株主総会は株主なら全員参加できる?参加資格・議決権・招集通知の仕組みをわかりやすく解説

株式

株式会社の株主総会は、会社の重要事項を決めるための正式な機関です。上場企業の株を少しだけ持っている個人投資家でも、「自分も株主総会に行けるのだろうか」と疑問に思うことがあります。

結論としては、株主であれば常に誰でも参加できるというわけではなく、その株主総会について議決権を行使できる株主として確定していることが基本的な条件です。特に重要なのが、会社が定める「基準日」に株主名簿へ記録されているかどうかです。

また、株を1株だけ持っていれば必ず議決権があるとも限りません。日本株では単元株制度を採用している会社が多く、議決権の有無は保有株数や株式の種類によって変わります。

株主総会に参加できるのは「その総会で議決権を持つ株主」が基本

会社法では、株式会社は株主総会を招集する場合、一定の株主に対して招集通知を行います。定時株主総会では、会社が定めた基準日時点で議決権を持つ株主が、その総会で議決権を行使する株主として扱われるのが一般的です。

つまり、現在その会社の株を持っているというだけではなく、株主総会の権利確定日となる基準日時点で株主だったかが重要です。基準日の後に株を購入した場合、その直後に開催される株主総会には参加・議決権行使できないことがあります。

会社法124条では、株式会社が一定の日を基準日として定め、その日に株主名簿へ記載・記録されている株主を権利行使できる者として定められる仕組みが規定されています。[e-Gov・会社法124条参照]

100株持っていないと株主総会に参加できないことが多い理由

東京証券取引所の上場会社では、普通株式の売買単位は原則100株に統一されています。この100株を「1単元」とする会社では、通常1単元につき1個の議決権があります。

例えば1単元が100株の会社で100株を保有していれば、原則として1個の議決権を持ちます。500株なら5個、1,000株なら10個というように、保有する単元数に応じて議決権が増えるのが基本です。

一方、証券会社の単元未満株サービスなどを利用して1株、10株、50株だけ保有している場合、経済的には株主であっても、通常は株主総会での議決権を持ちません。「株を持っている=必ず株主総会へ出席できる」というわけではない最大の理由が、この単元株制度です。

株主総会の招集通知が届けば参加資格を確認しやすい

株主総会が近づくと、対象となる株主には会社から株主総会の招集通知が送られます。上場会社では紙の書類だけでなく、電子提供制度によって株主総会資料をWeb上で確認する仕組みも導入されています。

招集通知には、開催日時、開催場所、議案、議決権行使方法などが記載されています。会場へ出席する場合の手続きについても、議決権行使書を受付へ提出するなど、会社ごとの案内が示されます。

そのため、自分がその総会へ参加できるか分からない場合は、まず招集通知が届いているかを確認すると分かりやすいでしょう。ただし、電子提供制度や証券会社の設定などによって書類の届き方は異なる場合があります。

株主総会に行かなくても議決権は行使できる

議決権を持っている株主でも、株主総会の会場へ実際に行く義務はありません。多くの上場会社では、書面やインターネットを利用して事前に議決権を行使できます。

例えば取締役選任議案について賛成・反対を選び、議決権行使書を郵送する方法や、会社が指定するWebサイトから入力する方法があります。会場が東京で、自宅が北海道や九州にある場合でも、こうした方法で株主として意思表示できます。

近年はインターネットによる議決権行使を案内する会社も増えているため、「株主総会に参加する」という言葉には、会場へ出席する場合だけでなく、議決権を行使するという意味も含めて考えると理解しやすくなります。

オンライン株主総会なら自宅から参加できる場合もある

企業によっては、株主総会の様子をインターネット配信する「バーチャル株主総会」を実施しています。ただし、オンライン配信にはいくつか種類があります。

例えば、会場での株主総会をライブ配信するだけの「参加型」では、視聴はできてもオンライン上では議決権行使や質問ができない場合があります。一方、会社法上の株主総会への出席として扱われる「出席型」では、オンラインで質問や議決権行使が可能なケースもあります。

そのため、オンライン開催だから誰でも同じ権限で参加できるわけではありません。会社の招集通知に記載された参加方法や本人認証の条件を確認する必要があります。

1株だけ持っている株主にはどんな権利がある?

