2年利付国債と10年利付国債はどちらがいい?金利上昇局面で考える期間・利回り・価格変動リスク

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利付国債を購入するとき、短期の2年債でいったん様子を見るか、10年債で現在の比較的高い利回りを長期間確保するかは悩みやすいポイントです。特に金利が上昇している局面では、「今の金利を固定するメリット」と「さらに金利が上がった場合の機会損失」を比較する必要があります。

2026年8月募集の新窓販国債では、2年債の応募者利回りが年1.445%、10年債が年2.788%でした。10年債はおおむね3%に近い水準ですが、期間の長さによる価格変動リスクも大きくなります。[参照:財務省 2年固定・2026年8月債] [参照:財務省 10年固定・2026年8月債]

どちらが有利かは「今後の金利を当てる」だけでは決まりません。10年間使わない資金なのか、途中売却する可能性があるのか、金利上昇時にもっと高い利回りへ乗り換えたいのかによって適した期間が変わります。

2年債と10年債では現在どれくらい利回りが違う?

財務省が2026年8月に募集した新窓販国債を見ると、2年利付国債(第487回)は表面利率が年1.5%、応募者利回りが年1.445%でした。募集価格が額面100円につき100円10銭だったため、表面利率と実際の応募者利回りは一致しません。

一方、10年利付国債(第383回)は表面利率が年2.7%、応募者利回りが年2.788%でした。募集価格が額面100円につき99円32銭と額面を下回っていたため、応募者利回りは表面利率より高くなっています。

2026年8月募集 2年利付国債 10年利付国債
表面利率 年1.5% 年2.7%
応募者利回り 年1.445% 年2.788%
税引後応募者利回り 年1.141% 年2.236%
満期 約2年 約10年

この条件だけを見ると10年債の利回りが魅力的ですが、その差は「長期間資金を固定すること」や「途中で価格が変動すること」への対価という側面があります。

2年債のメリットは2年後に金利を選び直せること

2年債の大きなメリットは期間の短さです。満期まで保有すれば約2年で償還されるため、その時点の金利環境を見て次の投資先を選択できます。

例えば今後さらに日本の金利が上昇し、2年後に新しく発行される国債の利回りが現在よりかなり高くなっていた場合、満期を迎えた資金を高い金利の国債へ再投資できます。この意味では「2年間様子を見る」という戦略には合理性があります。

ただし逆もあります。2年後に金利が低下していれば、償還された資金を現在と同じ条件では運用できません。これが再投資リスクです。現在の10年債に投資していれば確保できた利回りを、結果的に逃す可能性があります。

10年債のメリットは現在の利回りを長期間確保できること

10年固定利付国債の魅力は、購入時点の条件を長期間固定できることです。今後市場金利が低下しても、保有している債券の利率そのものが途中で引き下げられるわけではありません。

例えば今後数年間で金利が低下し、新しく発行される10年国債の利回りが1%台になった場合、約2.8%の応募者利回りで購入した国債を保有しているメリットは相対的に大きくなります。

したがって「今の10年金利なら十分満足できる」「この資金は10年間使う予定がない」という場合には、将来の最高金利を狙うより現在の利回りを固定する考え方もあります。

10年債で最も注意したいのは途中売却時の価格変動

固定利付国債について非常に重要なのが、満期まで保有する場合と途中で売却する場合ではリスクが異なることです。国債だからいつ売っても額面で戻ってくる、というわけではありません。

一般に市場金利が上昇すると、すでに発行されている固定利付債券の市場価格は下落します。逆に市場金利が低下すると既発債の価格は上昇する方向に動きます。そして同程度の金利変化なら、残存期間の長い債券ほど価格が大きく動きやすくなります。

例えば10年債を購入した後に金利が大きく上昇し、数年後に資金が必要になって市場で売却すると、購入価格を下回る価格でしか売れず損失が生じる可能性があります。10年債を選ぶなら「10年間持てる資金か」という確認が非常に重要です。

