勤務先の従業員持株会を退会するとき、「これまで積み立てた株は自動的に売却され、銀行口座へ現金で振り込まれるのか」「それとも野村證券の証券口座を作らなければならないのか」は、特に分かりにくいポイントです。
野村證券が持株会事務を受託している持株会では、原則として退会しただけで保有株すべてが自動的に売却・現金化される仕組みではありません。野村證券の公式案内では、退会時には各会員の持ち分を個人の証券総合口座へ引き出すことになっており、そのためには野村證券の証券総合口座が必要とされています。
そのうえで現金にしたい場合には、持株会から証券総合口座への株式振替が完了した後、自分で株式を売却し、さらに売却代金を銀行口座などへ出金する手続きを行います。ただし、1株未満の端数については別の精算方法になるため注意が必要です。この記事では、野村證券の持株WEBサービスを利用する持株会を退会した場合の株式の扱いと、口座開設から現金化までの流れを整理します。
- 野村證券の持株会は退会すると株式が証券口座へ移されるのが原則
- 野村證券の証券口座を持っていない場合は口座開設が必要
- 退会するだけでは株は自動的に現金化されない
- 銀行口座へお金を受け取るには売却後に出金手続きが必要
- 1株未満の端数は別扱いで現金精算される
- 100株未満の単元未満株は「1株未満」とは違う
- 持株WEBサービスで証券口座が登録済みか確認できる
- 他社の証券口座へ直接振り替えることはできない
- 持株会からNISA口座へ直接入れることもできない
- 退会しても株をすぐ売る必要はない
- 実際の退会手続きを順番に整理
- 退会後も持株WEBサービスはしばらく利用できる
- まとめ:持株会を退会しても原則として自動売却・銀行振込にはならない
野村證券の持株会は退会すると株式が証券口座へ移されるのが原則
野村證券の公式サイトでは、従業員持株会の退会について、退会時には会員ごとの持ち分を個人口座へ引き出すと案内されています。そして、その引き出し先として野村證券の証券総合口座が必要と明記されています。
つまり、持株会を退会した時点で、保有している株式が自動的に市場で売却され、その売却代金が指定銀行口座へ送金されるのが基本というわけではありません。まず持株会で保有している株式を、自分名義の野村證券口座へ移す手続きが行われます。
たとえば持株会で勤務先の株式を500株保有している場合、退会手続きをすると、持株会名義で管理されていた500株を自分名義の野村證券の証券総合口座へ振り替える流れが基本です。その500株をそのまま保有し続けるか、その後売却して現金化するかは別の手続きになります。
野村證券の証券口座を持っていない場合は口座開設が必要
持株会から株式を引き出すための野村證券口座を持っていない場合には、証券総合口座の開設が必要です。野村證券のFAQでも、持株会にある株式を資金化する場合、証券総合口座を持っていない人はまず口座を開設する必要があると案内されています。
持株WEBサービスを利用できる勤務先であれば、サービス内から野村證券の証券口座開設を申し込める場合があります。野村證券によると、持株WEBサービス経由で証券口座を開設すると、その口座が持株会から株式を振り替える先として自動的に登録されます。
一方、野村證券の通常のホームページから証券口座を開設した場合には、口座開設とは別に、持株会からの振替先としてその証券口座を登録する必要があります。
[参照] 野村證券「持株WEBサービスからの口座開設とホームページからの口座開設の違い」
退会するだけでは株は自動的に現金化されない
ここは特に重要です。野村證券はFAQで、持株会へ退会や一部引出しを申請しただけでは株式は売却されないと明確に案内しています。
株式を現金化したい場合には、まず持株会から野村證券の証券総合口座へ株式が振り替えられるのを待ちます。振替完了後に、野村證券のオンラインサービスや電話を利用して、自分自身で売却注文を出します。
たとえば持株会を退会した時点で勤務先株を300株保有していた場合、「退会申請→300株が野村證券口座へ振替→300株を売却」という順番になります。退会申請そのものが売却注文を兼ねているわけではありません。
[参照] 野村證券「持株会に退会や一部引出の申請をすれば現金化できますか」
銀行口座へお金を受け取るには売却後に出金手続きが必要
持株会の株式を銀行預金のような現金にしたい場合は、株式を野村證券口座へ移した後に売却します。しかし、株式を売却しただけでも指定した銀行口座へ自動的に振り込まれるとは限りません。
