NASDAQ100がサテライト投資と言われる理由は?オルカンとの半々運用・暴落・取り崩しの注意点を解説

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NASDAQ100は長期的に高いリターンを記録してきたことで知られ、日本でも人気の高い株価指数です。そのため、全世界株式(オルカン)だけで運用するより、NASDAQ100を組み合わせたほうが効率よく資産を増やせるのではないか、と考える人も少なくありません。

一方、資産形成ではNASDAQ100をポートフォリオの中心ではなく「サテライト(補助的な資産)」として位置付ける考え方もよく見られます。これはNASDAQ100が悪い商品だからではなく、指数の構造上、全世界株式などより集中リスクが大きいことが理由です。

ここではNASDAQ100がサテライト向きといわれる理由、オルカンとの50%ずつの運用が意味すること、暴落後の回復についての考え方、さらに老後の取り崩し時に注意したいポイントまで整理します。

NASDAQ100がサテライト枠といわれる最大の理由

NASDAQ100は、NASDAQ市場に上場する企業のうち、原則として金融企業を除く時価総額の大きな約100社で構成される指数です。世界中の企業へ幅広く投資する全世界株式指数とは、そもそもの設計思想が異なります。

特に重要なのが米国・大型グロース企業やテクノロジー関連企業への集中度が高くなりやすいことです。巨大IT企業などが好調な局面では、この集中が非常に大きなリターンを生み出す可能性があります。しかし、同じ特徴は市場環境が逆風になったときにはリスクにもなります。

一方、オルカンと呼ばれる全世界株式型の投資信託は、米国だけでなく日本、欧州、新興国など多数の国・地域へ投資します。米国株の比率は大きいものの、NASDAQ100より地域や業種が分散されています。

比較項目 NASDAQ100 全世界株式
主な投資対象 NASDAQ上場の大型非金融企業 世界各国の株式
地域 米国中心 米国・日本・欧州・新興国など
銘柄数 約100社 指数によって数千銘柄
特徴 成長企業への集中度が高い 世界全体への分散性が高い
値動き 比較的大きくなりやすい NASDAQ100より分散されている

つまり「コア・サテライト戦略」で全世界株式をコア、NASDAQ100をサテライトとするのは、期待リターンの順位を決めているわけではありません。分散された市場全体を中心に置き、特定の市場・スタイルへの積極的な賭けを追加部分として扱うという考え方です。

NASDAQ100の過去の高リターンが将来も続くとは限らない

NASDAQ100を考える際、最も注意したいのが「過去に暴落しても戻ったのだから、将来も必ず戻る」という考え方です。過去の回復実績は重要な参考資料ですが、将来の回復時期やリターンを保証するものではありません。

象徴的なのが2000年前後のITバブルです。NASDAQ100はITバブル崩壊によって非常に大きく下落し、以前の高値を回復するまで長い年月を要しました。長期投資では最終的に回復するかだけでなく、「回復するまで何年待つ必要があるのか」も重要です。

例えば30歳で大幅下落が発生し、その後長期間低迷しても、給与収入があり積立を継続できる人なら時間を味方につけやすいでしょう。しかし65歳で退職直後に同様の下落が発生し、生活費として資産を売却しなければならない人では意味が大きく変わります。

さらに指数そのものにも構成銘柄の入れ替えがあります。現在強い企業が永遠にNASDAQ100の成長を牽引するとは限りません。したがって、過去の年率リターンをそのまま将来の期待収益率として扱わないことが大切です。

「NASDAQ100が暴落すればオルカンも暴落する」は間違いではないが同じではない

世界的な金融危機が起これば、NASDAQ100だけが下落してオルカンが無傷という状況は期待しにくいでしょう。オルカンにも米国の大型テクノロジー企業が含まれているため、両者の値動きには一定の連動性があります。

しかし、同時に下落することと、同じ割合だけ下落することは別問題です。NASDAQ100は特定の企業群や投資スタイルへの集中度が高いため、その分野が市場から敬遠される局面では全世界株式より大幅に下落する可能性があります。

例えば金利上昇によって高い成長期待を織り込んだ企業の評価が大きく下がる一方、銀行、エネルギー、公益、生活必需品など別の業種が相対的に底堅くなる局面があります。世界株式ならこうした企業もポートフォリオに含まれますが、NASDAQ100では指数の性質上、同じような分散効果は期待できません。

したがってNASDAQ100を追加することは、オルカンとは完全に別の資産を追加して分散するというより、オルカンにも含まれている米国大型成長株をさらに多く保有する「上乗せ投資」に近いと理解すると分かりやすくなります。

オルカン50%・NASDAQ100 50%はどんなポートフォリオになる?

