オールカントリー70%・TOPIX10%・ゴールド20%は最適解?資産配分のメリットと注意点を解説

資産運用、投資信託、NISA

長期投資のポートフォリオとして「オールカントリー70%・TOPIX10%・ゴールド20%」という組み合わせは、一見すると世界株、日本株、金へ分散されたバランスのよい構成に見えます。

しかし、資産運用に万人共通の「最適解」はありません。年齢、運用期間、収入、生活防衛資金、どの程度の値下がりに耐えられるかによって適切な配分は変わります。

この7:1:2という配分の本質は「株式80%+金20%」であり、さらにオールカントリーに含まれている日本株をTOPIXで上乗せする構成です。まずはこの意味を理解してから採用することが重要です。

オールカントリー7:TOPIX1:ゴールド2はどんな資産配分か

一般に「オールカントリー」と呼ばれる全世界株式型の投資信託は、日本を含む先進国・新興国の株式へ幅広く投資します。そのためオールカントリー70%だけでも、日本株を含む世界各国への分散投資になっています。

そこへTOPIX連動商品を10%追加すると、日本株の比率を意図的に市場平均以上へ増やすことになります。さらにゴールドを20%組み合わせることで、株式とは性質の異なる資産を加える構成です。

資産 配分 主な役割
全世界株式 70% 世界経済の長期的成長を取り込む
TOPIX 10% 日本株を意図的に上乗せする
ゴールド 20% 株式以外への分散、危機・インフレ等への備え

したがって「3種類に分散しているから安全」というより、リスク資産の中心は依然として株式で、その株式部分の中で日本をやや厚くし、金を比較的大きく持つポートフォリオと考えると分かりやすいでしょう。

オールカントリーにTOPIXを足す意味を理解する

全世界株式には最初から日本株が含まれています。そのためTOPIXを追加することは、単純に投資対象国を増やすことではありません。日本株への配分を意図的に増やす「ホームバイアス」に近い判断になります。

これは必ずしも悪いことではありません。日本で生活し、日本企業を評価しており、日本株を世界の時価総額比率より多く保有したいという明確な考えがあるなら、TOPIXを追加する合理性はあります。

一方、「日本にも分散したいからTOPIXを追加する」という理由なら、オールカントリーですでに日本株へ投資していることを確認しておきたいところです。TOPIX10%を追加するなら「なぜ日本を上乗せするのか」を説明できる配分にしておくことが重要です。

ゴールド20%は多すぎるのか

ゴールドには株式のような企業利益や配当がありません。一方、特定企業や政府の債務そのものではない資産であり、株式とは異なる値動きをすることがあります。そのためポートフォリオの分散先として利用されています。

世界的な金融不安、地政学リスク、通貨への不安などが意識される局面で金が買われることがあります。ただし「株が下がれば必ず金が上がる」という関係ではありません。金価格自体も大きく上下します。

20%という配分に絶対的な正解・不正解はありませんが、長期的な成長を株式に期待する投資家から見ると、かなり存在感のある比率です。逆に株式100%の大きな値動きを和らげる目的で金を積極的に組み込みたい人には、意図のある配分になり得ます。

7:1:2が「最適解」になるかは暴落時の行動で変わる

資産配分を考える際には、期待リターンだけでなく「大きく下落したときにも保有を続けられるか」を考える必要があります。金融庁も資産形成では長期・積立・分散投資の考え方を紹介しています。

例えば1,000万円を7:1:2で保有するなら、オールカントリー700万円、TOPIX100万円、ゴールド200万円です。株式部分が一時的に40%下落し、仮に金価格が変わらなかったと単純化すると、株式800万円が480万円になり、総資産は680万円まで減少します。

実際には日本株と世界株、金がそれぞれ異なる値動きをするため、この通りにはなりません。しかし「金を20%入れているからほとんど下がらない」というポートフォリオではありません。株式80%である以上、相応の価格変動を受け入れる必要があります。

現金や債券が入っていない点にも注目

7:1:2には株式と金しかなく、預金や債券などの安定資産が含まれていません。生活費とは別に十分な現預金を確保している人なら問題にならない場合がありますが、投資資産が金融資産のほぼすべてなら話は変わります。

例えば数年以内に住宅購入、車の買い替え、教育費などで使う予定のお金まで株式・金へ投入すると、必要な時期に相場が下落して売却せざるを得ない可能性があります。

そのためポートフォリオを評価するときは証券口座だけを見るのではなく、普通預金や定期預金なども含めた金融資産全体で考えます。投資に回さない生活防衛資金を別に確保することも重要です。

シンプルにオールカントリーだけという選択肢もある

日本株を特別に上乗せしたい理由がなく、金を持つ明確な目的もないのであれば、全世界株式だけにするというシンプルな方法もあります。商品の数を増やせば必ず分散効果が高まるわけではありません。

一方、「全世界株式を成長の中心にしつつ、日本株を少し多くしたい」「株式だけを持つ心理的負担を減らすため金も保有したい」という方針なら、7:1:2には一貫性があります。

大切なのは過去数年で最も上昇した資産を後から追加するのではなく、各資産を保有する理由を決めることです。最近金が強かったから20%、日本株が強かったからTOPIX10%というように相場を追いかけて配分を頻繁に変えると、長期運用の方針が崩れやすくなります。

配分を決めたらリバランスのルールも考える

7:1:2を採用しても、値動きによって比率は自然に変化します。例えば金が大きく上昇すれば、当初20%だったゴールドが25%や30%になることもあります。

そこで「年1回確認する」「目標比率から5ポイント以上ずれたら調整する」など、自分なりのリバランスルールを決めておく方法があります。売却せず、新規積立を比率が低下した資産へ多く振り向ける方法もあります。

税金やNISAの利用状況によって売却の影響も異なるため、機械的に頻繁な売買をする必要はありません。金融庁のNISA情報でも、NISAは長期・積立・分散による資産形成に活用できる制度として案内されています。[参照:金融庁 NISAを利用する皆さまへ]

自分に合う比率を決める3つの質問

最適な配分を考えるときは、まず「何年間運用するのか」「最大でどの程度の含み損に耐えられるのか」「いつ使うお金なのか」を整理すると判断しやすくなります。

例えば20~30年以上使わない資金で、株価が大幅下落しても積立を継続できる人と、5年後に住宅資金として使う可能性がある人では、同じ7:1:2が適切とは限りません。

また日本株10%と金20%について、それぞれ「オールカントリーだけではなく、これを追加する理由は何か」と自分に問いかけてみる方法も有効です。明確に答えられるなら、その配分には投資方針があります。答えが「最近上がっているから」だけなら、一度立ち止まって検討する余地があります。

まとめ:オールカントリー7・TOPIX1・ゴールド2は合理的な一案だが万人の最適解ではない

オールカントリー70%・TOPIX10%・ゴールド20%は、世界株を中心にしながら日本株を上乗せし、金による分散も取り入れるポートフォリオです。十分に考えられる配分ですが、万人共通の「最適解」ではありません。

特に確認したいのは、オールカントリー自体に日本株が含まれているためTOPIX追加は日本株への意図的な上乗せになること、ゴールド20%はポートフォリオの値動きに相応の影響を与えること、そして株式80%なので大幅な下落が起こり得ることです。

日本株を上乗せする理由と金を20%持つ理由が明確で、暴落時にも維持できるなら7:1:2は一つの選択肢になります。逆に理由が曖昧なら、オールカントリーを中心によりシンプルな構成から始める方法もあります。最終的には「どの配分が一番儲かるか」ではなく、長期間継続できる資産配分かどうかで判断することが重要です。

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