NASDAQ100指数にレバレッジをかけて投資する、いわゆる「レバナス」には投資信託だけでなくETFもあります。ただし、日本の東京証券取引所に上場しているレバナスETFを探すと、「為替ヘッジなしの商品が見当たらない」と感じることがあります。
2026年8月時点で確認できる代表的な国内上場レバナスETFは、大和アセットマネジメントの「iFreeETF NASDAQ100レバレッジ(2869)」です。このETFはNASDAQ100指数の日々の騰落率の2倍程度への連動を目指しますが、為替変動の影響を極力排除する設計になっています。
一方、東京証券取引所に上場するNASDAQ100の2倍レバレッジETFで、2869と同じような仕組みを持ちながら為替ヘッジを行わないタイプは、2026年8月時点では確認できません。ただし、ETF以外まで範囲を広げれば「auAMレバレッジNASDAQ100為替ヘッジ無し」という投資信託があり、米国上場ETFまで含めればNASDAQ100の日次2倍を目指すQLDや日次3倍を目指すTQQQがあります。
この記事では、国内のレバナスETFに為替ヘッジなしの商品があるのか、2869の為替ヘッジの仕組み、為替ヘッジなしでNASDAQ100へレバレッジ投資する方法、QLD・TQQQとの違い、そしてレバレッジ商品の注意点まで整理します。
- 国内上場のレバナスETF「2869」は為替ヘッジあり
- 為替ヘッジなしの通常NASDAQ100 ETFなら2840がある
- 国内上場ETFには「NASDAQ100・2倍・為替ヘッジなし」の組み合わせが見当たらない
- ETFではなく投資信託なら「auAMレバレッジNASDAQ100為替ヘッジ無し」がある
- 米国上場ETFならNASDAQ100の2倍「QLD」がある
- 3倍レバレッジならTQQQもある
- 2869・auAM・QLD・TQQQの違いを比較
- 為替ヘッジなしならNASDAQ100の値動きが2倍、為替も2倍になる?
- 為替ヘッジあり・なしはどちらが有利?
- レバナスは長期で必ずNASDAQ100の2倍になるわけではない
- 海外ETFを買う場合は証券会社の取扱状況も確認する
- NISAでレバナスETFを買えるのかにも注意
- まとめ:国内ETF限定なら為替ヘッジなしのレバナスは選択肢が限られる
国内上場のレバナスETF「2869」は為替ヘッジあり
東京証券取引所には、大和アセットマネジメントが運用する「iFreeETF NASDAQ100レバレッジ」が上場しています。証券コードは2869で、2022年11月16日に上場しました。
2869が連動を目指すのは「NASDAQ100レバレッジ指数」です。NASDAQ100指数の日々の騰落率の2倍を基本として算出される指数で、NASDAQ100がある日に1%上昇した場合、理論上は約2%の上昇を目指す設計です。逆にNASDAQ100が1%下落すれば、約2%下落する方向になります。
商品名には「為替ヘッジあり」と書かれていませんが、大和アセットマネジメントのNASDAQ100シリーズ比較では、2869について「為替変動の影響を極力排除」すると説明されています。そのため、通常のNASDAQ100の値動きに加えてドル円相場の変動まで積極的に取り込みたい人がイメージする「為替ヘッジなしレバナス」とは異なります。
[参照] 大和アセットマネジメント「iFreeETF NASDAQ100レバレッジ(2869)」
[参照] 大和アセットマネジメント「iFreeETF NASDAQ100シリーズ比較」
為替ヘッジなしの通常NASDAQ100 ETFなら2840がある
レバレッジをかけない通常のNASDAQ100 ETFであれば、国内にも為替ヘッジなしの商品があります。代表例が「iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)」で、証券コードは2840です。
