日本株から配当収入を得たいものの、個別の高配当株を何銘柄も選ぶのは難しいと感じる人にとって、選択肢の一つになるのが日本の高配当株ETFです。ETFなら1銘柄を購入するだけで複数企業へ分散投資できるため、個別株だけで高配当ポートフォリオを組むより管理の手間を抑えられます。
ただし、高配当株ETFなら何を選んでも同じというわけではありません。連動する指数や構成銘柄数、分配回数、信託報酬などによって特徴が異なります。本記事では、日本株の高配当ETFとして代表的な「NF・日経高配当50 ETF(1489)」「One ETF 高配当日本株(1494)」「グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF(2564)」を取り上げ、それぞれの特徴と選び方をわかりやすく解説します。
※本記事のETFに関する情報は2026年8月時点で確認した各運用会社の公開情報をもとにしています。価格、分配金、利回り、構成銘柄、純資産総額などは変動します。特定商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最新の目論見書等を確認したうえでご自身の責任で行ってください。
日本の高配当株ETFとは?
高配当株ETFとは、配当利回りや配当実績など一定の基準で選ばれた企業へまとめて投資できる上場投資信託です。一般的なETFと同じように証券取引所へ上場しているため、取引時間中であれば株式のように売買できます。
最大のメリットは、1本のETFを通じて複数の高配当株へ分散投資できることです。例えば50社で構成されるETFであれば、自分で50銘柄を購入・管理しなくても、そのETFを保有することで複数企業へ間接的に投資できます。
一方、高配当だから安全とは限りません。株価下落によって見かけ上の配当利回りが高くなっている企業もありますし、企業業績の悪化によって減配・無配となる可能性もあります。ETF自体の市場価格も下落するため、分配金を受け取っていてもトータルでは損失になる場合があります。
日本の高配当株ETFで注目したい3銘柄
日本株の高配当ETFには複数の商品がありますが、ここでは投資対象や運用方針が比較しやすい代表例として3銘柄を紹介します。
| 証券コード | ETF | 主な特徴 | 分配頻度 |
|---|---|---|---|
| 1489 | NF・日経高配当50 ETF | 日経平均構成銘柄から予想配当利回りの高い原則50銘柄 | 年4回 |
| 1494 | One ETF 高配当日本株 | S&P/JPX 配当貴族指数への連動を目指す | 年2回 |
| 2564 | グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF | 高配当の日本株・REITを含む25銘柄へ投資 | 年4回 |
単純に分配金利回りだけで順位を付けるのではなく、「どのような条件で銘柄を選んでいるETFなのか」を見ることが重要です。それぞれ詳しく確認していきましょう。
NF・日経高配当50 ETF(1489)
「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(NF・日経高配当50 ETF)」は、野村アセットマネジメントが運用するETFです。日経平均株価の構成銘柄のうち、予想配当利回りの高い原則50銘柄で構成される日経平均高配当株50指数(トータルリターン)への連動を目指します。
分配金の支払い基準日は毎年1月・4月・7月・10月の各7日で年4回です。信託報酬率は年0.308%(税込)、総経費率は年0.37%(税込)と公式サイトに掲載されています。また、2026年6月末時点では高配当株をテーマとした国内上場ETFの中で純資産総額が最大とされています。
日経平均採用銘柄をベースとして高配当株へまとめて投資したい場合に、まず比較候補に入れやすいETFです。2026年8月21日時点の公式情報では純資産総額が5,544.2億円となっています。ただし、構成銘柄は日経平均採用企業から選ばれるため、日本株市場全体から高配当株を選ぶETFとは性格が異なります。
[参照] NEXT FUNDS「NF・日経高配当50 ETF(1489)」公式情報
One ETF 高配当日本株(1494)
「One ETF 高配当日本株」はアセットマネジメントOneが運用するETFで、S&P/JPX 配当貴族指数(トータルリターン)への連動を目指します。
配当貴族という名称からも分かるように、単純に現在の配当利回りが高い銘柄だけを集めるタイプとは異なります。高配当株投資では現在の利回りだけでなく、企業が継続的に配当を出せるかという視点も重要になるため、1489とは異なる切り口で比較できます。
決算日は4月・10月の各8日で年2回です。2026年8月25日時点で公式サイトに掲載されている純資産総額は906.13億円、直近分配金は2026年4月8日の1口当たり688円です。分配頻度よりも指数の銘柄選定方針を重視したい場合にチェックしておきたいETFです。
