豪ドル買い・円売りの魅力が低下するため、豪ドル円には下落圧力となる可能性があります。
[参照] Reuters「BOJ to speed up its tightening campaign」
円買い介入への警戒も重要
2026年の円相場では、日本政府による為替介入が大きな材料になっています。円安が急速に進んだ場合、政府・財務省が市場へ介入して円を買う可能性があります。
実際、2026年夏には日米による協調的な円買い介入も行われ、米ドル円が短時間で大きく円高方向へ動きました。
介入は豪ドル円を直接取引するとは限りませんが、米ドル円が大きく下落すると円が他通貨に対しても上昇し、豪ドル円も急落することがあります。
[参照] Reuters「Yen holds most gains as intervention keeps speculators on edge」
なぜ豪ドルは中国経済に左右されるのか
オーストラリアは鉄鉱石、石炭、天然ガスなど大量の資源を輸出する国です。そして中国はオーストラリアにとって非常に重要な貿易相手国です。
中国経済が好調になり鉄鉱石などへの需要が増えると、オーストラリアの輸出収入が増える期待から豪ドルが買われることがあります。
逆に中国の不動産市場悪化や景気減速が強まれば、資源需要低下への懸念から豪ドルが売られる場合があります。そのため豪ドル円を予想するときには、日本とオーストラリアだけでなく中国経済も確認する必要があります。
資源価格の上昇も豪ドルを押し上げやすい
豪ドルは資源国通貨と呼ばれる代表的な通貨です。鉄鉱石、石炭、天然ガスなどの価格上昇はオーストラリアの交易条件を改善させるため、豪ドル高材料になりやすい傾向があります。
例えば中国の景気刺激策によって鉄鉱石価格が上昇し、同時にRBAの利上げ観測が高まれば、「資源価格上昇+金利上昇」という二つの豪ドル買い材料が重なります。
その状態で日本側の金利上昇が限定的なら、豪ドル円が115円より高い水準へ進む可能性はさらに高まります。
豪ドル円は株式市場とも関係が深い
豪ドル円は市場参加者のリスク選好を反映しやすい通貨ペアとしても知られています。
世界の株式市場が上昇し、投資家がリスクを積極的に取る局面では、高金利通貨である豪ドルが買われ、低金利通貨として使われてきた円が売られやすくなります。その結果、豪ドル円が上昇することがあります。
反対に金融危機、戦争、景気後退などで株価が急落すると、キャリートレードが解消されて豪ドル売り・円買いが急激に進む場合があります。このため豪ドル円は上昇するときだけでなく、下落するときの速度も速くなることがあります。
115円を超えたとしても安心とは限らない
為替では「115円を突破したから次は必ず120円」という考え方は危険です。
例えば115.50円まで上昇した翌日に、日銀の利上げ、円買い介入、世界株安などが重なれば、数円単位で下落する可能性があります。
特に現在の豪ドル円は長期的に見ても円安が大きく進んだ水準にあります。そのため高値圏では上昇余地だけでなく、円高へ反転した場合の値幅も想定する必要があります。
115円から110円へ戻れば約4.3%の円高
豪ドルを預金やFX、外貨建て資産として保有する場合、数円の変化でも金額への影響は大きくなります。
例えば1万豪ドルを115円で円換算すると115万円です。これが110円になると110万円になるため、為替だけで5万円の差が生じます。
| 豪ドル円 | 1万豪ドルの円換算額 |
|---|---|
| 120円 | 120万円 |
| 115円 | 115万円 |
| 110円 | 110万円 |
| 100円 | 100万円 |
高金利だからという理由だけで豪ドルを保有しても、為替差損が金利収入を上回る場合があります。
豪ドル預金なら金利だけを見ない
豪ドルの金利が円より高いと、外貨預金が魅力的に見えることがあります。しかし円から豪ドルへ交換し、将来再び円へ戻すなら為替レートが最終的な収益へ大きく影響します。
例えば年間4%の金利を得ても豪ドル円が1年間で10%下落すれば、円換算では損失になる可能性があります。
さらに金融機関で外貨を売買する場合は為替手数料やスプレッドもあります。したがって「豪ドルは高金利だから安全に増える」という理解は避ける必要があります。
FXの場合はさらに注意が必要
FXでは証拠金を使って自己資金より大きな金額を取引できます。そのため豪ドル円が115円を超えると考えて買う場合でも、予想と反対方向へ数円動くだけで大きな損失になることがあります。
例えばレバレッジを高くしている場合、長期的な方向性が最終的に当たっていても、その途中の急落で強制的に決済される可能性があります。
為替予想は「最終的にどこまで上がるか」だけでなく、「途中でどこまで逆方向に動く可能性があるか」まで考える必要があります。
豪ドル円115円を予想するときに見るべき5つの指標
| 確認項目 | 豪ドル円との関係 |
|---|---|
| RBA政策金利 | 利上げなら豪ドル高になりやすい |