2840はNASDAQ100指数の日々の値動きにおおむね連動する1倍型の商品で、為替ヘッジを行いません。そのため、日本円で見た投資成果にはNASDAQ100の値動きだけでなくドル円相場も影響します。
たとえばNASDAQ100がドルベースで10%上昇し、同時に円がドルに対して10%程度下落する円安になった場合、日本円ベースではNASDAQ100上昇と円安の両方がプラス方向に作用します。一方、NASDAQ100が上昇しても大幅な円高になれば、円換算した利益が小さくなる可能性があります。
[参照] 大和アセットマネジメント「iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)(2840)」
国内上場ETFには「NASDAQ100・2倍・為替ヘッジなし」の組み合わせが見当たらない
日本取引所グループが公表しているレバレッジ型・インバース型ETFの一覧では、NASDAQ100関連として2869のiFreeETF NASDAQ100レバレッジや2870のNASDAQ100ダブルインバースなどが掲載されています。
一方で、2026年8月時点の同一覧では、「NASDAQ100の日次2倍程度」かつ「為替ヘッジなし」を明示した国内上場ETFは確認できません。つまり、国内ETFだけに限定すると、「NASDAQ100の2倍値動き+ドル円の為替変動も受けたい」というニーズにそのまま一致する商品は選択肢が限られています。
ここで注意したいのは、「2869という商品名に為替ヘッジありと書かれていないから、為替ヘッジなしなのでは」と判断しないことです。ETFでは商品名だけでは運用方法が分からない場合があるため、対象指数や運用会社の商品説明まで確認する必要があります。
[参照] 日本取引所グループ「レバレッジ型・インバース型ETF銘柄一覧」
ETFではなく投資信託なら「auAMレバレッジNASDAQ100為替ヘッジ無し」がある
「ETFであること」にこだわらなければ、日本国内でも為替ヘッジなしのレバナス商品があります。その代表例が、auアセットマネジメントの「auAMレバレッジNASDAQ100為替ヘッジ無し」です。
このファンドはNASDAQ100指数先物を純資産総額の2倍程度買い建てる一方、為替予約取引などを利用して純資産総額程度の米ドルを保有する仕組みになっています。運用会社は、純資産の2倍程度のNASDAQ100指数のリターンと、純資産相当の米ドル保有に伴うリターンの獲得を目指すと説明しています。
この点は少し分かりにくいため、イメージとしては「NASDAQ100部分にはおおむね2倍のレバレッジをかけつつ、為替については純資産相当額のドル円変動を受ける」と考えると理解しやすいでしょう。「株価指数も為替も単純に2倍になる」という意味ではありません。
たとえばNASDAQ100が1日に1%上昇し、同時に円安・ドル高が進んだ場合には、NASDAQ100のレバレッジ効果に加えて為替変動がプラスに作用する可能性があります。反対にNASDAQ100が上昇していても急激な円高が進めば、為替部分がリターンを押し下げる可能性があります。
[参照] auアセットマネジメント「auAMレバレッジNASDAQ100為替ヘッジ無し」
米国上場ETFならNASDAQ100の2倍「QLD」がある
海外ETFまで対象を広げれば、NASDAQ100へレバレッジ投資する代表的なETFとしてProSharesの「Ultra QQQ(ティッカー:QLD)」があります。
QLDはNASDAQ100指数の日々の騰落率の2倍に相当する投資成果を目指す米国上場ETFです。つまりNASDAQ100が1日に2%上昇すれば、手数料や運用上の乖離などを考慮する前の目標として約4%の上昇を狙います。