[参照] アセットマネジメントOne「One ETF 高配当日本株」公式情報
グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF(2564)
「グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF」は、MSCIジャパン・高配当セレクト25指数(配当込み)への連動を目指すETFです。公式サイトでは、配当利回りが高い日本の25銘柄へ投資すると説明されています。
特徴的なのは、日本株だけでなくREITも投資対象に含まれることです。また、特定銘柄に偏らないよう分散されたポートフォリオの構築を目指しています。決算日は毎年1月・4月・7月・10月の各24日で、四半期ごとの分配を目指す設計です。
1489の原則50銘柄に対して2564は25銘柄のため、より絞り込んだ高配当ポートフォリオへ投資するタイプと考えると分かりやすいでしょう。その分、一つひとつの構成銘柄がETF全体へ与える影響についても確認しておく必要があります。
[参照] Global X Japan「グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF」公式情報
初心者ならどの高配当株ETFを選ぶ?
3銘柄の中から比較する場合、最初に確認しやすいのは1489(NF・日経高配当50 ETF)です。日経平均採用銘柄から原則50社へ分散する仕組みが比較的理解しやすく、2026年8月時点では純資産総額も大きいためです。
一方で、配当の継続性を意識した指数へ投資したい場合には1494、より高い配当利回りを重視した銘柄選定やREITを含むポートフォリオに興味がある場合には2564というように、目的によって候補は変わります。
例えば「日本の大型株を中心に、できるだけシンプルに高配当株へ分散したい」という人と、「現在の利回りだけではなく配当実績も意識したい」という人では、適したETFが同じとは限りません。おすすめ銘柄を探すより、自分が何を重視するのかを先に決めることがETF選びでは大切です。
高配当株ETFを選ぶときの5つのチェックポイント
高配当ETFを比較するときは分配金利回りだけを見るのではなく、複数の指標を確認しましょう。特に重要なのが次の5項目です。
- 連動対象指数と銘柄選定ルール
- 構成銘柄と業種の分散
- 信託報酬・総経費率
- 純資産総額と売買のしやすさ
- 分配実績と分配頻度
1.分配金利回りだけで選ばない
高配当ETFで特に注意したいのが、分配金利回りだけを見て選ぶことです。例えば市場価格1,000円のETFが年間40円を分配していれば、単純計算した利回りは4%です。しかし、市場価格が800円まで下落すれば、同じ40円でも見かけ上の利回りは5%になります。
つまり、高利回りが必ずしも好調な投資対象を意味するわけではありません。ETFの市場価格や基準価額の推移、構成企業の業績、分配金の推移などを合わせて確認することが重要です。
2.構成銘柄と業種の偏りを確認する
50銘柄に投資するETFだからといって、必ずしも均等に分散されているとは限りません。銀行、商社、鉄鋼、海運など特定の高配当業種の比率が高くなれば、その業界の景気悪化によってETF全体が影響を受ける可能性があります。
購入前には運用会社が公開している月次レポートなどを確認し、上位構成銘柄だけでなく業種別構成比率もチェックしておくとよいでしょう。
3.信託報酬だけでなく総経費率も見る
ETFは保有している間、運用管理費用が発生します。長期保有を前提とするほど、コストの差は無視できません。
ただし、比較するときは信託報酬だけではなく、開示されている場合は総経費率も確認すると実態を把握しやすくなります。コストが低ければ必ず優れたETFというわけではありませんが、似た運用方針の商品を比較するときの重要な判断材料になります。
4.純資産総額や流動性もチェックする
ETFでは純資産総額や市場での売買状況も確認しておきたいポイントです。売買が少ないETFの場合、希望する価格ですぐに売買できなかったり、買値と売値の差であるスプレッドが広がったりする場合があります。
特に長期投資では「高配当だから」という理由だけで選ばず、ETFとして十分な規模があるか、日常的にどの程度取引されているかも確認しておくと安心です。
5.分配回数と分配実績を確認する
定期的なキャッシュフローを重視する人にとって、分配回数もETF選びのポイントです。例えば1489と2564は年4回、1494は年2回の決算となっています。
ただし、分配回数が多いほど投資収益が高くなるわけではありません。重要なのは分配金だけではなく、値上がり・値下がりを含めたトータルリターンです。分配金を受け取りながら長期保有する場合も、基準価額の推移と合わせて判断しましょう。
高配当株ETFはいくら買えばどのくらい分配金を受け取れる?
