利付国債について調べていると「金利が上がると債券価格は下がる」という説明を目にすることがあります。そのため、購入した1000万円分の国債そのものが減ってしまうのか、また受け取れる利息まで減少するのか疑問に感じる人も少なくありません。この記事では、利付国債の元本、価格変動、利息計算の仕組みについて詳しく解説します。
利付国債は金利上昇で市場価格が下がる
「金利が上がると債券価格が下がる」という話は、主に市場で売買される債券価格についての説明です。国債を購入した後に市場金利が上昇すると、新しく発行される国債の利率が高くなるため、以前に発行された利率の低い国債の魅力が相対的に低下します。
例えば、年利1%の国債を保有している時に、新しく年利2%の国債が発行された場合、投資家はより高い利息を受け取れる新しい国債を選びやすくなります。そのため、以前の国債を途中で売却する場合は価格を下げないと買い手がつきにくくなります。
つまり、金利上昇によって下がるのは主に「途中売却する場合の市場価格」であり、満期まで保有する場合の額面金額とは異なります。
購入した利付国債1000万円の元本はどうなるのか
利付国債を1000万円分購入した場合、満期まで保有すれば基本的には額面金額である1000万円が償還されます。
例えば、額面1000万円の国債を購入し、その後に市場金利が上昇して市場価格が950万円になったとしても、満期まで保有する場合は途中の市場価格に関係なく、国から1000万円が返済される仕組みです。
そのため、「金利が上がったから国債の元本1000万円が日々減少していく」という仕組みではありません。減少する可能性があるのは、満期前に売却する場合の換金価格です。
利息は下落した市場価格に対して計算されるのか
利付国債の利息は、購入後に変化する市場価格ではなく、国債の額面金額を基準に計算されます。
例えば、額面1000万円、利率1%の利付国債を購入した場合、年間の利息は基本的に1000万円×1%で計算され、10万円(税引前)になります。その後、市場金利が上昇して国債の市場価格が下落しても、利息計算の基準となる額面金額は変わりません。
つまり、「価格が950万円まで下がったから、950万円に対して利息が計算される」ということはありません。
途中で売却するときには価格変動の影響を受ける
注意が必要なのは、満期前に国債を売却する場合です。市場金利が購入時より上昇していると、保有している国債の売却価格は下落する可能性があります。
例えば、1000万円で購入した国債が市場環境によって980万円の評価になっている場合、その時点で売却すると20万円程度の価格差が発生することがあります。
一方で、満期まで保有する予定であれば、市場価格の変動を日々気にする必要はありません。国債投資では「途中売却する可能性があるか」が価格変動リスクを考える重要なポイントになります。
固定金利の利付国債と変動金利型国債の違い
日本の個人向け国債などには、固定金利型や変動金利型の商品があります。固定金利の利付国債は購入時に決まった利率が満期まで基本的に変わりません。
一方、変動金利型の商品では市場金利の変化に応じて利率が見直される仕組みがあります。そのため、金利上昇局面では変動金利型のほうが金利上昇の恩恵を受けやすい場合があります。
例えば、今後金利が上昇すると予想する場合でも、固定金利の国債をすでに購入している人は、その契約時の条件で利息を受け取ることになります。
まとめ|利付国債は金利上昇で元本が減るわけではない
利付国債は、金利が上昇すると市場での売却価格が下がることがありますが、購入した額面金額そのものが日々減少するわけではありません。
1000万円分の国債を購入した場合、満期まで保有すれば基本的には1000万円が償還され、利息も購入時に決められた額面金額を基準に計算されます。
ただし、満期前に売却する場合は市場価格の影響を受けるため、国債を購入する際には「満期まで持つ予定なのか」「途中で換金する可能性があるのか」を考えて選ぶことが大切です。
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