「今の若い人は不景気しか知らない」と言われる一方で、スマートフォンを持ち、ショッピングモールやテーマパークを楽しみ、就職も売り手市場という現実があります。そのため「本当に不景気なのか」「昔より恵まれているのではないか」と感じる人も少なくありません。実際には、豊かさの種類と経済に対する感覚は別の問題として考える必要があります。
バブルを知らなくても不景気は感じられるのか
不景気かどうかを判断するために、必ずしもバブル景気を経験している必要はありません。
人は過去の時代ではなく、自分の周囲や将来への見通しから経済状況を判断します。例えば、給料がなかなか上がらない、物価が上昇して生活費が苦しい、住宅価格が高くて購入が難しいといった状況が続けば、不景気だと感じることがあります。
つまり「バブルを知らないから不景気が分からない」というわけではなく、自分が生きる時代の中で生活のしやすさを判断しているのです。
昔より便利で豊かになった部分は確かにある
現代の若者が享受している生活環境は、過去と比べて大きく向上しています。
スマートフォン1台で通信、買い物、娯楽、学習ができるほか、低価格で高品質な商品やサービスも増えています。
また、イオンのような大型商業施設やテーマパーク、動画配信サービスなど、昔にはなかった娯楽も充実しています。
生活の便利さという面では、現代の方が豊かになっている部分も多いと言えるでしょう。
それでも将来への不安が大きい理由
一方で、若い世代が経済的な不安を抱く要因も存在します。
例えば住宅価格や家賃の上昇、社会保険料の負担増、高齢化による将来の年金不安などがあります。
さらに、終身雇用が当たり前だった時代と比べると、働き方が多様化した反面、将来の収入見通しが立てにくいと感じる人もいます。
日常生活は便利になっていても、将来設計という面では不安を抱きやすい環境になっているとも考えられます。
就職は売り手市場でも安心とは限らない
近年は人手不足により、就職活動そのものは比較的有利な状況が続いています。
しかし、売り手市場だからといって全員が希望する条件で働けるわけではありません。
給与水準や労働環境、転勤の有無などを考慮すると、自分に合った職場探しに苦労するケースもあります。
また、物価上昇のスピードが賃金上昇を上回ると、就職しやすくても生活が楽になったと実感しにくいことがあります。
格差は昔からあるが見え方が変わった
格差そのものは昔から存在していました。
ただし現在はSNSやインターネットの普及によって、他人の生活が可視化されやすくなっています。
豪華な旅行や高級車、資産形成の成功例などが日常的に目に入るため、自分との比較によって格差を強く意識することがあります。
その結果、実際の所得差以上に「自分は恵まれていない」と感じやすい環境になっているとも言えるでしょう。
豊かさと景気は必ずしも同じではない
豊かな生活環境と好景気は似ているようで異なる概念です。
スマートフォンや娯楽施設が充実していても、賃金の伸び悩みや将来不安があれば景気が良いと感じない人もいます。
逆に、バブル期は物価や不動産価格が高騰していても、収入増加への期待感が強く、多くの人が景気の良さを実感していました。
経済に対する評価には、現在の生活水準だけでなく将来への期待感も大きく影響します。
まとめ
現代の若者はバブル景気を経験していなくても、自分たちの生活環境や将来への見通しから景気を判断しています。
スマートフォンや商業施設などにより生活の利便性は大きく向上しましたが、住宅価格、社会保障負担、将来不安といった課題も抱えています。
そのため「昔より恵まれている部分」と「不景気だと感じる理由」は両立し得るものであり、どちらか一方だけでは現代の経済状況を語れないのです。
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