「10年で3%近いから得」とは単純に決められない

現在の利回りが過去の低金利時代より高く見えると、「今のうちに10年間固定したほうが得」と感じやすくなります。しかし将来の金利水準は確実には予測できません。

仮に今後さらに金利が上昇し、新発10年国債の利回りが3.5%や4%へ上昇すれば、現在約2.8%で固定した投資家から見ると「待っていればもっと高い利回りを取れた」という結果になります。一方、金利が2%、1.5%と低下すれば、現在の利回りを固定した判断が有利になります。

つまり2年債と10年債の選択は、未来の金利について一方向へ賭ける問題でもあります。将来を正確に予測できない以上、一方だけが絶対的な正解とは言えません。

迷うなら2年と10年に資金を分ける方法もある

「金利はまだ上がりそうだが、現在の10年金利も捨てがたい」という場合には、資金を2年債と10年債へ分ける方法があります。これは債券の満期を分散させる考え方です。

例えば500万円を国債へ投資する予定なら、250万円を2年債、250万円を10年債というように分けます。2年後には短期部分が償還されるので、その時点の金利で再投資できます。一方、長期部分では現在の利回りを確保できます。

さらに資金量が多ければ、2年・5年・10年など複数の満期へ分散する方法もあります。将来の金利を一点で予測する必要がなくなり、一定期間ごとに償還資金が戻ってくるため資金管理もしやすくなります。

個人向け国債「変動10年」という別の選択肢もある

「10年間運用したいが、今後の金利上昇も取り込みたい」という場合には、通常の10年固定利付国債だけでなく個人向け国債の変動10年も比較対象になります。

2026年8月募集の個人向け国債「変動10年」は表面利率が年1.87%でした。固定10年の新窓販国債より当初の金利は低いものの、半年ごとに適用利率が見直されます。また発行後1年を経過すれば、原則として国による中途換金が可能で、中途換金時には所定の利子相当額が差し引かれます。[参照:財務省 個人向け国債・新窓販国債]

そのため「金利がさらに上がる可能性を考えたい」「途中で資金が必要になる可能性もある」という個人投資家にとっては、2年固定と10年固定の二択だけにせず、変動10年も含めて比較する価値があります。

どちらを選ぶかは資金を使う時期から考える

債券投資では「どちらの金利が上がるか」を予想する前に、そのお金をいつ使う可能性があるかを考えることが重要です。住宅購入、車の買い替え、教育費、老後資金など、数年以内に使う予定のある資金を10年債へ集中させると、必要な時期に市場価格が下落している可能性があります。

2~3年後に使う可能性があるなら短期債を中心に考えるほうが資金計画と合わせやすくなります。一方、10年以上使わない余裕資金であり、現在の利回りに満足できるなら10年固定で利回りを確保する考え方ができます。

なお生活防衛資金まで国債へまとめて投資する必要はありません。急な医療費や修理費などに備える現預金を確保したうえで、当面使わない資金について国債の期間を選ぶことが基本です。

まとめ:2年は金利上昇への柔軟性、10年は現在の利回り固定が魅力

2026年8月募集の新窓販国債では、2年債の応募者利回りが年1.445%、10年債が年2.788%となっており、現在は長期債のほうが高い利回りを得られる条件になっています。ただし、高い利回りだけで10年債を選べばよいわけではありません。

今後さらに金利が上昇すると考え、2年後に投資条件を選び直したいなら2年債、現在の約3%に近い利回りに十分満足しており10年間使わない資金なら10年債、将来を決め打ちしたくなければ両方へ分散する方法が考えられます。

また金利上昇を取り込みながら中途換金のしやすさも重視するなら、個人向け国債の変動10年も比較候補です。国債選びでは将来の金利予想だけでなく、「いつ使うお金なのか」「満期まで持てるのか」「途中売却による価格変動を許容できるのか」の3点から判断すると、自分に合った期間を選びやすくなります。

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