| 日銀政策金利 | 利上げなら円高になりやすい |
| 豪州CPI | 高インフレならRBA利上げ観測 |
| 中国景気・資源価格 | 改善なら豪ドル高要因 |
| 世界株・市場心理 | リスク選好なら豪ドル高・円安になりやすい |
豪ドル円のチャートだけを見るより、この5項目を一緒に確認すると値動きの理由を理解しやすくなります。
強気シナリオでは115円以上も十分考えられる
今後、オーストラリアのインフレが高止まりしてRBAが追加利上げを実施し、日本銀行の利上げが市場予想ほど進まなかった場合、豪日金利差は大きな状態が続きます。
そこへ中国経済の改善、資源価格上昇、世界株高が重なれば豪ドル買い・円売りが強まり、115円を明確に突破するシナリオが考えられます。
この場合、市場では117円、120円など次の節目が意識される可能性があります。ただし具体的な到達時期や水準を事前に確定することはできません。
中立シナリオでは110円台前半から115円付近の往来も
RBAと日銀の双方が利上げを行う場合、豪ドル買い材料と円買い材料が相殺される可能性があります。
オーストラリアの金利が高いことは豪ドルを支える一方、日本の金利上昇によって円売りが減れば、豪ドル円が一方向へ上昇しにくくなります。
このような状況では115円を一時的に試しても定着できず、広いレンジ相場になる可能性があります。
弱気シナリオでは100円台へ戻る可能性も否定できない
豪ドル円が現在114円台だからといって、今後110円を割らない保証はありません。
オーストラリア景気が減速してRBAが利下げへ転換し、その一方で日銀が利上げを続ければ金利差は縮小します。さらに中国景気悪化や世界株急落が重なれば、豪ドル売り・円買いが強まる可能性があります。
為替は数年間で20~30%以上動くことも珍しくありません。そのため長期間の豪ドル投資を考える場合は、115円突破だけではなく100円方向への下落シナリオも想定しておくことが重要です。
「115円になったら売る」という判断も目的によって違う
オーストラリア旅行や留学のため豪ドルを保有している人と、投資目的で豪ドルを保有している人では115円の意味が違います。
将来オーストラリアで使う予定のお金なら、円換算価格だけを気にする必要はありません。反対に最終的に円へ戻して利益を確定することが目的なら、購入時の為替レートとの差が重要です。
例えば90円で購入した豪ドルと113円で購入した豪ドルでは、115円になったときの利益幅はまったく違います。節目の数字だけでなく、自分の取得価格と目的から判断する必要があります。
「115円を超えるか」を正確に予測することはできない
為替市場には世界中の銀行、投資家、企業、中央銀行などが参加しており、将来の情報もある程度現在のレートへ織り込まれています。
そのためRBAが利上げすると予想されていても、その予想がすでに豪ドル高として織り込まれていれば、実際の利上げ発表後に豪ドルが下落することさえあります。
重要なのは一点の為替レートを当てることより、「どの条件なら上昇し、どの条件なら下落するか」というシナリオで考えることです。
まとめ:豪ドル円115円突破は十分あり得るが、その後の定着は別問題
2026年8月26日時点で豪ドル円は114円台にあり、オーストラリア準備銀行の公表レートでは1豪ドル=114.20円となっています。115円との差はわずかなので、115円を一時的に超える可能性は十分にあります。
現在はオーストラリアのインフレが市場予想を上回り、RBAによる追加利上げ観測が強まっていることが豪ドルの追い風です。政策金利も4.35%と日本より高いため、金利差を狙った豪ドル買い・円売りも豪ドル円を支えています。
一方、日本側では日銀による追加利上げ観測があります。2026年8月時点では9月の利上げを予想するエコノミストも増えており、日本の金利上昇が進めば豪ドルと円の金利差が縮小し、豪ドル円の上値を抑える可能性があります。
さらに日本政府による円買い介入も重要なリスクです。円安が急速に進めば介入によって短時間で数円規模の円高が進む可能性があり、豪ドル円もその影響を受けます。
したがって「115円を超えることはあるか」という意味なら十分あり得ますが、「115円を超えたらそのまま120円、130円へ上昇する」と考えるのは早計です。
今後は、RBAの追加利上げ、オーストラリアのインフレ、中国経済と資源価格、日銀の追加利上げ、円買い介入、世界の株式市場という6つの材料を確認すると、豪ドル円の方向を理解しやすくなります。
為替は予想以上に大きく上下するため、豪ドル預金やFXなどで投資する場合は115円突破という上昇シナリオだけでなく、110円、100円方向へ下落する場合にも耐えられる資金管理が重要です。
[参照] オーストラリア準備銀行「Exchange Rates」
[参照] Reuters「オーストラリアのインフレと利上げ観測」
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