QLD自体は米ドルで取引される米国ETFなので、日本円を基準に資産を考える日本の投資家にとっては為替変動の影響があります。ドル建てのQLD価格が上昇しても円高・ドル安になれば円換算した利益が小さくなる可能性があり、円安・ドル高なら反対に押し上げ要因となります。
ただし、これは「日本の投資信託でいう為替ヘッジなし商品」と完全に同じ構造という意味ではありません。QLDの運用目標自体は、あくまで米ドルベースのNASDAQ100指数の日次リターンの2倍です。日本人投資家が円換算したときに、その上へドル円の為替変動が加わると考えると分かりやすくなります。
3倍レバレッジならTQQQもある
NASDAQ100のレバレッジETFとして世界的によく知られているのが、ProSharesの「UltraPro QQQ(TQQQ)」です。TQQQはNASDAQ100指数の日々の値動きの3倍を目標とします。
たとえばNASDAQ100が1日に3%上昇すれば、理論上TQQQは約9%上昇する方向を目指します。一方、NASDAQ100が3%下落すれば約9%下落する方向になるため、QLDや国内の2倍型商品よりさらに値動きが大きくなります。
TQQQも米ドル建てETFなので、日本円で評価する場合にはドル円相場の影響を受けます。その意味では為替ヘッジを行っていない状態でNASDAQ100のレバレッジ商品を保有したい場合の選択肢になりますが、2倍ではなく3倍という大きな違いがあります。
[参照] ProShares「TQQQ UltraPro QQQ」
2869・auAM・QLD・TQQQの違いを比較
同じ「レバナス」と呼ばれることがあっても、商品によってレバレッジ倍率、上場市場、為替の影響、売買方法が異なります。代表的な違いを整理すると次のようになります。
| 商品 | 種類 | NASDAQ100へのレバレッジ | 円から見た為替影響 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| iFreeETF NASDAQ100レバレッジ(2869) | 国内ETF | 日次約2倍 | 為替変動の影響を極力排除 | 東証で円建て売買可能 |
| auAMレバレッジNASDAQ100為替ヘッジ無し | 国内投資信託 | 約2倍 | 純資産相当の米ドル変動を反映する設計 | 為替ヘッジなし型の国内レバナス投信 |
| QLD | 米国ETF | 日次2倍 | 円換算時にドル円変動の影響あり | NASDAQ100の日次2倍 |
| TQQQ | 米国ETF | 日次3倍 | 円換算時にドル円変動の影響あり | 値動きがさらに大きい |
「東証で売買できるETF」「2倍レバレッジ」「為替ヘッジなし」という3条件をすべて満たす商品を求めると選択肢がなくなりますが、ETFという条件を外せばauAMの商品、国内上場という条件を外せばQLDという選択肢が見えてきます。
為替ヘッジなしならNASDAQ100の値動きが2倍、為替も2倍になる?
ここは誤解しやすいポイントです。為替ヘッジなしのレバナスを保有しても、必ず「NASDAQ100が2倍+為替変動も2倍」になるわけではありません。
たとえば米国ETFのQLDは、米ドルベースでNASDAQ100の日次騰落率の2倍を目指します。日本人投資家が円換算すると、そのQLDのドル価格へさらにドル円レートが掛け合わされます。
単純な例として、QLDがドルベースで10%上昇した一方、円がドルに対して10%上昇する円高になった場合、円換算した利益は10%そのままではありません。逆にQLDが10%上昇し、同時に10%程度の円安が進めば、円換算リターンはさらに大きくなります。
つまり為替ヘッジなしレバナスは、「NASDAQ100へのレバレッジ」と「為替リスク」を別々に理解する必要があります。
為替ヘッジあり・なしはどちらが有利?