野村證券の案内では、売却代金を手元に受け取りたい場合には、株式の売却成立後に別途、出金手続きを行う必要があります。
全体の流れを整理すると、「持株会を退会する→株式を野村證券口座へ振り替える→株式を売却する→売却代金を銀行口座へ出金する」という順序になります。
| 手続き | 株・お金の状態 |
|---|---|
| 持株会を退会 | 持株会から個人の証券口座へ移す手続き |
| 野村證券口座へ振替 | 勤務先株を自分名義で保有 |
| 株式を売却 | 株式が売却代金へ変わる |
| 出金 | 登録銀行口座などへ現金を移す |
したがって、「持株会を退会したら銀行へ自動的に全額振り込まれる」と考えるより、株式の振替・売却・出金という別々の手続きがあると理解しておくと分かりやすいでしょう。
1株未満の端数は別扱いで現金精算される
持株会では毎月一定金額で株式を購入するため、保有数量が必ず整数になるとは限りません。たとえば「325.742株」のように1株未満の端数が発生することがあります。
野村證券によると、持株会の退会時に発生する1株未満の端数株については、持株会側で売却して精算されます。株式がお客様の取引口座へ振り替えられた後、持株会で定められたタイミングに端数部分が売却される仕組みです。
たとえば325.742株を保有していた場合、整数部分と0.742株の扱いが分かれる可能性があります。整数株など振替可能な株式は証券口座へ移され、1株未満の0.742株については持株会側で売却・精算されるというイメージです。
ただし、売却タイミングや売却代金の支払い方法は持株会ごとに異なります。端数分の代金が給与口座へ振り込まれるのか、別の方法で支払われるのかについては、勤務先の持株会規約または持株会事務局で確認する必要があります。
100株未満の単元未満株は「1株未満」とは違う
端数株については、「100株未満」と「1株未満」を混同しないことも大切です。日本株では100株を1単元とする銘柄が多いため、50株などを「端株」と呼ぶことがありますが、制度上の扱いでは1株以上100株未満の株式と、1株未満の持ち分は別物です。
たとえば保有数量が125.5株の場合、「100株」「25株」「0.5株」と分けて考えることができます。100株は通常の売買単位、25株は単元未満株、0.5株は1株未満の端数です。
野村證券では、持株会で保有している売買単位未満の株式を振り替えられるかどうかについて、持株会ごとに取り扱いが異なると案内しています。そのため、自分の持ち分が100株の整数倍でない場合には、勤務先の持株会規約にある「退会精算」などの項目を確認する必要があります。
持株WEBサービスで証券口座が登録済みか確認できる
以前に野村證券の口座を開設した記憶が曖昧な場合には、新しく口座を作る前に既存口座が登録されていないか確認するとよいでしょう。
野村證券によると、持株WEBサービスへログインし、「お手続き」→「証券口座を登録する」と進むことで、登録されている取引店や口座番号を確認できます。
すでに野村證券の証券口座を持っている場合は、その既存口座を振替先として登録することも可能です。持株会からの株式振替には振替先口座の登録が必要になるため、退会申請を行う前に確認しておくと手続きを進めやすくなります。
[参照] 野村證券「持株会の株式を現在持っている証券口座へ振り替えることはできますか」
他社の証券口座へ直接振り替えることはできない
すでにSBI証券、楽天証券、マネックス証券など別の証券会社に口座がある場合、「野村證券の口座を作らず、そこへ勤務先株を直接送れないか」と考える人もいるでしょう。
しかし、野村證券が事務を受託している持株会について、野村證券は持株会の株式を他社の証券口座へ直接振り替えることはできないと案内しています。
他社へ移したい場合でも、まず持株会から野村證券の証券口座へ株式を振り替え、その後に別の証券会社への移管手続きを行います。野村證券のFAQでは、持株会から振り替えた株式について他証券会社への移管手数料は無料とされています。
[参照] 野村證券「持株会の株式は直接他の証券会社へ振り替えできますか」
持株会からNISA口座へ直接入れることもできない
勤務先株を長期保有する予定なら、「せっかく証券口座へ移すのであればNISAに入れたい」と考えることもあります。しかし、持株会で取得済みの株式をそのままNISA口座へ振り替えることはできません。