単元未満株を保有して議決権がない場合でも、株主であること自体が否定されるわけではありません。会社の定款や株式の種類によりますが、配当を受け取る権利などは保有株数に応じて認められるのが一般的です。

例えば1単元100株の会社を1株だけ保有している場合でも、1株当たり50円の配当が実施されれば、原則として50円の配当を受け取れます。しかし株主総会における通常の議決権はありません。

なお、会社法には単元未満株主について一定の権利を制限できる規定もあります。株主総会への出席資格を判断する際には、単に「株主かどうか」ではなく、「議決権を持つ株主かどうか」を見ることがポイントです。[e-Gov・会社法参照]

株主総会当日に株を売っていても参加できる場合がある

株主総会の参加資格は、総会当日に株を持っているかではなく、原則として基準日時点で権利を持っていたかによって判断されます。そのため、基準日後に株を売却して現在は保有していなくても、その株主総会について議決権を持っていることがあります。

例えば3月31日を議決権の基準日としている会社で、その日に100株を保有して株主名簿に記録されていれば、4月に株をすべて売却しても、6月の定時株主総会について議決権を行使できるケースがあります。

逆に、4月に100株購入し、6月の株主総会開催日には保有していても、3月31日の基準日には株主でなかった場合、その6月総会の議決権は通常ありません。株主総会では「現在の保有状況」と「その総会についての権利確定」は別に考える必要があります。

株主総会の会場には何人でも入れるわけではない

議決権を持つ株主本人には原則として出席する機会がありますが、家族や友人を自由に同伴できるとは限りません。会場への入場方法は会社の案内に従う必要があります。

代理人を出席させることについても、会社法では株主が代理人によって議決権を行使できる仕組みがありますが、会社の定款で代理人を株主に限定するなど一定の条件が設けられている場合があります。代理出席には委任状などが必要になることもあります。[e-Gov・会社法310条参照]

したがって、「100株持っているので家族3人で株主総会を見に行く」といったことが当然に認められるわけではありません。具体的な入場方法は、その会社の招集通知を確認するのが確実です。

株主総会では何をするのか

株主総会では、会社から事業状況の報告を受けたり、重要な議案について決議したりします。典型的な議案には、取締役の選任、監査役の選任、定款変更、剰余金の処分などがあります。

株主は一定の範囲で質問することもできます。会社法314条では、取締役などは株主総会で株主から特定事項について説明を求められた場合、原則として必要な説明をする義務があるとされています。[e-Gov・会社法314条参照]

ただし、質問時間は無制限ではなく、総会運営上必要な制限が行われることもあります。株主総会は株主と経営陣が直接向き合う場ではありますが、個人的な相談会ではなく、会社法に基づく正式な意思決定の場です。

まとめ|株主なら全員ではなく「その総会で議決権を持つ株主」が参加の基本

株主総会については、「株を1株でも持っていれば誰でも参加できる」と理解するのは正確ではありません。基本的には、その株主総会の基準日時点で株主名簿に記録され、その総会について議決権を持っている株主が出席・議決権行使の対象になります。

日本の上場株式では1単元100株の会社が多いため、100株以上保有している個人投資家であれば議決権を持つケースが一般的です。一方、1株や10株などの単元未満株だけを持っている場合は、株主ではあっても通常は議決権がありません。

また、総会当日に株を持っているかではなく基準日が重要で、基準日後に売却しても参加できる場合や、総会直前に購入しても参加できない場合があります。実際の参加資格、受付方法、オンライン出席、代理出席などは会社ごとに異なるため、最終的には届いた株主総会招集通知を確認するのが確実です。

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