為替ヘッジありとなしのどちらが常に有利ということはありません。将来のドル円相場によって結果が変わります。
為替ヘッジなしの場合、円安・ドル高が進めば円換算した資産価値を押し上げる方向になります。一方で円高・ドル安になると、NASDAQ100自体が上昇していても円換算リターンが削られる可能性があります。
為替ヘッジありの場合はドル円の変動を極力抑えるため、NASDAQ100そのものの値動きをより直接的に取り込みやすくなります。ただし、為替ヘッジには金利差などに由来するヘッジコストが発生する場合があります。
特に日本と米国の金利差が大きい局面では、円からドルへの為替変動をヘッジするコストが無視できないことがあります。そのため、「円高が怖いから必ずヘッジあり」「円安になると思うから必ずヘッジなし」と単純に決めるのではなく、商品のコストや投資期間まで含めて比較する必要があります。
レバナスは長期で必ずNASDAQ100の2倍になるわけではない
レバレッジETFを理解するうえで最も重要なのが、2倍型なら長期間でもNASDAQ100の上昇率がそのまま2倍になるわけではないという点です。2869やQLDなどは、基本的に「1日ごとの騰落率」の2倍を目指します。
たとえばNASDAQ100が100から1日目に10%上昇すると110になります。翌日に10%下落すると99です。2日間では1%下落しています。
一方、日次2倍の商品なら1日目に20%上昇して120となり、翌日に20%下落すると96になります。結果は4%下落です。NASDAQ100の2日間の下落率1%を単純に2倍したマイナス2%とは一致しません。
この現象は日々のリターンを複利で積み重ねることで発生します。特に相場が上下を繰り返す局面では、レバレッジ商品が指数に対して不利になりやすいことがあります。
大和証券も、レバレッジ指標の2営業日以上の騰落率は原指数の騰落率を単純に2倍したものとは通常一致せず、一般的に長期間の投資より比較的短期間の値動きを捉える商品として説明しています。
[参照] 大和証券「iFreeETF NASDAQ100シリーズ」
海外ETFを買う場合は証券会社の取扱状況も確認する
QLDやTQQQは米国市場に上場しているため、日本国内の証券会社から購入する場合は、その証券会社が該当ETFを取り扱っている必要があります。すべての証券会社で同じ海外ETFを購入できるわけではありません。
また、米国ETFはドルで売買されるため、日本円から購入する場合には円をドルへ交換する必要があります。証券会社によっては円貨決済も利用できますが、その場合でも内部的には為替交換が行われるため、為替手数料や適用レートを確認する必要があります。
国内ETFの2869なら東京証券取引所の取引時間中に円で売買できますが、QLDやTQQQは米国市場の取引時間に売買します。取引時間、為替、手数料、税制なども含めて比較することが重要です。
NISAでレバナスETFを買えるのかにも注意
レバレッジ型商品を検討するときには、NISA対象かどうかも通常のNASDAQ100 ETFとは異なります。新NISAの成長投資枠では、一定の条件を満たさない高レバレッジ型投資信託などは対象外となっています。
たとえば大和アセットマネジメントの商品ページでは、通常型の「iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)(2840)」にはNISA対応と表示されていますが、「iFreeETF NASDAQ100レバレッジ(2869)」はレバレッジ・インバース商品として分類されており、NISA対応商品とは表示されていません。
したがって、「NASDAQ100へ投資するならNISAで買えるだろう」と考えず、商品ごとにNISA対象かどうかを確認する必要があります。
まとめ:国内ETF限定なら為替ヘッジなしのレバナスは選択肢が限られる
2026年8月時点で、東京証券取引所に上場している代表的なNASDAQ100の2倍レバレッジETFは「iFreeETF NASDAQ100レバレッジ(2869)」です。しかし2869は、為替変動の影響を極力排除する設計になっています。
一方、レバレッジなしなら「iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)(2840)」がありますが、これはNASDAQ100の日々の値動きにおおむね1倍で連動する商品です。国内上場ETFに限定すると、「NASDAQ100・日次2倍・為替ヘッジなし」という組み合わせの商品は2026年8月時点では確認できません。
ただしETFという条件を外せば、「auAMレバレッジNASDAQ100為替ヘッジ無し」という国内投資信託があります。また、海外ETFまで選択肢を広げれば、NASDAQ100の日次2倍を目指すQLDや、日次3倍を目指すTQQQがあります。これらを日本円で評価する場合にはドル円相場の影響も受けます。
商品を比較するときには、単に「為替ヘッジあり・なし」だけではなく、レバレッジ倍率、国内ETFか海外ETFか、信託報酬・経費率、為替コスト、NISA対象の有無、日次リセットによる長期リターンの乖離まで確認することが重要です。特にレバレッジ型ETFは長期間でNASDAQ100の騰落率を単純に2倍・3倍した成績になる商品ではないため、その仕組みを理解したうえで利用する必要があります。
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