野村證券では、持株会から引き出す株式について、NISA口座ではなく特定口座または一般口座へ振り替えることになると案内しています。
また、特定口座で管理したい場合にはタイミングにも注意が必要です。野村證券によると、持株会から振り替えた後で一般口座預かりから特定口座預かりへ変更することはできないため、退会や一部引出しを申請する前に特定口座の開設状況を確認しておく必要があります。
売却時の税務管理を簡単にしたい場合には、口座開設時に「特定口座(源泉徴収あり)」などの違いを確認しておくとよいでしょう。
退会しても株をすぐ売る必要はない
持株会から自分の野村證券口座へ株式が移されたからといって、必ず直後に売却しなければならないわけではありません。株式として保有し続けることもできます。
たとえば勤務先株を400株保有した状態で退会し、400株が証券口座へ振り替えられた場合、そのまま400株を保有し続けることも、100株だけ売却して300株を残すことも、社内規則や取引上の制限の範囲内で検討できます。
ただし、自社株の売買では勤務先独自の社内規則やインサイダー取引防止のための売買ルールが設けられている場合があります。野村證券も、振替後に株式を売却する際には勤務先の社内規則を確認し、会社への別途申請が必要な場合には持株会事務局へ確認するよう案内しています。
実際の退会手続きを順番に整理
野村證券の持株WEBサービスを利用している持株会で、退会後に株式を現金化したいケースを整理すると、一般的には次のような流れになります。
- 持株WEBサービスまたは勤務先の持株会事務局から退会を申請する
- 野村證券の証券総合口座を持っていなければ開設する
- 持株会からの株式振替先として証券口座を登録する
- 退会精算後、振替可能な株式が野村證券口座へ移る
- 現金化したい場合は、自分で株式の売却注文を出す
- 売却成立後、野村證券口座から登録銀行口座などへ出金する
一方、1株未満の端数については持株会側で売却・精算され、その支払い方法は勤務先の持株会によって異なります。そのため「全部が証券口座へ株式として来る」とも、「全部が銀行へ現金で来る」とも一律にはいえません。
最終的な退会精算方法は勤務先の持株会規約によります。特に単元未満株、端数株、退会申請の締切日、振替日などは各社で異なるため、持株WEBサービス内の持株会規約も確認しておきましょう。
退会後も持株WEBサービスはしばらく利用できる
退会手続き後には、精算内容や過去の帳票を確認する必要が出る場合があります。野村證券によると、退会した場合でも持株WEBサービスには退会した翌年の3月末までログイン可能です。
また、Web交付された帳票についても退会翌年3月末まで閲覧・ダウンロードできると案内されています。売却後の税金や取得価格の確認などで資料が必要になる可能性もあるため、退会後すぐに不要だと判断せず、必要な精算書などを保存しておくと安心です。
[参照] 野村證券「持株会退会後の持株WEBサービス利用期間」
まとめ:持株会を退会しても原則として自動売却・銀行振込にはならない
野村證券が事務を受託している従業員持株会では、退会すると原則として保有株式を野村證券の個人の証券総合口座へ引き出すことになります。そのため、証券総合口座を持っていない場合には口座開設が必要です。
退会申請をしただけでは、保有している株式すべてが自動的に売却されて指定銀行口座へ振り込まれるわけではありません。現金化を希望する場合は、「持株会から証券口座へ株式を振り替える→自分で売却する→売却代金を出金する」という手順になります。
一方で、1株未満の端数については持株会側で売却・精算され、代金の支払い方法は持株会ごとに異なります。また、100株未満などの単元未満株の取り扱いも持株会規約によって違う場合があります。
したがって退会前には、①野村證券の証券総合口座があるか、②振替先口座が持株WEBサービスに登録されているか、③特定口座になっているか、④端数・単元未満株がどのように精算されるか、⑤勤務先の自社株売買ルールを確認しておくと手続きがスムーズです。
具体的な退会精算方法は勤務先ごとの持株会規約によって異なるため、最終確認は持株WEBサービスに掲載されている規約または勤務先の持株会事務局で行うのが確実です。野村證券の一般的な資金化手順については、[参照] 野村證券「持株会にある株式を資金化するにはどうすればよいですか」でも確認できます。
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