オルカンとNASDAQ100を半分ずつ保有する方法自体に正解・不正解があるわけではありません。ただし、「半分を安全なオルカン、半分をNASDAQ100に分散した」と考えるより、米国大型グロース株への比重を意図的に高めた積極的な株式ポートフォリオと考えたほうが実態に近くなります。

例えば100万円のうち50万円をオルカン、50万円をNASDAQ100へ投資したとします。オルカンの中にも米国株やNASDAQ100採用企業が相当含まれるため、NASDAQ100部分の50万円だけが米国大型株への投資というわけではありません。オルカン側からも同じ巨大企業を間接的に保有することになります。

この重複は必ずしも悪いことではありません。「今後も米国の大型成長企業が世界市場を上回る」と考え、リスクを理解したうえで意図的に比率を高めるのであれば、一つの投資方針になります。

一方で、過去のNASDAQ100のリターンが高かったという理由だけで50%まで増やす場合には注意が必要です。投資では直近まで成績の良かった資産ほど魅力的に見えますが、過去の勝者が次の10年も勝者になる保証はありません。

「暴落したNASDAQ100は売らず、オルカンから取り崩す」戦略の注意点

老後にNASDAQ100が暴落していたらオルカンから先に売り、NASDAQ100が回復するまで待つという方法は、一見すると合理的です。実際、値下がりしている資産を無理に売却しないための現金や比較的安定した資産を用意することは、取り崩し戦略で重要な考え方です。

ただし問題は、NASDAQ100が回復するまでオルカンだけで生活費を賄える保証がないことです。両方が同時に大幅下落する可能性もありますし、NASDAQ100の低迷が想定以上に長期化する可能性もあります。

例えば退職時にオルカン500万円、NASDAQ100 500万円を保有しており、NASDAQ100が大幅下落したためオルカンだけを毎年取り崩すケースを考えます。NASDAQ100の回復に長期間かかれば、その間にオルカンの残高も減少します。さらにオルカン自体が下落していれば、安値で株式を売却することになります。

このように資産形成期だけでなく、取り崩し開始直後の市場環境によって資産寿命が変わるリスクはシーケンス・オブ・リターン・リスクと呼ばれます。「いずれ戻る」ことだけでは解決できない問題です。

取り崩しを考えるなら株式同士だけでなく現金・債券も検討する

老後の取り崩しまで考える場合、オルカンとNASDAQ100のどちらから売るかだけでなく、生活費に使う予定の資金を株式以外にも分けておく方法があります。

例えば退職が近づいた段階で、数年以内に使用する予定のお金を預貯金などに移しておけば、株式市場が暴落したときに生活費確保のため株を慌てて売却する必要性を減らせます。リスク許容度によっては債券などを組み合わせる方法もあります。

資産形成期には「どの商品が一番増えるか」に目が向きやすいですが、取り崩し期には必要な時期に必要なお金を確保できるかという視点がより重要になります。

そのため、NASDAQ100を長期保有する場合も、退職直前まで資産の大部分を値動きの大きい株式に集中させるのか、年齢とともに安全資産を増やすのかを事前に考えておくことが重要です。

NASDAQ100の比率を決めるときに確認したいこと

NASDAQ100を何%保有するべきかについて、万人共通の正解はありません。年齢、収入、投資期間、生活防衛資金、住宅購入予定、家族構成、暴落への耐性などによって適切なリスク量は変わるためです。

特に重要なのは「NASDAQ100なら高リターンになりそうだから何%持つか」ではなく、大幅な下落や長期低迷が起きても、その比率を維持できるかという視点です。

  • NASDAQ100への集中リスクを理解しているか
  • 大幅下落しても積立や保有を継続できるか
  • オルカンとの銘柄重複を理解しているか
  • 10年以上期待通りの成績にならなくても方針を維持できるか
  • 取り崩し開始まで十分な期間があるか
  • 生活防衛資金を投資資金とは別に確保しているか

例えばNASDAQ100が好調なときには「50%では少なかった」と感じ、暴落すると「10%にしておけばよかった」と感じることがあります。相場によって投資方針を頻繁に変更すると、高値で買って安値で売る行動につながりかねません。

最初から自分が耐えられる最大損失を想定し、長期的に維持できる資産配分を決めることが、実際の運用では非常に重要です。

オルカン1本にも合理性がある

NASDAQ100の過去のリターンを見ると、オルカンだけでは物足りなく感じることがあります。しかし、オルカン1本という選択には「どの国・業種・企業が将来勝つかを自分で予測しない」という明確な考え方があります。

世界の企業価値が変化すれば、時価総額型の全世界株式指数ではその変化がポートフォリオにも反映されます。将来米国企業がさらに成長すれば米国の影響は大きくなり、反対に他国の企業が台頭すれば、その企業群の存在感が増えていきます。

NASDAQ100を組み合わせる方法は、この市場平均に対して「NASDAQ大型企業を市場平均以上に保有する」という意思決定です。したがって、オルカン+NASDAQ100が必ずオルカン1本より優れているわけでも、その逆でもありません。どのリスクをどれだけ引き受けるかという違いです。

まとめ:NASDAQ100の「高リターン」と「集中リスク」はセットで考える

NASDAQ100がサテライト向きといわれるのは、将来性が低いからではありません。米国大型グロース企業などへの集中度が高く、全世界株式よりポートフォリオの偏りが大きくなりやすいためです。

また、NASDAQ100が過去の暴落から回復してきたことは事実でも、将来の暴落後に必ず同じ期間・同じ経路で回復する保証はありません。投資判断では過去の年率リターンだけでなく、最大下落率、低迷期間、分散度、取り崩し時のリスクまで考える必要があります。

オルカン50%・NASDAQ100 50%という配分も選択肢にはなりますが、それは単純な50対50の分散ではなく、NASDAQ100採用企業への投資比率を大きく上乗せする戦略です。期待リターンだけでなく、想定外の長期低迷が起きても保有を続けられる比率なのかを基準に考えることが重要です。

なお、この記事は一般的な投資知識を解説するもので、特定の商品への投資を推奨するものではありません。指数の構成や投資信託の手数料・リスクなどは変更されることがあるため、実際に投資する際は最新の目論見書などを確認し、自身の資産状況やリスク許容度に応じて判断してください。

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