高配当ETFを検討するときは、利回りの数字だけでなく実際の金額へ置き換えるとイメージしやすくなります。例えば仮に100万円を投資し、年間の分配金利回りが3%だった場合、税引前の年間分配金は単純計算で約3万円です。
300万円なら約9万円、500万円なら約15万円となります。ただし、これはあくまで利回りを固定した単純計算です。実際の分配金は変動し、減額されることもあります。また、課税口座では税金も考慮する必要があります。
そのため「毎月○万円の配当が欲しいから高利回りの商品を選ぶ」という考え方だけでなく、必要な投資元本、リスク許容度、資産全体の配分を考えたうえで投資額を決めることが大切です。
NISAで日本の高配当株ETFを買うときの考え方
日本の高配当ETFにはNISAの成長投資枠の対象となっている商品があります。例えば1489については、運用会社の公式サイトでNISA成長投資枠の対象であることが確認できます。
NISAを利用すると対象商品の売却益や配当・分配金を非課税にできるメリットがあります。ただし、ETFの分配金をNISAで非課税にするためには、受取方式などにも注意が必要です。利用する証券会社や日本証券業協会などの最新情報を確認してください。
また、NISAだから損失が発生しないわけではありません。高配当ETFでも元本保証はなく、市況によって市場価格が大きく下落する可能性があります。非課税メリットだけでなく、長期保有できる商品かどうかを基準に選ぶことが重要です。
日本の高配当株ETFで注意したいリスク
高配当株ETFは複数銘柄へ分散できますが、投資リスクそのものがなくなるわけではありません。日本株全体が下落する局面では、複数銘柄へ分散していてもETFの価格が大幅に下落することがあります。
また、高配当株には銀行、保険、商社、資源、海運など景気や金利の影響を受けやすい企業が多く含まれることがあります。市場環境によって特定業種への偏りが生じる可能性もあるため、構成銘柄は定期的に確認したいところです。
そして分配金は保証されていません。過去に高い分配金を出していたETFでも将来同じ金額が支払われるとは限らないため、「過去の分配金=将来受け取れる分配金」ではないことを理解しておきましょう。
まとめ|日本の高配当株ETFは利回りだけでなく中身を比較しよう
日本の高配当株ETFを比較するなら、代表的な候補として1489、1494、2564があります。1489は日経平均採用銘柄の中から予想配当利回りの高い原則50銘柄、1494はS&P/JPX 配当貴族指数、2564は高配当の日本株・REITを含む25銘柄を投資対象としており、それぞれ性格が異なります。
初心者が比較を始めるなら、純資産総額が大きく仕組みを理解しやすい1489を基準に、1494や2564との違いを見る方法があります。ただし、万人にとって一つのETFが最適というわけではありません。
高配当株ETFを選ぶ際は、分配金利回り、連動指数、構成銘柄、業種分散、信託報酬・総経費率、純資産総額、流動性、分配実績を総合的に確認することが重要です。最終的には運用会社が公開している最新の目論見書や月次レポートを確認し、自分の投資目的とリスク許容度に合ったETFを選びましょう。
こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。


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